2017年02月04日

「子どもが主人公の居場所づくり」を通して (連載その1)

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「子どもが主人公の居場所づくり」を通して (連載その1)



保育って大変!?



 子どもたちと街を歩いているとよく「大変ねぇ~。ご苦労さまね!」と声をかけられます。たぶん声をかけてくれた方に悪気はなく、声援のつもりなのだとは思うのですが、言われた私は「外側からから見ると私たちの姿が『大変そう』に映っているのだろうか?」といつもドキッとしてしまいます。




 当団体が運営している野外保育「まめのめ」は、園舎がありません。地域の自然をまるごとフィールドにして、1日として同じ日のない自然の中でとことんあそびます。

いわゆる『森のようちえん』と言われる活動です。『森のようちえん』と言っても、活動しているのは東京郊外の日野市。森というより街中です。

だから、子どもたちが自由にのびのび遊べる場所を求めて、毎日集合場所にしている栗林(事務所の家主さんのご厚意で、許しを得ています)から自由に遊べる場所へ出掛けています。そこで先ほどの「大変ですね」なのです。こんなところをぞろぞろ連れて・・・という気持ちが含まれているのでしょうか。




子供っておもしろい!



 では、本当に私たち保育スタッフは「大変」かというと・・・断じて答えはNOなのです。だって、子どもって実におもしろい!




つい先日の雨降りの日。「まめのめ」は雨でも外で遊びます。でも、お弁当は屋根のあるところで食べたいので、多摩川の橋の下に行くことに。橋の下の雨が来ないところでリュックを置いてふと見ると、橋に降った雨がまとまって流れ落ちるところが滝みたい・・・と思ったら、そこで滝修行を始める子どもたち。

上下のカッパを着ていても、どこからここまでびっしょびしょ。でも本当に楽しそうで、とても「やめて!」なんて言えません。大人はついつい後のことを考えちゃうけど、子どもは今を全力で楽しんでいるのです。そんな子どもたちが見つけた面白いことを、子どもたちと一緒に面白いと感じられる大人でいられるって、つくづく幸せだなぁと感じます。

びしょ濡れの洗濯は、それぞれのお母さんたちにお願いします。泥だらけになった服を見てもにこやかに迎えてくれる保護者に囲まれているので、安心して思いっきり遊ぶことができるのです。



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子供達から受け取る幸せ



 野外保育「まめのめ」は、1才~就学前の子どもたちが、まるで兄弟の様に一緒に過ごしています。もちろん群れのリーダーは年長の5歳児たち。小さい子と手をつないだり、時には着替えを手伝ったり、ケンカの仲裁をしたりと忙しい。一方の1歳児はというと、子どもたちからもスタッフからも大事に大事にまるでお姫様扱い。

眠くなったときのためにベビーカーを常に持ち歩き、文字通りの至れり尽くせり。でもそれも次の一番ちいさい子が「まめのめ」に入って来る日まで。本人が「ボクはもう小さくない!」となるから不思議です。

そうして育った1歳の大切な時期に、「ひろみさんってボクの言うこと何でも聞いてくれる人なんだ」という信頼と、「ひろみさんはボクのこと大好きで、ボクといるのがうれしいんでしょ」と思っているのを感じた時の幸せな気持ちは、他の何にも変えられないものです。







 もう少し大きくなった3歳児。今日も泣きながら「❍❍くんがいやなことした」と伝えにやって来ます。「そうなんだ。イヤだったねぇ~」と答えると、まっすぐ私を見て「うん」と納得したように頷き、また仲間のもとに遊びに出掛けます。大人はつい、「何かしてあげなくちゃ」とばかりに余計なことをしてしまいがち。

❍❍くんの所へ一緒に行って、関係の修復に力を貸したりして・・・。でも、実際はじっくり聞いてもらいたいだけの事の方が多い。それでもう気持ちが満たされているのです。

「心から共感する」簡単なようで、親子ではなかなか難しいのかもしれません。必要な時にいつもいて「そうだったのね」と子どもの気持ちに心を傾けられる大人でいられる事も、幸せだなぁと感じます。





 そして一番大きい5歳児。大人の事をよく見ています。卒園間際になると必ず言われるのが「ひろみさん、どうせ泣くんでしょ」という言葉。昔から涙腺がゆるいのですが「泣く」のは寂しいからではなく、卒園児の姿が誇らしく、ただただうれしくて・・・。そんな気持ちをぐっとこらえて「ずっーと「まめのめ」に居る?」と聞いても「やだもん、1年生になるんだもん!」と必ず言われます。そんな背中を見送ることも幸せのひとつです。



とことん外で、とことん仲間と、とことんあそぶ



野外保育「まめのめ」の活動を通して、改めて季節の移り変わりの素晴らしさを再認識しています。夏には夏の、冬には冬の楽しみがあるのです。それはのびるや桑の実、ムカゴなど自然の恵みを味わうことだったり、虫やヘビ、魚など生き物と触れ合うことだったり、原っぱの花や葉っぱ、木や石ころのすべてが子どもにとってはあそび道具です。





そして、自然は美しい時ばかりではなく、牙をむいて襲いかかってくることもあります。そんな自然の厳しさを、子どもたちと一緒に乗り越えてきました。





 今でも、近所のアパートの駐輪場を通りかかるたびに「ここで雨宿りしたよね。みんなでぎゅうぎゅう満員になってね!」と話す子どもたち。それは2年前の7月。浅川で泳いだ帰り道、急な雷と豪雨に襲われました。

どうにもならずに、飛び込んだアパートの駐輪場。ぎゅうぎゅうと重なるように雨宿り。叩きつけるような雨を前に呆然とするみんな。雷の音もお腹に響きとても不気味です。小さい子たちが不安で泣き出すのではないかと心配でしたが、その窮地を救ってくれたのも子どもたちでした。「なんかさぁ~、歌いたい気分じゃない!」と歌を歌ってくれる子や、流行のだじゃれを連発して笑わせてくれる子までいました。

この緊迫した状況をなんとかみんなで乗り越えようと、智恵をしぼってくれたのです。幸い雨は20分もたたない内に小やみになったのですが、緊張していたせいか、私にはもっと長く感じました。





 このような場面は、数えたらきりがありません。雪の日に夢中で雪あそびして、ふと気がつくと体が芯から冷えてしまい、泣き出したい気分の中大きな声で歌いながら帰ったこと。山で蜂に刺された子をスタッフがおんぶして下山する時に、スタッフの大きな荷物を担いでくれた子がいたこと。

冷たく降り続く雨に心細くなった子の手を、ぎゅっと握って励ましてくれた子がいたから、なんとか帰りつけたこと。





「まめのめ」は、大人も子どもも運命共同体。喜びも、そしてつらいことも一緒に乗り越え成長してきました。これって、便利になった今の生活の中では感じる事のできない貴重な体験だと思うのです。





 毎朝「今日はどこであそぼうか?」で始まる1日。





『子ども時代』のあそびを保障する!という志を抱いて、子どもたちの「今」と共に生きる日々は、喜び溢れるしあわせな毎日なのです。




HPアドレス http://www.manazashi2009.sakura.ne.jp/


 

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