無資格でも保育現場で働きたい方にぴったりなのが保育補助の仕事。アルバイトやパートなどがメインで、主に保育士さんの業務をサポートする役割を担います。今回は、保育が初めての方でも挑戦しやすい保育補助の仕事内容や給料・求人事情などを紹介します。あわせて、保育補助に転職する際に役立つ志望動機の例文もまとめました。
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■目次
無資格で働ける保育補助の仕事とは?
保育補助とは、保育現場で保育士さんの仕事をサポートする役割を担っている職員です。
無資格でも働けるため、保育学生さんのほかにも、初めて保育に携わる主婦やシニアの方などに人気の仕事と言われています。
まずは、保育補助の具体的な役割や必要とされる理由などから見ていきましょう。
保育補助の役割
保育補助は、主に保育士さんの手が回らない部分の業務を担当しています。
ヘルプとして位置づけられることが多く、保育施設をスムーズに運営できるように業務を手助けするのがメインの役割です。
保育補助が必要とされる理由
保育補助が必要とされる一番大きな理由として、保育士不足が挙げられます。
待機児童の解消に向けて保育施設が新設されていることや、既存園での保育士さんの離職、潜在保育士さんの増加などの問題から、保育人材が足りていない現状があります。
このような状況を受け、保育士の負担軽減・離職防止を目的として「保育補助者雇上強化事業」が開始されました。
これは、無資格の保育補助者の雇用に必要な費用を支援する制度です。
積極的に職員の雇用管理や労働環境の改善に取り組んでいる事業者に対して、補助金が支給されます。
この取り組みを活用して、今後アルバイトやパートなどで保育補助を採用する動きが進むかもしれませんね。
未経験から保育業界にチャレンジしたい方は以下の記事もご覧ください。
無資格で働ける保育補助の仕事内容
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保育補助は無資格でも働ける仕事ですが、どこまで保育に携われるのでしょうか。くわしい仕事内容を見ていきましょう。
保育補助が任される業務
保育補助の仕事内容は園によって異なりますが、基本的には以下のような業務がメインのようです。
- 掃除や片付け、翌日の準備
- 保育日誌の記入
- 行事の準備や当日の対応
- 壁面や製作物などの作成
- 保育士との共同保育
保育補助の主な仕事内容は、保育士さんの仕事のサポートです。
子どもたちの寝かしつけやおむつ替え、食事の介助といった直接的な保育をする場合もあるかもしれませんが、保育士さんに比べて子どもと関わることは少ないようです。
また、保育補助はクラス担任や保育計画の作成などは行わず、保育士さんの指示に従ってフォローに入るのがメインの仕事となります。
保育補助の1日
保育補助の仕事内容の例を、1日のスケジュールに沿って見てみましょう。
業務 | 詳しい内容 |
---|---|
受け入れ | 登園した子どもたちを保護者から預かります。 いっしょに遊び、朝のうちに活動の準備をします。 |
朝の会 | 集まって今日の予定を確認したり朝の歌を歌ったりします。 |
保育活動 | 担任の保育士さんが考案した運動や製作、ゲームといった活動を行います。 準備をしたり、子どもたちのサポートをしたりするでしょう。 |
着替え | 汗をかいた衣服を取り替えます。 おむつ替えやトイレの補助を任されることもあるようです。 |
給食 | 配膳や片付けの手伝いを行います。 まだ1人でうまく食べられない年齢では、介助をすることもあります。 |
午睡 | 布団を敷いて午睡(お昼寝)をします。 子どもの側でトントンをしたり、おんぶをしたりと寝かしつけます。 |
おやつ | 給食と同様に配膳や片付けの手伝いを行います。 |
午後の活動 | 好きな遊びをして過ごす園が多いようです。 クラスが落ち着いていたら、装飾物の準備や事務仕事などを任されることもあるようです。 |
帰りの会 | 1日を締めくくる会を行います。 |
延長保育 | お迎えが遅い子どもたちは延長保育の部屋で過ごすことが多いようです。 子どもを見守ったり、掃除や戸締りをしたりします。 |
保育園の生活の流れに沿って、子どもたちの生活や保育士さんの仕事をサポートしていきます。
