2017年10月17日

第2回 日本で当たり前のものがない、ドイツの街のおもちゃ屋

Lets Play!世界の保育とゲーム


前回、私が「保育修行」で訪れたドイツで『おもちゃに魅せられた』と書きましたが、ではそのドイツのおもちゃ屋さんは一体どんな感じなのでしょうか?今回はそんなドイツのおもちゃ屋の話を書いてみたいと思います。
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ドイツでは、日本のおもちゃ屋さんでは当たり前のものが...ない!



ドイツの街にあるおもちゃ屋さんに行ってみると、日本のおもちゃ屋さんとの大きな違いがひとつあります。日本のおもちゃ屋さんに必ずあるものがないのです。
それは、日本のおもちゃ屋さんの売り上げの中では、大きな割合を占めるコンピューターゲーム及びTCG(トレーディングカードゲーム)が置かれていないこと!

これって日本だと凄い事で、玩具店としてはこうしたゲームを置いていないと店舗がつぶれかねない状況です。(日本玩具協会の調査では、2016年のおもちゃ屋の売り上げの約4分の1は、コンピューターゲームとトレーディングカードゲームでした)

ただ、ドイツの街の普通のおもちゃ屋さんにはそういった玩具は置かれていません。代わりに日本のおもちゃ屋さんだとほとんど見ないものが1~4棚ほど、必ず置かれています。
それがボードゲームやカードゲームなどのアナログなゲーム。これは、特別そういったものに特化した店舗のみがという事でなく、どの街のどのおもちゃ屋さんでもそうなのです。




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1年間に1000種類以上もの新作アナログゲームが発売!



日本だとアナログなゲームの棚は多くて1棚、小さな店舗だと下手するとほんの一部分になってしまわないでしょうか?
置かれているゲームも、30年前からほとんど変わらない定番のラインナップが多いですよね。将棋、オセロ、トランプ、や定番のすごろくゲームなど、本当に私がこどもの時からパッケージや細部は変わっても基本的に変わらない物が非常に多いです。

ところが、ドイツではそれこそ数十から数百種類の色とりどりなパッケージのアナログなゲームが置かれていて、それが店ごとに異なるのです。

それもそのはず、ドイツでは子どもから大人向けまで、それぞれの年齢に合わせて一年に1000種類以上の新作アナログゲームが発売されるのです。店舗によっては今月の売れ筋ゲームベスト10みたいなものを発表していたりして、日本のコンピューターゲームショップとかと似た感じを受けたりします。

ただ、デジタルゲームではなくて、これが全てアナログなゲームで、デジタルなゲームは置かれてすらいないのです。これがまず日本のおもちゃ屋さんとの大きな違いですね。




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保育のごっこ遊びでも活躍「プレイモービル」



後は、日本に比べて「手動」のおもちゃが多いのも特徴的です。例えば、レゴの様な世界感でブロックの様には組み立てないミニチュア『プレイモービル』(日本でも過去複数の代理店が輸入していたのですが、販売が振るわず現在では特に代理店が無いようです...)も本場ドイツではものすごく人気で、レゴと同じくらいの売り場面積が取られていたりします。

ドイツ南部の中心都市、ニュルンベルクにはプレイモービルファンパークというテーマパークまであり、私も訪れた事がありますが、来ている家族はみんな楽しそうで電動じゃないアクティビティを楽しんでましたね。

テーマパークなのに電気仕掛けのものがない!これだけで日本人には想像もつかないものではないでしょうか?
ただ、おっさん一人で行く場所ではない事も合わせて体感しましたが...。

こんなプレイモービルも、子どもが自分の手を使ってごっこ遊びができる事が基本で、電気を使って光ったり鳴ったりはしないんですね。

もちろん、男の子も女の子も、性別に関係なく楽しめるように車、動物、結婚式など色々な場面や物が商品化されています。

保育的に言えば、園などに遊具として取り入れられている園もあったりしますよ。なんにせよ、身体を使う以外のごっこ遊びの道具としては、組み立てなくてもすぐに遊びに入っていけるというのは、ありがたいところもあったりします。




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日本のおもちゃ屋さんには100%ないおもちゃとは



日本のおもちゃ屋さんだと電池を使うおもちゃが沢山あり、音が鳴ったりと賑やかなイメージがありますが、ドイツでは電池を使うおもちゃはほとんどありません。
おもちゃのラインナップも、日本と比べると静かなイメージを持つことが多いです。

そんな中でも、日本のおもちゃ屋さんには100%置いていないし、今後も置かないであろうものが売られているのを見つけました。
私の子どもの時だって、日本ではおもちゃ屋さんには置いていなかったなぁーと思います。いったい何だと思いますか?

それは、「小刀」です。日本にもごっこ用の刀はおいていても、本当に子どもが使える小刀は置いていないですよね。

ところが、ドイツのおもちゃ屋さんには大きい子ども向けに「科学実験セット」とかと同じようなところに子ども用小刀として売られていたりするんです。
ちなみに、「科学実験セット」もドイツでは人気のおもちゃのシリーズで、日本では夏休みの自由工作に売れそうな感じです。(例えば、結晶作成キット、ナノテクノロジーキット、カブトエビ飼育セットみたいな感じです)
話がそれましたが、ドイツのおもちゃ屋で売っているのを見つけた「小刀」。
友だちのドイツ人に「これって何に使うの?」と聞いたところ「子どもの頃に小刀を使って野外で弓矢を作って的当てとかしたよ」という返事が返ってきました。

日本でも昔は肥後守(ひごのかみ)と言って、折りたたみ式の小刀を持ち歩いていて、鉛筆を削っていた時代があったと思います。
子どもの頃は父親世代の人に「近頃の子どもは小刀で鉛筆も削れなくなって...」とよく嘆かれましたが、鉛筆自体すでに使われない時代が来つつありますもんね。

これを読んだ保育士の方は、ぜひドイツに行った時におもちゃ屋さんをのぞいてみてください。きっとあまりにも日本のおもちゃ屋と違うので、カルチャーショックを受ける事と思います。




プロフィール



畑 直樹(はた・なおき)

大阪府の公立保育所で20年近く保育士をした後、ドイツの保育を学ぶために単身ドイツに渡り、色々な園で研修を積む。
そんな中、アナログゲームと出会いその素晴らしさを伝えるために、帰国して子どものためのアナログゲームの輸入会社を設立する。
保育、教育界で日本唯一のアナログゲーム専門家として、全国各地で保育・教育界でのセミナーやワークショップの講師、アナログゲームをコミュニケーションツールとして、子育て世代、父親、ビジネスマンからお年寄りまでのイベントも幅広くこなす。

Kleeblatt株式会社 代表取締役
あそび文化研究所所長
特定非営利活動法人 世界のボードゲームをひろめる会 ゆうもあ 理事 
特定非営利活動法人 とよなかESDネットワーク 理事

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