保育士として働き始めると、子どもの世話以外に「こんなに書く仕事が多いのか…!」と驚く人もいれば、「書類仕事は嫌い!」という人もいるといいます。
実際、書類仕事に追われる日々のせいで、疲労が蓄積している保育士がとても多いのです。
さらには、文章を書くことが苦手な人は、保育士には向かない!と言われることもあるほどです。
今回のコラムでは、保育士には避けては通れない書類仕事の代表的なものである「連絡帳」と「お便り」について、ご紹介いたします!
◆連絡帳は、なぜ必要なのか?
保育士さんと保護者の間で、子どもの情報を交換するために重要なものが「連絡帳」なのです。
保育園での子どもの様子を伝えるため、また、保護者からは家での子どもの様子を保育園へ伝えるために、とても大切な役割を持っています。
しかし、たくさんの子どもを担当している保育士さんの中には、この「連絡帳」の活用に頭を悩ませている人も多いのではないのでしょうか。
限られた時間内で、たくさんの子どもたちの連絡帳を記入しなければならず、どのように書いていいのか分からないといった保育士さんのお悩みも多いようです。
◆保護者が連絡帳から知りたいことは?
忙しい保護者が連絡帳で知らせて欲しいのは、何よりも子どもの様子です。
連絡帳を見ることで、保育園での子どもの態度や変化などを知り、安心や喜びに繋がっていきます。
ですから、ただ単に健康状況や送迎時間等の連絡を書くのではなく、ちょっとした子どもの変化など、「保護者が知りたい情報を交換する」ということを意識しましょう。
特に年齢が小さい子の場合は、本人が園で体験したことや、その日のできごとを、保護者に言葉で伝えることは難しいですよね。
そんな時、連絡帳に園での様子が書かれていれば、保護者の安心感はだいぶ変わってきます。
このように、連絡帳には、園や家での様子を伝え合うという大切な役割があります。
上手に活用することで、保護者との信頼関係や連携も深まりますので、書き方のコツを覚えて日々の保育に活かしていきましょう。
◆保護者が連絡帳に記入した内容を活かそう
連絡帳は、保育士から保護者への一方的な報告のためだけではなく、保護者からの質問や悩み、または家庭での子どもの様子を知るためにも大切なアイテムです。
家庭でのできごとや質問、相談などから分かることはたくさんあります。
例えば、ある子どもが、元気がなかったという場合、連絡帳に保護者より「昨日、家庭でショックなできごとがあった」などの事情が書いてあれば、いつもとは違う様子の子どもにも対応しやすいですよね。
また、それに対して「お昼が終わった頃には、だんだん元気になってきていましたよ」など、保護者の情報に対してきちんと情報を返すことで、保護者とのコミュニケーションが生まれますので、返事は必ず書きましょう。
連絡帳は、保育士と保護者双方にとって、話題作りや子どもへの対応に活かるものになるのです。
◆連絡帳の書き方のコツは?
連絡帳を書くのが苦手な理由として、「どうやったらうまく伝える文章にできるのかが難しい」という場合があるようです。
そこで、書き方のコツを簡単にまとめてみました。
1、体調の不調や怪我などの連絡事項は必ず記入する。
2、ネガティブなことはなるべく書かず、どうしても伝える必要がある場合は、「注意して直していきましょう」という言い方で伝える。
3、子どもができたこと、良かった部分をこまめに伝える。
4、何があったかのできごとだけではなく、その時の子どもの様子や感情を書く。
5、一日の行動を報告する際は、なぜその活動をしたかの「ねらい」を忘れずに付け加える。
これらを文章にするのが難しければ、まず、文章の基本である、「いつ」「どこで」「だれが」「なにを」「なぜ」「どのように」を意識して書いてみましょう。
また、一番気をつけたいのが、トラブルなどの報告。
他の子どもとのケンカや、怪我などのトラブルについては、連絡帳に記入するだけではなく、必ず口頭でも伝えましょう。
文章のみでのやり取りは、時に誤解が生じることもあります。
特にトラブルの報告時には、誤解が起こりやすいので、お迎えの際に口頭で伝えていくようにしましょう。
◆お便りを書くことが苦手な人が多い
保育士さんの事務作業の中で、「特に苦手!」という声があがるのが、お便りの作成です。
「文章を考えるのが面倒」「良い書き出しが思いつかない」「サービス残業でやりきるしかない」など、どうしてもネガティブイメージを持つ保育士さんが多いようですね。
〇お便りにはどんな種類がある?
保育園のお便りと言うと、すぐに思い浮かぶのは「クラスだより」や「園だより」でしょうか。
その他にも「保健だより」や「給食だより」もありますね。
小規模保育園では、クラスだよりが無かったり、クラスだよりに保健・給食の情報を載せて保健だよりと給食だよりの役割を担っていたりもします。
保育園ごとにお便りの形はさまざまで、毎月発行する園、2カ月に1度という園、不定期発行の園もあります。
作成担当者も保育園によってさまざまで、ひと月ごとに交代で作成担当にあたるシステムの園、常に園長先生や主任などの決まった人が作っているという園もあります。
◆お便り作成のコツを伝授!
それでは、お便り作成のコツをご紹介します!
時間をかけずに作業を終えるためには、下記のことを意識してみて下さい。
〇季節感のある書き出しを心がける!
大人向けの小難しい時候の挨拶ではなく、例えば秋ならば「だんだん風が冷たくなってきましたが、子どもたちは今日も元気に走り回っています。
」というような書き出しでOKです。
思いつかなければ、ネットで検索をして参考にしてみましょう。
〇決まったコーナーを設ける!
雑誌のコラムのようなイメージですね。
毎回ある特定のことを扱うコーナーがあると、保護者の方も楽しみにしてくれますし、何よりも作成者としても、ネタ探しがしやすいです。
〇箇条書きよりも、1つのことを重点的に!
保育園では、いつも色んなことが起きますが、それを箇条書きのように「こんなことやあんなことがありました」では、読んでいる方もつまらないです。
特に印象の強かった1つのできごとにしぼり、その時に起きたことをなるべく具体的に書いたほうが、早く書き上がります。
〇見た目にも楽しいお便りに!
自分でイラストが書けない人でも、今はネットでフリー素材のイラストがたくさん拾えます。
イラストで紙面を楽しく飾ったり、文章を読みやすくするためのスペースを作ったりしましょう。
最後に、 お便りの作成を終了する前には、文章の推敲がとっても大事です。
自分でも読みなおし、できれば同僚の保育士にも見てもらいましょう。
◆ポイントを押さえて、連絡帳とお便りを作成しましょう
「連絡帳」と「お便り」について、いかがでしたか。
連絡帳の記入やお便りの作成は、保育士にとって避けることができない書類です。
何度も重ねることによって、スムースに書けるようになると思います。
それぞれのポイントを押さえて、簡単に記入したり、作成できるようになれたらいいですね。