2016年05月13日

保育ソーシャルワークとは

ソーシャルワークとは、課題を抱える人の相談に乗ってその人が必要とする社会資源を探し、専門知識に基づいたカウンセリングや援助をすることで課題の解決をサポートする活動のことです。

この概念を保育で取り入れたものが、保育ソーシャルワークです。

保育ソーシャルワークが求められる理由

・家庭環境などが複雑になったため

子どもたちを取り巻く環境が複雑になっている今、相談支援において保育の助言だけでなく、家庭問題の解決への助言が求められることも増えています。

中には他の福祉サービスへの案内など、保育士の経験や保育の知識だけでは対応が難しい場合もあります。

そのような際にはソーシャルワークの知識や技術の活用が有効です。

・地域の子育て支援の機会が増えるため

児童福祉法の改正で、保育所は入所者以外の地域の子育て支援も行う必要性が定められ、子ども子育て支援新制度では地域の子育て支援を積極的に行う認定こども園の普及が図られています。

相談支援の機会が増えるという意味でも、保育業界でのソーシャルワークの必要性はますます高まると言えるでしょう。

保育ソーシャルワークの現場実践

・課題中心理論・アプローチ

ソーシャルワーカーが利用者と定めた目標に対し課題を設定し、限られた時間の中で取り組む手法。

例えば、子どもの成長を目指す中で「みんなとあいさつできるようになろう!」という目標を設定するとします。

その達成のために課題を3つ作ります。

()

1...鏡の前で1分練習しよう

2...友だちと目があったら笑ってみよう

3...友だちより早くあいさつしよう

このように達成可能な小さな課題を作ることで、目標達成を支援できます。

 

・ナラティブ理論・アプローチ

人々が語るナラティブ(物語)に焦点をあて、心理的治療を行う手法です。

例えば、何をやってもうまくいかない、とノイローゼ気味の保護者に遭遇したとします。

まずは保護者の話を傾聴し、「再構築」してあげましょう。

()

「あんなこともあった」「こんなこともあった」だから自分はダメな保護者だ...という物語を、「こんなこともあった」「あんなこともあった」けれど今までにこんな努力し、こうなりたいと思っている...と前向きな物語に再構築する支援をしてあげることで今後どのようなストーリーで生きていったらよいか、一緒に考えていきます。

 

・エコロジカル理論・アプローチ

人の抱える問題は、人と周りの環境の相互作用によって起こり、双方の関係改善を働きことで問題解決を目指そうとする手法です。

例えば、まず問題が発生したらその環境を知るために図(エコマップ)に書き出してみます。

全体の関係から問題がどの部分の摩擦で生じているか分析します。

()

暴力的な児童がいたとします。保育士さんは暴力的になってしまうことに「言語化することが苦手」「母親の暴力の影響」などの背景要因があることを分析し、母親との関係などの改善から問題行動にアプローチしようと試みます。

場合によっては関係機関とのネットワークを活用し必要なサービスを提供するなど、いろいろな支援方法で課題解決を図ります。