園の状況によっては、製作物を作ったり園内の掃除や洗濯をしたりと、雑務に専念する時間もあるかもしれません。
どこまで保育に携わるのか明確に線引きされているわけではないため、保育士さんの指示を聞きながら臨機応変に対応する力が必要になるでしょう。
保育補助の働き方や求められるスキル
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保育士資格なしでもできる保育補助の仕事ですが、どういった雇用形態で働くことになるのでしょうか。求められるスキルとあわせて見ていきましょう。
雇用形態
保育補助の雇用形態は、基本的に正社員よりもアルバイトやパートが中心となっています。しかし働き方はさまざまで、園によってはフルタイムでの勤務も可能なようです。
また無資格でも働けるため、保育業界が初めての主婦やシニアの方などを歓迎している園もありますが、保育士資格や実務経験があると優遇されやすいかもしれません。
ちなみに、保育補助者雇上強化事業において、園に支援費用を支給する条件として「保育補助者には、保育士資格の取得に努めること」と決められています。
それを受け、保育士資格の取得を支援する制度や、パート・アルバイトから正社員へ登用する仕組みを導入するなど、福利厚生を整えている園もあります。
未経験の方は、資格なしからスタートし実務経験を積みながら資格取得に励むことができますね。
求められるスキル
これまでお伝えしているように、保育補助になるには資格は不要です。しかし、園によっては現場で活かせる知識や経験を求められることもあるよう。
そこで役立つのが「子育て支援員」です。
子育て支援員とは、子育て支援に関わる仕事への従事を希望する無資格の方向けにできた、新しい子育て支援の担い手として注目されている資格です。
子育て支援員になるには、自治体が実施する子育て支援員研修を受講する必要があります。
受講料は基本的に無料で、20時間~30時間程度で修了できるなど取得しやすい資格であるため、資格なしで保育補助として働くのが不安な方は子育て支援員を目指すのもよいかもしれません。
無資格で働ける保育補助の給料・求人事情
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続いて、保育補助の給料や求人事情をまとめました。
給料
正社員募集の求人が少なくパートやアルバイトがメインになる保育補助は、いくら程度給料をもらえるのでしょうか。
内閣府の資料をもとに、私立保育所で働く保育士と保育補助の給料を以下の表にまとめてみました。
常勤 | 非常勤 | |
---|---|---|
保育士 | 30万1823円 | 18万7816円 |
保育補助 | 22万3584円 | 16万8561円 |
保育士と保育補助の給料は、常勤・非常勤どちらの場合でも保育士の方がやや高いことがわかります。特に、正社員の保育士と保育補助の給料を比較すると約8万円の差があります。
また、実際の求人を見てみると、パートやアルバイトの保育士の時給はおよそ1000円~1300円程度が相場です。パートの保育補助の時給は1000円~1200円程度が相場なので、あまり差はないと言えるでしょう。
地域や運営主体によって違いはあるものの、保育士資格を持っていると時給が100円程度アップすることもあるようなので、求人を確認してみましょう。
求人
保育補助は多くの施設で募集されています。
先ほども説明したように、パートやアルバイト求人を出している園が多く、1日数時間・週数日程度~OKな園もあれば、フルタイムで働ける求人もあります。
なかには正社員を募集している園もあるようなので、希望の働き方が実現できる園を探してみるとよいですね。
また無資格OKや初心者・ブランク歓迎の求人もあるので、そういった園では保育現場が初めての方も働きやすいかもしれません。
他にも、早朝・延長保育の時間のみの勤務が可能だったり、扶養内でシフトを調整してもらえたりと、プライベートとの両立が実現できる園も多いようです。
出典:令和元年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果<速報値>【修正版】/内閣府
保育補助として働くうえでの楽しいことや辛いことは?
