保育士試験の筆記試験を突破すると、待っているのは「実技試験」。事前情報が少ないこともあり苦手意識を持つ受験者は多いようです。「実技は試験監督の目の前で受けるから緊張するし不安…」という声を聞くことも。今回は、保育士試験の実技試験の基本的な内容と合格率、そして試験監督が評価するポイントなども併せて紹介いたします!
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■目次
【保育士試験】実技試験の分野と内容
保育士試験の実技試験は以下の3分野で構成されています。
- 音楽に関する技術
- 造形に関する技術
- 言語に関する技術
しかしこの3分野をすべて受験するわけではなく、この中から自分で2分野を選択して受験します。
この科目選択は一次試験を受ける前、願書提出の段階で行ない、受験申請後の分野変更はできません。
そのため、前もってその年度に実施される保育士実技試験の内容を把握したうえで、どの科目を受験するか熟考する必要があるでしょう。
【保育士試験】実技試験の合格率
気になる保育士試験の実技の合格率ですが、例年、受験者の80%前後が合格となっているようです。しっかり対策して問題なく受験できれば、合格しやすい試験と言えるでしょう。
とはいえ、油断や慢心は禁物です。「簡単に合格できる」とたかをくくって試験に臨めば、残りの20%に入る可能性もありえます。
各分野50点満点中30点以上得点し、2分野で合計60点以上得点すれば合格ラインに達する保育士試験の実技。試験監督や試験官はどういった部分を見ているのか・評価のポイントはどこなのかを、しっかり把握してから受験に臨むようにしましょう。
【保育士試験】実技試験のねらい
保育士試験の実技のねらいとしては、『保育士として子どもたちと正しくふれあうことができ、音楽や造形・言語を用いて表現力を伸ばすための保育・指導において適切であるか』を見ていると考えてよいでしょう。
実技試験では、試験会場に子どもたちの姿はありません。
試験監督や試験官を意識した実技披露をしてしまうと、保育士にふさわしくないとして不合格となる場合もあるでしょう。
実技試験では、「目の前に子どもたちがいる」ことをイメージしながら受験することを忘れずにいれば、普段の力が発揮できる でしょう。
ここからは、各分野の内容と狙いについて、簡単に説明をしていきます。
【保育士試験の実技】音楽に関する技術
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「音楽」分野は、事前に提示されている課題曲2曲を、指定の楽器を用いて弾き歌いする試験 です。
出題されている楽譜には、歌詞とメロディー、コードなどの最小限の情報しか書かれていませんので、自分で無理なく演奏できるようアレンジしてもよいでしょう。
この分野のねらいとしては、子どもたちが楽しんで歌うために、楽器での伴奏ができるかどうか、という部分にあります。
そのため、演奏の正確さ、演奏や歌唱の技術よりも、子どもがのびのびと歌える場を演出できるか、子どものお手本となる歌と演奏が成り立っているか、という点が評価対象となるようです。
そのほかの注意点としては、保育士として子どもたちといっしょに歌うことをしっかりイメージして演奏することでしょう。
たとえば、実際の保育現場で子どもたちと歌う際には、伴奏をミスしたからといって最初から弾き直していたのでは、子どもたちの歌いたいという気持ちを阻害することになりかねませんよね。
そのように、子どもたちといっしょに歌っていることを想定しながら、多少のミスをしても演奏は止めずに、最後まで堂々と演奏を続ける方が高評価を得られるといった部分もあるでしょう。
【保育士試験の実技】造形に関する技術
「造形」分野は、保育の一場面を絵画で表現する試験です。
表現に関する問題文と条件が試験の当日に提示され、それを満たした絵を描く試験 となります。
画材や持ち込み可能なものは事前にアナウンスされますが、試験当日まで課題の内容、描画する紙の種類に関しては、全くわからないのがこの試験です。
この試験での試験監督や試験官は、絵の技術ではなく、子どもにとって親しみやすい色の使い方や、絵のバランスを習得できているかを評価のポイントとしているようです。
【保育士試験の実技】言語に関する技術
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「言語」分野は、3歳児クラスの子どもたち15人ほどに「3分間のお話」をすることを想定し、事前に提示された4つのテーマから一つ選んで、語り聞かせを行なう試験 です。
この分野では、保育園で子どもたちに絵本の読み聞かせなどをする時、どんなふうに子どもたちに話しかけるのか?ということが評価基準になるでしょう。
緊張してボソボソ小さく暗い声で語ったり、3歳児にふさわしくない言葉づかいや表現をしたりといった場合は、保育士として適切な語り聞かせが成り立っていないと試験監督や試験官に判断されることがあるかもしれません。
また、この試験では絵本や台本などの持ち込みは一切不可で、頭の中にあるお話を、小道具などを使用せずに子どもたちに語り聞かせる「素話」となっています。
そのため、あらかじめ絵本や台本をただ丸暗記したものを読み上げるだけではなく、子どもたちに理解しやすいように、ストーリーのあらすじや、登場人物を分かりやすく整理して臨むことも大切と言えるでしょう。
題材は「おおきなかぶ」や「3匹のこぶた」といった、よく知られている昔話がほとんどで、事前に公式サイトでタイトルのみが公開されます。
ストーリー展開や話の盛り上がる部分、要点などをしっかり頭に入れておき、聞き取りやすい声と、早すぎないスピードで、子どもたちに語りかけるように演じるのがポイントです。
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保育士の実技試験は試験監督のプレッシャーに負けずに挑もう
保育士試験の二次試験となる「実技試験」について、詳しい分野の紹介、試験官が見るねらいや受験時のポイントについて解説しました。
合格率が高い試験ということもあり、実技試験のねらいや評価基準などを把握していれば、あとはしっかり対策するだけ です。
試験官によい印象を与えられるよう意識しながら練習や対策に取り組みましょう。
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