2016年10月03日

残業、低賃金...保育士の過酷な労働環境と対策まとめ

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保育士は残業も多い!


わんぱくな子供達が相手の保育士というお仕事では、予想外のトラブルやハプニングがつきものです。
なかなか計画通りに仕事が進まないので、残業しなければ仕事が終わらないなんてことも多々あります。
特に私立の保育園などでは、残業代が出ないということもあるようです。
そんな保育士の残業について取り上げていきます。



保育士の実際の勤務時間とは


一般的に、正社員の保育士の場合、早いところでは始業時間は7時からという園も多くあります。
そして、閉園時間は大体18時頃、遅いところですと22時頃まで子どもたちを見ていなければいけないことも。
子どもたちのお世話が終われば、連絡ノートといった書類の仕事や掃除、イベントの準備などの様々な業務をこなさなくてはいけません。
そのため、開園から閉園までの間12~15時間を早番、中番、遅番のシフトで回していくのが保育園の勤務体系となります。
とはいえ、子ども相手の仕事ですので、トラブルやハプニングはつきもので、保護者のお迎えが遅れてしまった場合などは、子どもを放置して帰るわけにもいきませんので、残業をしなくてはいけないこともあります。
このようなことが要因で保育士の残業を増えてしまうのです。



悪習慣の連鎖も要因のひとつ


残業が多いのも問題ですが、さらに残業代さえ出ないとなると、働くのが辛くなってきてしまいますよね。
上司や先輩も長時間働いているため、労働環境について意見を言い出すこともできず、たとえ勇気を出して園長や上司に相談したとしても「皆そうやって働いてきている」「そんな事ではこの先もやっていけない」等と一蹴されてしまうケースも多いようです。
このように、残業や持ち帰り業務が当たり前のように行われている保育園の場合、次世代にも悪い習慣がそのまま受け継がれてしまう負の連鎖が起きてしまっています。



保育士不足の影響で今後の状況は良くなる?


昨今、上記のような悪しき習慣を変えるために、サービス残業禁止や、持ち帰り業務禁止といったルールを設けるようにしている保育園も増えてきました。
また、保育士不足解消のために、保育士の労働環境を改善する風潮や、法の整備が進められてきています。
しかしながら、現在の職場の残業が多く、限界を感じている保育士の方は、労働環境改善が進んでいる保育園への転職も1つの手です。
保護者のニーズに合わせて延長保育や早朝保育、夜間保育といった様々な携帯の保育園も登場しており、24時間体制の保育園の場合は、常に交代制で無理のないシフトが組まれているので、残業が発生しにくい仕組みになってきます。
自身にあった環境の園で働くことができれば、無理のあるサービス残業を減らすこともできます。
今の園に不満を持ったまま働き続けるのであれば、転職するといった決断をしても良いかもしれません。



保育士の待遇を上げるために政府も動き出している


残業など労働環境が過酷な保育士の待遇改善のため、政府の方針として、保育士の給与を2017年度から月額2%(約6000円)引き上げると報じられています。
また、保育技術の高いベテラン保育士に給与を手厚く配分するようにして、最高では月額4万円上がるように調整するとのことです。
また、政府の調査では、女性保育士の平均月給は26万8000円となっており、全産業の女性労働者の平均月給31万1000円よりも4万円以上低い状況のため、
安倍首相は「保育士と介護士については、競合他産業との賃金差がなくなるよう処遇改善を行うよう」指示したそうです。



2%増の引き上げに非難相次ぐ


70万人近くいるといわれる潜在保育士が復職しない理由として、あるアンケートによれば「給料への不満」をあげている人が実に60%以上だったそうです。
そのため、実際に、給与の引き上げは重要であることは事実です。
しかしながら、引き上げるとはいえ、わずか2%の引き上げという方針に、ネットなどでも「2%増えて何になるのだ」といった非難が相次いでいました。
さらに月額2%で約6000円の増額とされていますが、その前提条件となっている給料の金額に対しても疑問があがっています。



保育士の実際の給料の金額は


保育士の給料平均は26.8万円となっていますが、保育士として勤務していた時の給料の手取り額を聞いたアンケートによると、
15万円未満と回答した人が54.5%、15~20万円未満と回答した人が37.1%と大多数を占めています。
控除前であったとしても、国が前提としている26万8000円には及びません。



給料が5万円アップしても復職したくない人も...


また、潜在保育士の76.4%が、「保育士の給料が5万円アップしたとしても復職したくない」との意見をあげており、
たった2%増、平均6000円の引き上げでは、誰も再就職しようとは思わないのが現状のようです。
給料が上がることは嬉しいことですが、金額が低すぎるのにはまだまだ疑問が残っているのが実情です。



お給料の改善の他に家賃補助が出る


お給料の他にも、昨今の保育士不足の解消の為、各自治体によって保育士の処遇改善が進められています。

その一つが家賃補助です。
東京都は、平成27年度から保育士一人当たりに月額平均2.1万円の補助金を出す方針を明らかにしました。
例えば下記の江戸川区の取り組みを見てみましょう。
江戸川区では、採用されてから5年以内の保育士を対象に家賃補助が受けられるようになっています。



家賃補助の概要


それでは、実際にどのような家賃補助があるのでしょうか。都内を中心にご紹介します。

・江戸川区 保育従事職員宿舎借り上げ支援事業の概要
保育士資格保有者の家賃82,000円を上限に家賃補助。
対象は保育所が借り上げた住宅に住む、
当該施設に「採用されてから」5年目の保育士とする。
「保育士となってから」5年目ではない)

・世田谷区
保育士資格保有者の家賃82,000円を上限に家賃補助。
対象は保育所が借り上げた住宅に住む、経験5年以下の保育士とする。

・千代田区
保育士1人当たり月額2万円分を上限に、補助金を支出。

上記の江戸川区を例とすると、県外で保育士資格を有する方が、都内へ移住して江戸川区の保育士として働く場合は、家賃を5年間補助金でまかなえることになります。
そして、江戸川区の場合、当該施設に「採用されてから」5年目となり、「保育士となってから」5年目ではないので、県外で保育士として働いていたベテラン保育士の方でも家賃補助を受け取ることができます。
仮に8万円の家賃を5年間補助された場合は、8万円×12ヶ月×5年で480万円の支出を抑えることができますので、これはかなり大きい金額になりますね。
このような動きは都内に限らず、様々な地域で実施されており、保育士不足解消に積極的な自治体の中で広がりつつあります。



家賃補助の対象はなぜ採用後5年間なのか


家賃補助の制度の適用対象について、ほとんどが採用後5年間となっているのは、これは保育士として採用され、立ち上がりの5年間の経済的自立を図ることで、離職防止や保育士として働くことの魅力を高めることが目的となっています。
ただし、6年目以降の保育士との差が出ないように、各園で5年目までの保育士への自己負担額の導入や、6年目以降の保育士に対して、独自に補助を続けることは可能です。
この制度が出来る前より当該施設で5年以上働いていた方は対象外となってしまうため、待遇差問題や、補助金を理由に転職をしてしまい、家賃補助のない保育施設で保育士が不足してしまうのではないかという懸念もあります。
それでも、保育士の処遇改善としてプラスに働いている部分が大きいので、今後もこのような動きが拡大していくことが期待されます。

残業問題や、お給料の問題など課題は山積みの保育士の労働環境。
少しでも改善できるよう、政府による抜本的な対策が期待されています。



 

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