2016年04月14日

配慮が必要な子の背景

保育士にとって「気になる子」とは、「どのようにかかわってよいかわからない子」であり、必ずしも「気になる子=障害がある子」ではありません。

気になる姿を示す原因はさまざまですが、大きく分けると、

  • ・発達障害によるもの
  • ・保護者の育て方や養育環境によるもの
  • ・園環境とのミスマッチ

の3つがあげられます。

今回は、近年特に注目が必要な「保護者の育て方や養育環境によるもの」について、掘り下げてみたいと思います。

保護者の育て方や養育環境によるもの

近年、「気になる子」の背景には、こちらに当てはまる子が増えており、保護者と良好な愛着関係を築けなかったことが、子どもの発達に影響を与えていることが多く見受けられます。

具体的には、保護者による虐待(身体的・精神的・性的虐待・ネグレクトなど)があげられます。

また、保護者自身が「うつ病」「統合失調症」などの精神的な疾患がある場合もあります。

一例として、保護者から十分な愛着関係が築けていない子どもは、周囲に対して安定よりも恐れのほうが上回り、過敏に反応する傾向があります。

また、自分に気を向けてもらいたい気持ちから、落ち着きのない行動をとる子もいます。

「世界で一番受け入れてもらいたい保護者から受け入れてもらえない」という人として一番ベーシックな部分が揺らいでいる状態なのです。

そう考えると、落ち着きのない行動をとるのも理解しやすいかもしれませんね。

ただ、発達障害と愛着関係の不全には、複雑で入り混じった関係性があり、

「発達障害が起因して愛着不全になるのか」、

「愛着不全から発達障害児のような行動をとるのか」、

双方の見極めはとても難しいです。

愛着不全のケースについては、発達障害に対する支援のほかに、保護者により愛着関係の築き直しが必要です。

専門家と連携を取り、子どもの家庭環境や家族関係などの背景を探っていくことが、状況の改善に求められます。

また、別の問題として、過保護な保護者による背景も存在します。

事例として、「砂遊びを極端に嫌がり、走り方がぎこちない」子がいた場合、

「自閉性から感覚的な過敏さがあり、砂の感覚が苦手で、不器用なため、走り方がぎこちない」

と仮に理解することもできます。

しかし、後で保護者から話を聞いてみると、「砂場が不衛生という理由で砂遊びをさせたことがなく、またけがをすると危ないので、戸外でも走らせたことがない」といった子育てをしてきた経緯がありました。

こちらは極端な例かもしれませんが、最近はこのような子育てのスタイルをとっている保護者は決して珍しくなく、生活全般に関する経験不足の子どもが増えているようです。

「経験不足」は今後の保育現場での大切なキーポイントとなりそうです。