2017年10月25日

第3回 ドイツには子ども専門の図書館がある!

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タイトル通りにはなかなかゲームや保育にたどりつきませんが、やはりドイツと日本には、色々な違いがあるため書かせていただきたく思います。
今回はタイトルにもあるとおり公共図書館の話です。公共(主には町立)図書館ですが、日本と違う事は基本有料だということ。町によっては無料のところもあります。例えば、私の住んでいたフランクフルトでは
その当時年間14ユーロを払えば会員になれ、既定の冊数だけ本が借りられたり、CDなども借りられたりといった感じです。
同じ町にある図書館は、会員になればどこを利用してもOK。日本にはなかなか無いような、「子どもと若者向け専門の図書館」があったりと、自治体によって内容は色々と異なっています。借りられる冊数はだいたい99冊を1か月間、季節ものの本だったりすると2週間といったように期間が短いものもあります。
CDなんかだと10枚2週間といった感じですが、もちろんその自治体や館によって細部は異なったりしています。

ドイツでも通じる「マンガ・カミシバイ」



日本に比べると、おおむね貸し出し冊数が多かったり、貸出期間が長いように感じます。本だけでなく、コミックスやマンガもあったりしますよ。
ちなみに、『コミックス』と『マンガ』は、日本だと同じ事を書いているように思われますが、ドイツでは意味が分けられています。
『コミックス』はアメリカやフランスなどの漫画のこと。
そして、『マンガ』はドイツでも通用する単語で、日本の漫画はドイツでも『マンガ』と言われます。日本と同じ漫画、例えば有名な海賊漫画や、
少年探偵の漫画がドイツ語で書かれているのをみるとちょっと嬉しくなりません?

有名な漫画だけでなく、結構マイナー(私が知らないだけ?)な漫画も翻訳して出版されていて日本の『マンガ』文化がドイツにも浸透しているのを見ると単純に喜ばしく思います。
それから、これは図書館のスタッフに聞いたところ、最近入ってきた日本文化らしいのですが、ドイツにも紙芝居が入ってきていました。「これはドイツ語でなんていうの?」とたずねると『カミシバイ』と言っていました。

ここにも新しい「日本ドイツ語」が!「どんな人が借りますか?」と聞くとやはり「幼稚園の先生や子どもに関わる人がよく借りていく」そうです。
ただ、一つ残念なことは日本の紙芝居は、一番前の絵の文章は最終面の裏に書かれているという風に、絵と文字がずれていますよね。これがドイツのものは1枚の紙に前の絵と裏面の文章が書かれています。

そのため、重ねて持てずに読む紙以外はどこかに置いておいて、1枚ずつ持ってきて読むといった、日本人からすると面倒くさい代物になっていました。
輸入するならこの辺りの細部もきっちりして欲しいと思うのは私だけでしょうか...。



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どこの自治体でも、アナログゲームが借りられる!



それ以外にも、驚く事にコンピューターゲームソフトの貸し出しもやっていたり、昨年訪れたデュッセルドルフの図書館では館内イベントとして、レースゲームの大会まで開催されていました。もちろん、デジタルゲームを貸し出しているという事は、アナログゲーム大国のドイツでこれの貸し出しが無いはずがない!そう、もちろんアナログゲームの貸し出しもやっています。これはどこかの自治体が特別というわけではなく大体どこの自治体も貸し出しをしています。

そして、こどもスペースではテーブルなどで館内にてそのアナログゲームが遊べたりするのです。図書館は静かにするところというイメージの強い日本からすると本当に驚きですよね。日本でも有名な『ハリガリ』といったベルを鳴らすゲームがあるのですが(ホテルのロビーや居酒屋さんとかにあるあの『チーン!』と鳴らすベルです)図書館で子どもたちが『ハリガリ』をプレイする...まさに日本ではありえない感じです。

こう書くとドイツの図書館は騒がしいのかと思われる方が多いかと思われますが、実際はそんな事なく節度を守った感じで、私もうるさいと感じた事は一度もありません。

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足りない部品は利用者が弁償!ドイツは「自己責任の国」



後は、日本に比べて「手動」のおもちゃが多いのも特徴的です。例えば、レゴの様な世界感でブロックの様には組み立てないミニチュア『プレイモービル』(日本でも過去複数の代理店が輸入していたのですが、販売が振るわず現在では特に代理店が無いようです...)も本場ドイツではものすごく人気で、レゴと同じくらいの売り場面積が取られていたりします。
ドイツ南部の中心都市、ニュルンベルクにはプレイモービルファンパークというテーマパークまであり、私も訪れた事がありますが、来ている家族はみんな楽しそうで電動じゃないアクティビティを楽しんでましたね。

テーマパークなのに電気仕掛けのものがない!これだけで日本人には想像もつかないものではないでしょうか?
ただ、おっさん一人で行く場所ではない事も合わせて体感しましたが...。
こんなプレイモービルも、子どもが自分の手を使ってごっこ遊びができる事が基本で、電気を使って光ったり鳴ったりはしないんですね。
もちろん、男の子も女の子も、性別に関係なく楽しめるように車、動物、結婚式など色々な場面や物が商品化されています。
保育的に言えば、園などに遊具として取り入れられている園もあったりしますよ。なんにせよ、身体を使う以外のごっこ遊びの道具としては、組み立てなくてもすぐに遊びに入っていけるというのは、ありがたいところもあったりします。


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ドイツの図書館はカルチャーの発信地



どうやって弁償するのか?と言う事になるのですが、
メーカーの協力のもと小さな駒や部品などは図書館にストックされ、紛失した人はそれを部品ごとに定められた金額、例えば1ユーロとかを支払い、図書館から購入して再びゲームの箱の中に入れて返却するといった感じです。
このシステムは駒などの小さい部品が多いアナログゲームにとって非常に有難いシステムだと思います。そうやって借りて帰って家族や友だちと色々なゲームを楽しむことができるんですね
ドイツの子どもたちはなんてうらやましいんでしょう!もちろん、子どもだけでなく大人向けゲームもあって、さまざまな年齢で色々なゲームを楽しむことができますよ。
こういった身近なところにゲームがあるところがアナログゲーム大国と言われる所以かもしれませんね。
ドイツの図書館はさまざまなカルチャーの発信地として今日も機能しているのです。




プロフィール



畑 直樹(はた・なおき)

大阪府の公立保育所で20年近く保育士をした後、ドイツの保育を学ぶために単身ドイツに渡り、色々な園で研修を積む。
そんな中、アナログゲームと出会いその素晴らしさを伝えるために、帰国して子どものためのアナログゲームの輸入会社を設立する。
保育、教育界で日本唯一のアナログゲーム専門家として、全国各地で保育・教育界でのセミナーやワークショップの講師、アナログゲームをコミュニケーションツールとして、子育て世代、父親、ビジネスマンからお年寄りまでのイベントも幅広くこなす。

Kleeblatt株式会社 代表取締役
あそび文化研究所所長
特定非営利活動法人 世界のボードゲームをひろめる会 ゆうもあ 理事 
特定非営利活動法人 とよなかESDネットワーク 理事

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