保育園で働く栄養士の面接では、どのような質問をされるのでしょうか。受け答えのポイントや自己PRの伝え方などもあわせて把握しておき、好印象を与えられるとよいですね。今回は、保育園栄養士の就職や転職活動に役立つ面接対策について紹介します。志望動機の例文や面接に臨む際のポイントなどもあわせてまとめました。
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■目次
保育園栄養士の面接ではどこを見られる?
保育園では、保育士さんだけでなく、事務員さんや調理師さんなどさまざまな職種の方が働いています。なかでも、栄養士として保育園で働きたいと考える方もいるでしょう。
そもそも保育園で働く栄養士さんには、仕事をするうえでどのような資質が求められるのでしょうか。面接対策をするうえで知っておきたい、園がチェックしているポイントを見ていきましょう。
清潔感
給食の調理にかかわる栄養士さんに必要不可欠なのが、衛生管理に対する意識でしょう。
業務中の格好が清潔であることはもちろん大切ですが、面接で清潔感のない服装をしていると、園側に「衛生面に気を遣わない人なのでは」と不安感を抱かせてしまう恐れがあります。そのため、身だしなみを整えて清潔感のある格好で臨みましょう。
また、保育園の栄養士さんは子どもとかかわる機会も多い職業です。
子どもと接する場面を考慮して、爪を短く切っておく、髪の毛は顔にかからないようにまとめておくといった配慮も大切になるでしょう。
コミュニケーション能力
多くの人とかかわる機会が多い保育園栄養士さんは、コミュニケーション能力も重視されるようです。
保育園で働くうえでは、食事介助や食育活動など、子どもとのコミュニケーションが重要となります。
また、調理業務では調理師さんと協力して給食を作ったり、食育活動やアレルギー対応では保育士さんと連携したり、保護者の相談に乗ったりすることもあるでしょう。
そのため、面接ではこれまで子どもとかかわった体験や多くの人と協力した経験、年代の異なる人と接した経験などを伝えると、効果的にアピールできるかもしれません。
書類作成や数字の管理能力
保育園の栄養士さんは、毎月の献立や給食だよりの作成を任せられることが多いでしょう。
そのため、書類作成に必要な文章能力やパソコンの操作に問題がないかといった点を求められるかもしれません。
また、食材の発注作業や管理、カロリー計算などでは数字を扱うため、数字に強いことも大切なようです。これまでの書類作成や発注作業の経験をもとに、対応能力をアピールしましょう。
新卒などで経験がない方の場合は、そうした実務に向けて勉強していることを伝えるとよさそうですね。
次からは、保育園栄養士の面接対策についてくわしく紹介します。
保育園栄養士の面接でよく聞かれる質問
保育園栄養士の面接では、主に志望動機や将来的なキャリアプランなどについて質問されることが多いようです。
では、具体的にどんな質問がよく聞かれるのでしょうか。一つずつ見ていきましょう。
質問例①「自身の強みをどのように仕事に活かせるか」
自己紹介とあわせて自己PRを聞かれることが多いでしょう。
栄養士の面接における自己PRでは、応募者が長所や短所を客観的に判断しているか、また自園と合うかなどを見ているようです。
自己PRでは、自分の性格や能力を正しく把握していることが重要になります。そのため、自分の強みや長所とともに、それを裏付けるエピソードや根拠をしっかりと伝えることが大切です。
そうすることで、面接官が納得しやすい自己PRに仕上がるでしょう。
質問例②「栄養士を目指したきっかけ」
この質問では、保育園栄養士としての適性や人間性を知りたいという意図があるようです。
幼い頃の食事の思い出や子どもとかかわった経験など、保育園栄養士さんへの憧れや給食への思い入れをエピソードとともに伝えましょう。
そうすることで、保育園でもやりがいを感じながら栄養士の仕事に励んでくれそうという印象につながるかもしれません。
このような経験がない場合でも、「子どもの成長を支えたい」という思いを伝えれば、保育園栄養士になりたいという意欲を伝えることができるでしょう。
質問例③「保育園の栄養士を志望した理由」
志望理由に関する質問では、保育園に対する熱意や適性を見られることが多いでしょう。
志望理由を答えるときは、以下の3点を意識して話を組み立てるとよさそうです。
- 保育園で働きたい理由
- 実習など経験からの学び
