2016年09月28日

保育士はなぜ激務なのか?現状と原因まとめ

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近年は選挙でも、保育士の待遇改善が政策として大きく取り上げられるようになりました。

それほど日本では保育士不足が社会問題として長期化しています。

待機児童を解消するためには、保育士を増やすことが急務なのですが、実態はなかなか難しく、保育士の数が増えないどころか、離職率も高い職種です。

ではなぜ保育士のなり手が増えないのでしょう?

一般的に、保育士は激務で低賃金というイメージがあるかと思います。

今回は、保育士が激務とされる原因に焦点を当てていきたいと思います。

 

激務の背景その1:肉体労働とデスクワークのWで激務

保育士といえば子どもと関わるお仕事。

大半の人は子どもが好きでこの職業を選びます。

したがっていつも全力で子どもと向き合う肉体労働であることはよく知られているのですが、案外知られていない一面があります。

それこそが保育士の仕事が激務とされる原因の一つ、肉体労働と同時にデスクワークも膨大に存在するということなのです。

そう、保育士は一日中子どもの相手だけをしていればいいわけではありません。

子どもたちがいる間は全力で保育や介助、遊びの相手をしますが、これらの肉体労働と並行して、子どもたちが昼寝タイムの間には一気に保育日誌や連絡帳を記入しなければなりません。

また、子どもたちが降園した後は、お便りや、指導計画の作成・振り返りが待っています。

この指導計画というのがかなり手ごわく、厚生労働省の保育所保育指針によると、「子どもの生活や発達を見通し長期的な指導計画と、より具体的な子どもの日々の生活に即した短期的な指導計画を作成すること」となっているのです。

つまり、日々の遊びや散歩にもすべて指導計画をたて、その振り返りを毎日のようにしなくてはなりません

一見無駄に思えるこの作業が多くの保育士の負担を増やしていると思われます。

このように、保育士は肉体労働ばかりではなく、事務仕事も大量に抱えているのです。

体も頭も全力で使う、まさにWで激務なお仕事ということでしょう。

 

激務の背景その2:残業や持ち帰り仕事の多さ

上に書いたように、保育士にとって子どもと触れ合っている時間は仕事のうちの一部分でしかありません。

上に書いた事務仕事のほかにも、子どものいない間にしなくちゃならない仕事がたくさんあります。

例えば、保育室の壁面の飾りつけは月ごとや季節ごとに定期的に変えますし、そのたびに作成しなおす園がほとんどのようです。

また、行事が近づいているときはその計画・準備なども大きな負担となります。

例えばお楽しみ会ならプログラム作りから出し物選び、そして舞台セットや衣装の作成も全部保育士が担当することになります。

当然これらの作業を定時内に終わらせることは至難の業です。そこで、仕事の持ち帰りや残業が大量に発生することになります。

 

激務の背景その3:まとまった休みが取りにくい

保育園というのは、保護者の多様な就業形態に対応するため、平日だけでなく土曜日も運営しなくてはなりません。

そのため、土曜日出勤のシフトに入った保育士は、平日どこかで振替休日を取る形になります。

つまり、まとまった休みがとりにくい状況にあるといえます。

また、子どもの数に対する保育士の数は国で定められているため、保育士の数をギリギリで回している園で体調を崩した保育士がいた場合には、本来休みのはずの保育士に出勤してもらわざるを得なくなります。

このような状況では気軽に旅行に行くことも難しいと思われます。

 

激務の背景その4:労働量と釣り合わない賃金

ここまで保育士が激務とされる原因をいろいろと紹介してきましたが、上記のような仕事量にもかかわらず、保育士の平均年収は250万程度と言われています。

保育士は国家試験の有資格者であるにもかかわらずです。

難しい試験に合格して保育士になったけれど、現実は想定外の量の事務仕事と残業に消耗する毎日。

休みも取りづらく賃金も安いのでは、いくら子どもが好きだとしても限度があります。

保育士は聖職ではあるかもしれませんが、働いているのは生身の人間です。

子どもが好きという精神力だけでこのような過酷な環境で耐え抜くのはかなり難しいと言えるでしょう。

保育士の待遇改善を政策に掲げる政治家たちには、ぜひとも賃金アップとともに、不必要な事務仕事の負担減や休日を取りやすくする施策も政策に盛り込んでいただきたいですね。