保育ライターの佐藤愛美です。東京都内では保育士の求人が多く、待遇も比較的よいため、多くの地方出身の方が一人暮らしで保育士をしています。
自分のペースで生活ができる一人暮らしは魅力的である反面、「保育士の給料だと家賃はどれくらいがいいの?」「仕事が忙しくて自炊ができないのでは?」など、多くの疑問や不安があると思います。
ここでは、東京の保育園や子育て支援施設の職員として働き、一人暮らしをしていた私の経験から、一か月の生活費などをはじめ、保育士の東京一人暮らし生活について解説したいと思います。
佐藤さん(保育士2年目)の家賃・生活費などの内訳は?
私が保育士2年目の時、手取りの給料は家賃補助を含み約18万円でした。
この時にかかった1か月の生活費用の平均内訳は以下の通りです。
家賃(東京都南部・1R)……60,000円
光熱費(水道・ガス・電気)……10,000円
交通費……5,000円
食費……30,000円
通信費(携帯、インターネット)……15,000円
交際費……3,0000円
雑費(消耗品等)……10,000円
合計……160,000円
現在は家賃補助と処遇改善でもっと暮らしが向上!
一人暮らしにかかった費用は、一か月でだいたい16万円〜17万円ほどです。
月々の給料から貯金をする余裕はないものの、保育士の収入でも、都内での一人暮らしは可能でした。
なお、保育士の処遇改善の影響により、現在は私が働いていた数年前よりも手取りが2〜3万円ほどアップしているようです。
また、家賃補助も充実しているため、以前よりも一人暮らしがしやすくなっていると思います。
ひとつだけ注意すべきポイントは、都内のエリアによって家賃相場が大きく変わることです。
また、セキュリティ面や駅から近い条件を重視するほど、家賃は値上がりします。
勤務する保育園の給料と、家賃補助の有無を確認した上で、理想とする物件を探したほうが後から金銭面で困ることが少ないと思います。
家の場所は職場に近いほうが良い?
「通勤が楽だから職場の近くに住もう!」と決めて、職場から徒歩5分の場所に家を選んだことがあります。
通勤はとても楽だったのですが、以下のようなデメリットが……
・通勤時間が短すぎてオンオフの切り替えができない。
・家の周辺で同僚や保護者に遭遇する確率が高い。
・雪や台風の日には、電車通勤の職員に代わり早番・遅番にシフトチェンジをお願いされることが多くなる。
・終電がないため、つい長時間の残業をしがちになる。
・持ち帰り仕事をするなら保育園に行ってしまおうと考え、休日でも職場に足を運んでしまう。
その後、引っ越しをし、職場から電車で1時間ほど離れた家に住むことになりました。職場から遠くなった分、早起きをしなくてはいけなくなりましたが、通勤電車の中で読書をしたり、その日の計画を確認したりする余裕もありオン・オフのスイッチを切り替える時間がもてました。
職場と家の距離は、個人の好みにもよりますが、私は職場からほどよく離れていたほうが仕事がしやすいと感じました。
子どもの病気がうつった時はどう乗り越える?
保育士の仕事を始めたばかりの頃は、子どもたちの病気をもらいやすいものです。
私もインフルエンザや胃腸炎、溶連菌などいろいろな感染症をもらった経験があります(苦笑)。
実家に住んでいれば看病してくれる人がいますが、一人暮らしの場合はそうはいきません。
自分で病院へ行き、療養中の食料を買い込んで生活する必要があります。
都内で一人暮らしをしていて良かったと思うことは、まわりにも同じように一人暮らしをしている人が多かったことです。
職場の同僚や、学生時代の友人にも一人暮らしをしている人がたくさんいたので、病気になるとお互いに心配し合い、必要であればお見舞いにも来てくれました(笑)。
日頃からこういったコミュニティを作っておくことで、一人暮らしで困った時も助け合うことができます。
今はSNSで人と繋がりやすくなっているので、そういったツールを利用することで「助けて」「手伝って」も伝えやすくなるのではないでしょうか。
多忙な保育士。自炊や洗濯をする余裕は?
早朝から夜間まで勤務時間がある保育士は、家に帰ってきても余裕がありません。
疲れて帰宅し、お風呂に入ってそのまま寝てしまうことも。
一人暮らしをすると、食事の準備や洗濯物、掃除などもすべて自分でやらなくてはいけません。
特に新人時代は、仕事と家事を完璧に両立することは難しいため、私は平日と休日に分散させていました。
休日にまとめて掃除をしたり、料理を一気に作り置きしたり。
一人分の洗濯物はあまり多くないので、2日に一度でも問題ありません。(夏場は除く)
帰宅後に持ち帰り仕事をすることもあると思いますが、家族がいないと仕事に没頭してしまい、そのまま徹夜明けで出勤……という可能性も。
そうならないために、「必ず12時には寝る」など、規則正しい生活を意識して過ごすことも大切です。
大変なこともあるけれど楽しい一人暮らし
家賃や食事の心配はありますが、自分が好きな部屋で自由に生活ができる一人暮らしはとても楽しいものですよ。
東京には、働く場所も住む家も多いため、「自分が働きたい保育園」と「自分が住みたい部屋」の二つに出会える可能性も高いのです。
ぜひ、理想のライフスタイルを見つけて保育の仕事を楽しんでください!
プロフィール
佐藤愛美。元保育士のフリーライター。
現場で働く保育士や、保育園に関わる保護者や地域の人々に向けて、リアルな情報発信を行っています。
好きな場所は沖縄の離島。「地域活性化×子育て支援」というテーマにも興味があります!