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続いて、保育補助として働くうえで楽しい、あるいは辛いと感じることをまとめました。
楽しいこと
保育の知識を身につけられる
保育補助として働くと、保育に関する知識を得られるでしょう。
初めて保育現場で働く方や、資格取得を目指している方にとって、現場で働きながら実践的な保育の知識を学べるのは楽しいかもしれません。
仕事とプライベートを両立させやすい
保育補助はアルバイトやパートでの勤務がメインとなるため、勤務日数や時間を調整し、プライベートの時間を確保しながら働きやすいでしょう。
私生活が充実すれば働くモチベーションの向上にもつながり、仕事が楽しいと感じられそうですね。
ただし、人手不足の園ではアルバイトやパートであっても週5日のフルタイム勤務が求められる可能性もあるため、希望に合った働き方ができるかどうか求人をチェックしておきましょう。
残業や持ち帰り仕事が少ない
残業や持ち帰り仕事が少ないのも、うれしいポイント。
保育補助や主にパートやアルバイトでの勤務がメインであるため、シフト勤務になります。
退勤時間になれば次のシフトの職員さんに仕事を引き継ぐので、残業や持ち帰りの仕事は少ないようです。
辛いこと
子どもや保護者との関わりが少ないことも
子どもとたくさん関わりたい方の場合、保育補助は保育業務以外の雑務が多く辛いと感じるようです。
保育補助は保育士さんの仕事をサポートする立場であるため、場合によってはほとんど子どもと接することなく、雑用や事務作業がメインになるケースもあるかもしれません。
求人に記載されている仕事内容を確認したり、面接で質問したりして事前に認識のズレをなくしておくと、ミスマッチを防ぎやすいでしょう。
正社員保育士よりも給料が安定しにくい
アルバイトやパート勤務をメインとする保育補助は、正社員と比べると給料水準が低くなりがち。
時給制が多いため給料が不安定になりやすく、生活に不安を感じる方もいるようです。
安定した給料を得て働きたい方は、資格取得支援制度などを導入し、正社員へのステップアップを応援している園で働くことを視野に入れてみるとよさそうです。
無資格でも熱意を伝えよう!保育補助の志望動機の例文
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最後に、保育士資格なしで保育補助の求人に応募する際に活用できる志望動機の例文を考えました。面接対策や履歴書の作成に役立ててみてくださいね。
志望動機の例文①
私は、幼い頃からの夢であった保育士になるため、現在保育士資格の取得に向けて勉強中です。
知識として学んだことを、実務のなかでより実践的なスキルとして身につけていきたいという思いから、貴園に応募いたしました。
保育園での仕事は初めてですが、保育補助として働きながら保育士さんの仕事ぶりを学び、保育に必要なスキルを吸収していきたいです。
志望動機の例文②
子育て中に保育園にお世話になった際、保育士の皆さんにあたたかく受け入れていただいた経験から、保育補助を志すようになりました。
無資格ではございますが、3人の子どもを育てた経験を活かして、子どもだけでなく保護者の方にも寄り添える職員になりたいと考えております。
保育の知識はまだまだ未熟ですが、体力と責任感には自信があります。
子どもたちを縁の下で支える存在となれるよう精進して参りますので、よろしくお願いいたします。
保育補助として働くうえで、「子どもが好き」「心身ともに健康」といった素質は大切になります。また、子どもを預かることへの責任感があることも求められるでしょう。
履歴書や面接で志望動機を伝える際は、これらの要素を盛り込んでアピールするとよいですね。
「保育補助」なら、無資格でも保育現場で働ける!
今回は、資格なしでも働ける保育補助について、仕事内容や給料事情などを紹介しました。
保育補助とは、保育士さんの業務をサポートする役割を担っており、無資格でも保育に携われる仕事です。
どこまで保育業務を担うかは園によって異なりますが、主に子どものサポートや活動の準備などを任されることが多いかもしれません。
パートやアルバイトでの募集が多く正社員の求人は少なめですが、キャリアアップを支援している園もあります。保育業界にチャレンジしてみたい方は、まずは保育補助として働き始めてみてはいかがでしょうか?
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