連絡帳は、子どもの体調管理を把握する役割や、日々の成長記録にもなります。
毎日、連絡帳を書くのは保育士さんにとって大変かもしれませんが、保護者の方と悩みを共有したり、
コミュニケーションや信頼関係をつくっていくための大切なツールになります。
そこで、ポイントを押さえた連絡帳の書き方や例文を紹介します。
(1)保育士が押さえるべき連絡帳の書き方
連絡帳の役割
連絡帳は、保育園での子どもの体調や様子を伝えるのはもちろんですが、保護者とコミュニケーションをとったり、
保育士と保護者の信頼関係をつなぐために重要な役割を果たしています。
連絡帳がうまく書けない理由
保育士は、1日の限られた時間のなかで、クラス全員の連絡帳を書くことになります。
「文章をたくさん書かないといけない」と思うと負担に感じてしまい、
どのように書いたら良いのか分からなくなってしまうことも。
どのようなことを意識し、連絡帳を記入したら良いのでしょうか。
(2)書き方の基本
体調・健康面をしっかり記載する
まず、体調など健康面はしっかりと記録するようにします。
特に、子どもの体調がいつもと違ったときやケガをしたときは必ず報告しましょう。
ケガをした時間と様子、その後の処置や子どもの様子を細かく記入することが大切です。
ほかにも、
・咳や鼻水が出ていたとき
・食欲がなく、給食を残したとき
・午睡が少なかったとき
・いつもより元気がなかったとき
・便がゆるかったとき
・体温がいつもより高かったとき
などいつもと違う姿が見られたときには、必ず伝えて家庭でも様子をみてもらうようにしましょう。
子どもが新しくできるようになったことを書く
体調以外にも、子どもが新しくできるようになったことを具体的に書くと、「先生は小さなことでもしっかり見てくれている」「気にかけてくれている」と感じられます。
例えば、
・初めて1人でトイレができました
・苦手な野菜も残さず食べました
・初めてはさみに挑戦して、切ることを楽しみました
・身体測定のときに、自分で着替えることができました
子どもの挑戦した姿やできたことを丁寧に書きましょう。
「〇〇ちゃんといっしょにお家ごっこで楽しく遊びました」や「おもちゃを譲ることができました」など、友だちとのかかわりを伝えるのも良いでしょう。
連絡帳を書くときに心がけること
・体調不良やケガをしたときは必ず記入する
小さなケガやちょっとした変化でも必ず記入しましょう。
「食欲がなかった」や「お昼寝の時間に少し咳が出ていた」などの姿がこれからの子どもの体調の変化の前兆になる場合もあります。
連絡帳をを見て、保護者の方も「家庭でも気をつけて様子をみよう」と思えるでしょう。
・保護者からの質問には必ず答える
連絡帳には、保育園での子どもの様子を伝えるだけでなく、保護者の方からの心配事や質問が書かれる場合もあります。
質問には、必ず回答し、保護者の方が安心感を得られるようにしましょう。
・トラブルがあったときは、文章のみだけでなく、口頭でも伝える
友だちとトラブルがあったとき、連絡帳にもきちんと記入しますが、
文章だけでは上手く伝わらなかったり間違った捉え方をしてしまう場合があります。
連絡帳のみでなく、保護者の方がお迎えに来たときに口頭でも必ず伝えるようにしましょう。
・子どものできたことや良いところを書き、なるべくポジティブに記入する
「今日はこんな遊具に挑戦しました」や「なわとびでくり返し遊び、5回続けて跳べました」など子どもの頑張っている姿やできた事柄を伝えると、
保護者の方も子どもの成長を感じられます。
(3)連絡帳の保護者欄のポイント
読み取るポイント
保護者欄から、保護者の方が何を知りたがっているのかを読み取ることが大切です。
質問があったときには、必ず答えるようにします。
また、子どもの保育園での様子や友だちとのかかわり、保護者の方が見えないときの子どもの様子が分かり、
成長が見えるような書き方を意識すると良いでしょう。
ポイントを絞って返事を書く
年齢の低い子どもは、言葉で保護者に伝えるのは難しいものです。
それだけ、離れている間の子どもの様子を、保護者は気になっています。
保育士は、たくさんの事柄を網羅して書こうと思わず、その日に最も伝えたいことに重点を置き、
できるだけ詳しく記入しましょう。
(4)例文
園での様子を伝えるケース
今日は、クラスみんなで鬼ごっこをしました。
最初は、「やらない」と言って見ている姿がありましたが、お友だちが走っている姿を見て、
「やっぱりやる!」と入ってきて思いっきり走り、鬼ごっこを楽しみました。
初めは「やりたくない」とマイナスな姿も書いていますが、友だちの姿に刺激をもらっていっしょに遊べたことを書くと現実的で、
最終的にいっしょになって楽しめたと保護者の方は安心するでしょう。
喧嘩など、トラブルを伝えるケース
今日、電車のおもちゃで遊んでいるときに、「青色の電車が使いたい」とお友だちと電車の取り合いになりました。
どうしたら良いかを考えるように声をかけると「貸してって言う」と自分で考え、
お友だちにきちんと伝えて電車で遊ぶことができました。
取り合いになった事実を伝えた上で、子ども自身がどうしたら良いかを考えて行動できたと結果を伝えましょう。
まとめ
毎日一人ひとりの子どもの様子を把握し、連絡帳に記入するのは保育士にとって一仕事です。
しかし、離れている間の子どもの様子を知ることができる連絡帳を楽しみにしている保護者の方もたくさんいます。
書き方のポイントを押さえて、小さなことでも1日の様子をしっかりと伝えると、
保護者の方も「先生がよくみてくれている」と安心感や信頼にもつながります。
保護者の方と保育士をつなぐ連絡帳でコミュニケーションをとり、より良い保育をしていきましょう。