2016年08月16日

保育士の給料はなぜ上がらない?

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他の職業に比べて、保育士の給料は安いと言われています。子どもたちの大切な命を預かり、重要な時期に成長を見守り支える役割を担うという、大変責任の大きい仕事である保育士。それなのに、保育士の処遇は大変低く、長年働いても給料は雀の涙ほどしか上がりません。そのため、勤務は長続きせず、離職率も多いのが現状です。給料が上がれば、離職率も多少改善されるのではないでしょうか。なぜ、低賃金なのか、一緒に見てみましょう。

 

■保育士の給料のしくみ・運用費の流れ

国も各自治体も保育士の処遇改善に力を入れると言っておりますが、なぜ一向に給料は上がらないのでしょうか。理由の一つとして、保育園の制度が関係していると考えられます。保育園は児童福祉施設であり、厚生労働省が管轄しています。おもな財源は認可保育園の場合、公的補助金と保護者からの保育料からとなります。保護者から受け取った保育料と国や都道府県から受け取った負担金や補助金によって運営費は成り立っています。そこから保育士の給料は支払われます。負担金や補助金は税金が使われているため、過大に上げにくく、保育料は"公定価格"で決まっているため、事業者が勝手に上げることも難しいと考えられます。

 

■保育士の給料は今後上がるのか

国は、子ども・子育て支援新制度において、平成29年度末までに約40万人分の保育の受け皿を確保するため、民間保育所で働く保育士の給料を平均5%改善すると発表しました。近年では株式会社の参入も増え、給料改善に取り組んでいる会社もあります。深刻さをます少子高齢化問題及び待機児童問題。行政、民間を問わず保育士の処遇改善に向けた取り組みが見られますが、すぐに大幅な改善は難しいと思われます。その間にも離職率は上がるかもしれませんし、早急な対策が必要と思われます。

 

そんな中、園長らが園の資金で不正したという悲しい出来事もありました。このような事件があると、保育士は安い賃金で日々頑張っているのにやりきれませんよね。さらに、保育の仕事は「子どもと遊んでいるだけ」「子どもが帰ったらおしまい」と誤解を受けやすい職業でもあります。このようなニュースは、処遇改善の必要性を訴える上で、弊害にもなりかねません。

子どもが好きで、子どもの成長を感じられるのがやりがいと思っていても、一人の人間としての生活もかかっています。保育士は給与が安いのに仕事量も多いので、実家住まいを採用条件にしている保育園もあります。自立した生活や家庭を持つことに課題を抱える部分も多くあるのが現状です。園にもよると思いますが、給与が上がると言われつつ、その実感を得ている方は少ないのではないでしょうか。今後、国や自治体の処遇改善が早急に進められることを願うばかりです。