5月の第2日曜日は母の日です。保育園や幼稚園では日々お世話になっている人へ感謝することの大切さを伝える、子どもたちにとっても大切な機会と言えます。どんなできごとから始まった行事なのか、由来も伝えながら、保護者へのプレゼント作りを通して感謝を伝えましょう。今回は母の日にぴったりな製作アイデアを紹介します。
母の日の由来
母の日の由来は、実は海外で起こったあるできごとがきっかけでした。
アメリカから伝来
そのできごとは今から100年以上前の1905年にさかのぼります。
アメリカのアン・ジャービスという女性は地域の医療補助活動をするボランティア団体のリーダーとして、当時アメリカで起きていた南北戦争で傷ついた兵士の病気やケガの手当を率先して行っていました。
また、戦争が終わったあとも子どもたちへの教育支援や平和活動に従事するなど奉仕活動に尽くし、生涯を終えました。
アンの娘であるアンナ・ジャービスは人のために自分の人生を生きた偉大な母を敬い、母に感謝する日を作ろうと立ち上がり、普及活動を始めました。その活動はやがてアメリカ全土に広がり、1914年には正式に母の日が祝日として定められたのでした。アンナの母の命日が5月の第2日曜日であったことから、この日が母の日となりました。日本に伝わったのは大正時代で、現在のように定着したのは70年以上前の1945年以降と言われているようです。
最近では行事として扱わない園もある
しかしながら、近年、家庭のあり方が多様化していることもあり母の日の行事や製作をやらない園も増えてきているようです。
デリケートなところではありますが、母親がいない家庭の子どもに対して、はれものにさわるような対応はしないように気をつけましょう。
そういった家庭も普通にあるんだな、いろんなお家があるんだな、と子どもたち同士が自然に思ってもらえる環境を作れたらいいですよね。
実施に関しては子どもたちの家庭状況をある程度把握しておき、その上で園の方針として実施するかどうか、しっかり話し合ってみてください。
なぜカーネーションなのか
アンナの母であるアンが好きな花がカーネーションだったことが由来のようです。追悼式など、普及活動を進める中でアンナがカーネーションを出席者に配っていたそうです。
色にも意味がある
実は同じカーネーションでも色ごとに違う意味を持っています。赤色は「母の愛、愛を信じる」、ピンク色は「感謝、温かい心」、むらさき色は「誇り、気品」、青色は「永遠の幸福」など、ポジティブな意味を持つ色です。反対に、黄色は「軽蔑、嫉妬」、白色は「愛情の拒絶」というネガティブな意味を持ち、白色の場合は特に亡くなっている場合にあげるものなので避けた方がよいでしょう。
最近ではさまざまな色のカーネーションがお花屋さんで見かけられ、色にこだわらず贈っている場合もあるようですが、本来はこのような意味を持っています。子どもたちには赤色やピンク色の持つ意味を教えながら、製作でもその色を使うとよさそうですね。
母の日のプレゼント
子どもたちから保護者の方への母の日のプレゼントは、どんなものをあげたらよいでしょうか。
似顔絵
保護者の似顔絵を描くのは定番のプレゼントですよね。定番のものだけに、子どもが一生懸命描いた似顔絵に保護者も喜んでくれること間違いなしでしょう。
手紙
手紙もとても気持ちが伝わるプレゼントですよね。保護者によっては泣いて喜んでくれる人も多い素敵なプレゼントです。
手作りの工作
手作りの工作も、手がかかった分想いが伝わりやすいものです。カーネーションをモチーフにした作品や、似顔絵やお手紙と相性の良い作品など、手作り工作のアイディアを以下にまとめてみました。
製作のアイディア
母の日のプレゼントにおすすめの製作をまとめてみました。動画もついているので、併せて参考にしてみてください。
折り紙カーネーション
折り紙でカーネーションを作る製作です。お花のサイズに合わせて小さい折り紙を使っているので子どもたちには少し難しく感じてしまうかもしれないので、普通のサイズの折り紙を使って作るとより作りやすくなるかもしれません。
工程も少し多いですが、保護者もびっくりするような完成度の高さなので、ぜひチャレンジしてほしい製作の1つです。千代紙やオーロラ折り紙でアレンジしてもOK。そのままプレゼントするのも素敵ですが、不織布やラッピングフィルムで包み、持ち手部分をリボンできゅっと結んでラッピングしてあげれば、ブーケ風になってよりプレゼントらしくなります。お手紙を添えてあげるのもいいですね。
詳しくはこちら
フェルトレターケース
フェルトで作る、あたたかい手ざわりのレターケースです。手順はすべて針と糸を使った製作なので子どもたちには難しいものにはなってしまいますが、子どもたちにはお手紙を用意してもらい、先生が作ったものに入れるというのもよいかもしれません。また、フェルトではなく画用紙とのりを使って作れば、子どもたちでも簡単にできるのでおすすめです。似顔絵を入れる用として、大きいサイズで作るのもよいでしょう。お手紙や似顔絵を入れてセットでプレゼントしたら豪華になりますね。
詳しくはこちら
フェルトカーネーション
こちらも針と糸で作るフェルトの製作です。先生が作ったものを、子どもたちが自分で作った作品に貼りつけるのもよいかもしれません。子どもたちが作る場合は、不織布や花紙を使って輪ゴムで真ん中部分をしぼり、紙を追加しながらそれを3回ほど繰り返すことでお花を作るというのもよいでしょう。針と糸を使わないので、子どもでも簡単にできますよ。輪ゴムを使ってしぼる動作が難しそうなときは手伝ってあげてくださいね。
詳しくはこちら
母の日に感謝を伝えよう
プレゼントは感謝の気持ちを伝えるお手伝いをしてくれますが、大切なのは子ども本人が保護者にしっかり「ありがとう」を伝えることです。そこを子どもにきちんと理解してもらえるようにお話ししてあげてくださいね。製作の手順は動画、または動画記事に詳しく載っているので参考にしてみてください。オリジナルのアレンジを加えてもOKですよ。子どもがきちんとありがとうの気持ちを伝えられるといいですね。