幼児教育・保育のスペシャリスト
最近増え始めた「認定こども園」で働くためには「保育教諭」になる必要があります。そして保育教諭になるには、「保育士」の資格だけでは不十分で、「幼稚園教諭」の資格も持っている必要もあります。「保育士」であると同時に「教諭」であるなんて、幼児教育のスペシャリストみたいでカッコよいですよね。そこで、以下では保育教諭になるためにはどうしたらいいかをご説明します。
一方の資格・免許のみを持っている場合
保育士として現役で働かれている方の中には、幼稚園教諭の免状をお持ちでない方も少なくありません。また、その逆もしかりです。
「保育園で働きたいから保育士資格だけでいい」
「保育士の資格を取得する余裕がない」
そんな方も、こども園が一般化することを考えると、今のうちに両資格を持っていたほうがお仕事の幅も広がりますよね。今、「経過措置」が有効なうちに、両資格を取得しようという方が増えています。
◯経過措置が対象となる方~基礎資格~
【保育士資格の場合】
幼稚園教諭免許状を有している方。
【幼稚園教諭の場合】
(一種)学士の学位を所持しており、保育士資格を有している方。
(二種)高等学校卒業以上で、保育士資格を有している方。
【実務経験がある場合】
下記の施設で、3年以上の経験があり(勤務時間の合計が4,320 時間)実務証明書の発行が可能な方
・幼稚園
・保育所
・公立の認可外保育施設
・認定こども園
・へき地保育所
・幼稚園併設型認可外保育施設
・認可外保育施設
(認可外保育施設指導監督基準を満たし、一定基準の集団により、継続的に保育を行う施設)
特例措置を利用して幼稚園教諭免許を取る方法
◯保育士資格の保有者が対象
必要となるのが、保育士としての計3年間の経験+大学等における8単位の修得です。もちろん単位修得後に勤務の経験を積む形でもOK!たとえば1年間分の勤務経験があり、単位を修得した後に2年間分の勤務経験を積み、免許を取得するのも可能です。複数の施設の通算も可能ですが、その場合はそれぞれの園からの証明が必要になります。
◯どんな施設で単位を修得できるのか?
文部科学省の定めた大学などで履修可能です。2014年4月現在も、複数の学校で募集をしているようです。通学制ですと、学校にもよりますが、単位の修得までに20日前後かかるというのが一般的のようです。単位の修得までにかかる費用は、おおよそ8万円~15万円といったところでしょうか。特例措置は平成31年まで・・・今から動き始めても早すぎるということはありません。ぜひ計画的に、免許取得へ向けて動き出してみてはいかがでしょうか?
特例措置を利用して保育士資格を取る方法
◯幼稚園教諭免許の保有者が対象
必要となるのが、保育士としての計3年間の経験+大学等における8単位の修得です。単位修得後に勤務の経験を積む形でも可能複数の施設の通算も可能で、その場合はそれぞれの園からの証明が必要です。
◯どんな施設で単位を修得できるのか?
文部科学省の定めた大学などで履修可能です。2014年4月現在も、複数の学校で募集をしているようです。お気づきの方も多いと思いますが、特例措置で幼稚園教諭免許を取得する方法と同じです。
まとめ
(1)保育士資格・幼稚園免許いずれかを取得
(2)実務経験を3年以上積む(単位取得中でも可・特例措置執行期間までに限る)
(3)文部科学省または厚生労働省で定められた大学等の施設で開講された講義にて必要単位を8単位以上取得
(4)提出書類(実務経験証明賞や修了証明書)を提出の後、資格または免許を取得
特例措置を使用しない場合と使用する場合の違い
◯特例措置利用比較~幼稚園教諭の場合~
まず、通常の場合幼稚園教諭を取得するために必要な条件が、幼稚園教諭養成課程を修了していることです。4年制大学の場合は一種、短大や専門学校の場合は二種が取得可能です。その課程で必要となる単位数が、一種の場合は59単位、二種の場合は39単位です(どちらの場合も教育実習・教育実習演習を含みます)。特例措置適用の場合は保育士資格+3年間の実務経験+8単位以上の修得となります。
◯特例措置利用比較~保育士資格の場合~
通常保育士資格を取得するためには保育士養成学校を卒業するか、保育士試験に合格するかのいずれかの方法があります。保育士養成学校の課程で資格を取得するためには、68単位の取得が必要ですが、幼稚園免許を保有していると34単位に単位数を減らすことができます。上記はあくまで一般の方法になりますので、ここで特例措置を利用すると・・・通常なら34単位の取得が必要なところを、実務経験3年間+8単位の取得のみで済んでしまうんです。
◯特例措置をうまく利用して両資格を取得するためには?
保育士資格も幼稚園教諭の免許もない、そんな方に向けて、両資格を1から取得するための方法を考えてみましたので、参考程度にお話しいたします。
一般的に、幼稚園教諭よりも保育士資格のほうが資格の取得がしやすいといわれています。なぜなら、施設で学ばなくても筆記試験・実技試験に合格すれば保育士資格が取得できるからです。自分で時間の調整もしやすく、有効な方法ですよね。
そこで、まずは保育士試験に合格し、保育士資格を取得します。次に、保育士として働きながら実務経験を積み、特例措置を導入している、通信課程のある大学等で単位を8単位以上取得します。これで後は、実務経験が3年に達したら、特例措置を利用して免許を申請するのみです。
自分にあったスタイルでチャレンジしよう
「保育教諭」というポジションができたことによって、保育士の皆さんにとっても、幼稚園教諭の皆さんにとっても新たなキャリア形成の機会が与えられました。特例措置を活用するか否かは別にしても、自らの技量を向上させることにつながります。保育教諭として仕事を始めても、始めなくても、培った能力は確実に日々の保育に活きてくるはず。一つのキャリアパスとして保育教諭を目指してみるのもアリですね。