厳しい試験勉強や学校での実習を乗り越えてやっとつかみ取った保育士の資格。
求人も多く、保育士は「なりやすい職業」の一つに数えられていますが、保育士のほとんどがキャリアの途中で転職を検討しています。
失敗しない転職のためには、転職に向いたタイミングをよく知り、自分にあった職場や園を探す必要があるでしょう。
今回のコラムでは転職のタイミングと失敗しないためのポイントをご紹介していきます。
今すぐ辞めるべき?保育士の転職のタイミング
単に子ども好きという理由だけで勤まる仕事ではないのが保育士のお仕事。「頑張っているのにうまくいかない」「残業が多いのにお給料が少ない」「人間関係がうまくいかない」など、保育士の方なら一度は辞めたいと思ったことがあるでしょう。
だからといって、中途半端な転職や退職は後々の後悔につながることも少なくありません。さまざまな視点や角度から適切な「辞め時」を見極めましょう。
ほんとうに今辞めるタイミング?
「あの先生とは合わない」「保護者とうまくやれない」などを理由に、考えなしにすぐに辞めてしまうのは後々後悔する可能性があります。
せっかく勉強して得た保育士という資格です。辞めた後、どうするのかまで考えた上で今すぐ辞めるべきか、いつなら辞められるのかを見極めましょう。
また、転職は年齢と切り離して考えるのは難しいものです。
ましてや保育士の転職では、体力や経験が求められるということもあり、採用側も年齢のことを考慮に入れて選考します。
保育士としてこうした事情を頭に入れながら、転職のタイミングを検討しましょう。
一般的な保育士の女性のキャリアを考えると、以下の3つの年齢が見直すターニングポイントです。
・5年程度の経験を積んで経験者採用など幅広く対応可能な28歳。そろそろ若手から中堅に差し掛かる年代なので、後輩指導の経験や主任と現場の橋渡しのような経験があると重宝されます。
・仕事での実績を確立して、強みを生かしてキャリアアップを目指せる33歳。後輩指導はもちろん、主任を目指すのか、現場の保育士として専門性を磨いていくのか、明確な意思を持ちましょう。
特に保育園では、1年間のスケジュールや、時間の流れを頭に入れてお仕事をする必要性があるので、4月から3月まで、1年間を通して現場を経験したことがある、ということが実績になるのです。
そのため、なるべく経験年数を積んで転職活動を有利に進めたいところですね。
とはいえ、職場での悩みから、体調不良になってしまうことも珍しいことではありません。
病気や体調不良を押してまで無理をするのは禁物。そういう時は、一度職場をしっかり休み、体調を整えてから転職するという道もある、ということを忘れないでくださいね。
辞めるリスクも考えておこう。
仕事を辞めるということは収入源がなくなるということです。少しでも自分の生活がしやすいように、事前にきちんと計画しておきましょう。
・次の就職先を決めてから辞める。
・賞与や退職金などが貰えるタイミングを見計らってから辞める。
・失業手当の受給条件を満たすように退職時期を調整する。
また、離職後はローンやクレジットカードの審査が厳しくなるので、辞める前に必要はないかどうか注意しておきましょう。
「保育士の仕事を辞めたい」そう思った時は、自分で思っているより感情的になっていることが多いかもしれません。
周りの人に話を聞いてもらったり、辞めたい理由を書き出したりするのも、冷静に判断するためには大切です。
将来、後悔することがないよう、十分な時間と考える労力を惜しまずに転職へと進みましょう。
参考リンク:求職者支援制度について
保育士の転職、重視するポイントは?
別の保育園への転職を考える際、自分自身の中で「ここは譲れない。」という条件付けはみなさんやっていると思います。
ですが、あれもこれも…と転職先の条件を増やしてしまうと、応募できる求人が少なくなってしまい、転職活動が長期化する危険も。
条件を増やすというよりは、いくつかの条件に対して”優先順位をつける”という考えの方が、もう少し楽に転職活動を行えるようになるのではないかと思います。
実際に転職を成功させた方の「転職活動の際、優先度を高くした条件」の声に耳を傾けてみましょう。
お給料(賞与)
保育士の給与は、地域や経験年数、園の種類によって多少の違いがあります。
転職する際には、給与の面にも注目して園探しをしてみるのもよいでしょう。
例えば「賞与が年2回出るところ」と、明確に条件を示して探してみるのも手です。
賞与がきちんと出ているところということは、それだけその保育園の経営状態が安定しているという指標になります。
職場の雰囲気(人間関係)
これを転職先の優先条件にあげた方は、前の保育園で人間関係のトラブルがあった方でした。
「次の職場では、保育士のことを気にするより、子どもたちのことにきちんと集中して仕事がしたい」なんて意見も。
転職先の人間関係は、外からではなかなかうかがい知れないでしょうが、この条件を最優先にするならば、事前に見学などを申し入れた方がよさそうですね。
労働時間
保育士はお給料が安い上に、勤務時間も長いです。残業は当たり前のようにありますし、早番シフトともなれば、朝7時頃から出勤している人も少なくないでしょう。
ただしこの労働時間は、保育園により多少の増減はありますから、「こんなに仕事漬けの毎日ではなく、もっとプライベートを楽しみたい。」という保育士の方は、労働時間が短くなることを最優先条件にあげていました。
せめて残業時間だけでも減らしたい、と考える方が多く、きちんと残業状況を管理している保育園への転職を希望する声がとても多いです。
以上、優先する条件として多かった回答を3つご紹介しました。
優先条件として他にあげられたものとしては、「長時間労働なのだから、せめて家のすぐそばで働きたい。」「英語が話せるので、英語教育を取り入れている保育園で働きたい」というように、「通勤時間」や「キャリアアップ」をあげる声もありました。
転職を考える際には、上記のような声を参考に、条件に優先度をつけてよく考えるべきでしょう。
保育士の人間関係が悩みで転職を考えるなら
保育士の9割以上は女性です。「保母」という名称から「保育士」という名称に変わってから久しいですが、男性保育士が劇的に増えることはなく、まだ保育士の職場は完全なる女性社会。
女性社会だと、どうしてもイジメや陰口、いびり、嫌がらせなどなど、人間関係でギスギスしたものが出てくることが多いのが悲しいところです。
こういった人間関係が嫌で、転職を考えたことのある、もしくは今現在転職を考えている保育士の方も多いと思いますが、人間関係をきっかけに転職するのでしたら、今度は人間関係の良好な保育園に勤めたいですよね?
働きやすい職場を見抜くためのチェックポイントをご紹介します。
チェックポイント1:平均勤続年数が短くはないか?
長く働いている保育士が多いということは、それだけその保育園が働きやすいことを指しています。
保育士のように女性の多い職場ですと、どうしても出産のタイミングなどで働けなくなる時期がやってきますが、その後戻ってきてまた働いているような年代の保育士が多い職場は、「戻ってきたい職場」ということになりますから、それだけ働きやすい保育園だということになりますね。
しかしあまりベテランばかりだと、まだ若い保育士さんの場合「若手の自分は働きづらいかもしれない」という心配もありますよね。
そういう心配がおありならば、せめて平均勤続年数が4、5年以上の職場を探しましょう。仮に大卒で保育士として働き出したとして、出産のタイミングまでその保育園で勤務し続けた場合、平均して4、5年が勤続年数となります。
出産までは働き続けることができる職場、ということになりますから、大丈夫と考えていいでしょう。
チェックポイント2:求人の数が多すぎはしないか?
これはわりと有名な話なのでご存知の方も多いかもしれませんが頻繁に求人を出している職場は、それだけ離職率が高い職場ということになりますから、あまり働きやすい保育園だとは言えないでしょう。
チェックポイント3:職場の雰囲気は悪くないか?
これは、面接などで実際に職場を見学する機会がなければチェックできない項目にはなりますが、自分自身の目で、保育園の雰囲気を見ておくということは、とても大切です。
保育士同士の挨拶がない、笑顔がない、会話がない(会話があってもなんだかギスギスしている)など…明らかに雰囲気が悪いようなら、転職先に選ぶ必要はないでしょう。
また、あなたが見学をしている最中に、保育士からどういう対応をされるのかもかなり重要な指標になってきます。外部の人に対してしっかり挨拶をしてくれる保育園は、内部の人間関係も良いことが多いので、そういった点にも注意して見学をしてみてくださいね。
忙しい保育士にピッタリ。人材紹介会社のメリットとは
転職活動をはじめるにあたって、どうやって求人情報を探していますか?
転職サイトやハローワーク、さまざまな選択肢があるにせよ、応募できる求人情報は多ければ多いほどいいですよね。
いろいろと検索していると「人材紹介」という言葉があちこちに出てくるのではないでしょうか。
そもそも人材紹介ってなんなのか、人材派遣との違いや料金など、人材紹介のメリットをご紹介します。
人材紹介ってなに?
人材紹介とは、厚生労働大臣の認可を受けた職業紹介事業者(人材会社)が、採用ニーズのある企業からの依頼を受け、該当する人材を紹介するサービスです。
求職者は人材紹介企業に登録を行い、キャリアコンサルタントに希望の条件を伝え、企業は人材紹介会社に求人を依頼。コンサルタントは双方の求める条件を満たすようマッチングを行い、求職者に最適な求人を紹介という仕組みになっています。
人材派遣との違いは?
人材派遣では、雇用契約は保育士と派遣会社の間で結ばれますが、人材紹介では人材紹介会社はあくまでも「仲介役」。保育施設と保育士での直接契約になりますので、雇用期間に定めのない正社員を目指したい人にもオススメです。
派遣のほうが気楽でいい、という考え方もあるかもしれませんが、保育士は派遣といえども子どもを預かる責任のある仕事ですから、やはり正社員になって、ボーナスや手当を貰えることがすごく励みになる、ということもありますよね。
保育士紹介会社と派遣会社を兼ねている会社も多くあるので、担当コンサルタントに勤務時間や希望を伝えて、派遣がいいか紹介がいいかなど、働き方についても相談してみるのも良いですね。
人材紹介のメリットは?
人材紹介で、求職者が受けられるサービスは求人紹介以外にもたくさんあります。
(1)効率的
圧倒的多数の求人と該当する求人情報をコンサルタントが探してくれるので、自分で探すよりも大幅に時間が短縮できます。現在の仕事が忙しくて時間がない。という人でも転職活動ができます。
(2)サポート万全
履歴書や職務経歴書の作成のアドバイス、面接対策や面接のセッティングの代行、自己分析のサポートや、キャリア目標設定、退職手続きへのアドバイスなど。転職に必要な準備をトータルで支援してくれます。特に初めて転職を考えている人には心強い限りですね。
(3)ミスマッチが防げる
人材紹介では企業の求人を支援していることから信頼関係が重要となっているため、雇用条件が守られやすい傾向にあります。実際働き始めたら、募集要項に記載されていたことや、面接時の話とだいぶ異なっていた。などの、入社後のミスマッチも防げるため、安心して転職先を探せますね。
保育士バンクがオススメ
いかがでしたでしょうか。転職活動をしていると迷ったり不安になったりすることもあるでしょう。そんな時、人材紹介のコンサルタントは大きな支え になってくれます。
経験豊富な転職コンサルタントのみで運営されている保育士専門の転職支援サービスの「保育士バンク」なら、たくさんの非公開求人の中から自分に合った職場が見つけられるかもしれません。
サービスは無料で利用できるので、まだ転職するか悩んでいる、という状態であっても、とりあえず話を聞いてもらうというスタンスで登録してみてもいいですね。