- 栄養士として貢献できること
なぜこの保育園で働きたいのか、この保育園でどんな貢献をしていけるか、園の特徴と合わせて考えるとよいですね。
転職する方の場合は前職の経験から活かせること、新卒の場合は実習で感じた栄養士さんへの思いを話せば説得力が増すかもしれません。
質問例④「どんな栄養士になりたいか」
業務に対する理解度や就職後の目標をはかるために、どんな栄養士になりたいかを聞かれることが多いようです。
また、その保育園にマッチしているかを判断しているとも考えられるでしょう。
この場合、以下の視点から自分が理想とする栄養士像をイメージして答えるのがポイントです。
- 食育
- 献立の考案
- 保護者支援
- 保育士さんや調理師さんとの連携
保育園が実施している食育を調べたり、自治体などが行っている食育活動の例を見たりしておくと答えやすくなるでしょう。
質問例⑤「調理経験はあるか」
この質問では、幅広く業務を任せられるかどうかを見られているようです。
規模が小さな保育園では、調理師さんといっしょに栄養士さんが調理に入ることもあるため、調理経験があれば貴重な人材であることをアピールできるかもしれません。
給食の調理経験はなくても、病院で専門的な調理をしていたり、食堂や寮など大量に調理したりした経験があれば伝えてみましょう。
また、離乳食を作った経験があるかどうかも園側が気になるポイントのようです。もし経験がない場合は、勉強している旨を伝えて前向きさをアピールするとよいかもしれませんね。
この他にも、面接では、園側から「何か聞きたいことはありませんか」と逆質問される場合もあるかもしれません。
職場の年齢層や実際に園で行っている食育など、求人票やホームページでは知り得ない情報についていくつか質問を用意しておくとよいですね。
保育園栄養士の面接での受け答え例文
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上記の質問例をもとに、保育園栄養士の就職・転職活動の面接でよく聞かれる質問への受け答え例文を紹介します。
自己PRを教えていただけますか?
現在は病院に勤務し、食事の面から患者さんの健康をサポートしております。
患者さんのなかには、なかなか食事に手が進まず残してしまう方もいらっしゃいます。そのため、栄養バランスはもちろんのこと、どうしたら美味しそうな見た目になるのかなど、使う食材にもこだわり工夫を凝らしながら日々業務を行っています。
これまでの経験を活かし、貴園に勤めた際も、子どもたちがたくさん食べたくなるような献立作りに貢献していきたいと思います。
あなたが栄養士を目指したきっかけは何ですか?
私が栄養士を目指したきっかけは、自分が保育園時代に園の食事を楽しみにしていた経験からです。
給食やおやつには季節の食材が使われており、味がおいしいのはもちろん、見た目も工夫されていたのでいつも楽しみにしていました。
そこで自分も子どもたちが楽しみにしてくれるような食事を提供したいと考え、保育園で働く栄養士を志すようになりました。
なぜ保育園の栄養士を志望したのですか?
子どもたちのエネルギーとなるおいしい給食を作って、幼少期の子どもたちの健康な身体づくりを支え、元気に笑顔で遊べるよう力添えしたいと考えたからです。
子どもにはそれぞれ、好き嫌いがあったり、少食だったりという個性があります。
苦手な食材も「頑張って食べてみよう」と思えるようなメニューを考案したり、子どもが食事に興味を持てるような食育を実施したりして子どもの育ちに貢献したいです。
どんな栄養士になりたいと考えていますか?
私は、子どもたちに食事の楽しさを伝えられる栄養士になりたいと考えています。
今は、レトルト食品やコンビニエンスストアの食事も充実しており、保護者が忙しい家庭ではそのような食事に頼ることもあると思います。
しかしそういった食事ばかりでは栄養が偏ってしまうため、保育園の給食では栄養バランスはもちろん、素材そのものの味や彩り、食感の違いなどを意識してメニューを作り、食事を充分に楽しんでもらいたいという願いを持っています。
子どもたちに食の魅力が伝わるよう、普段の食事指導や食育を通して、積極的にかかわっていきたいです。
調理経験はありますか?
前職では、〇〇会社の食堂にて献立作成をメインの業務としていたため、給食など大量調理の経験はございません。
しかし、栄養士は栄養を管理したりメニューを考えたりするだけでなく、実際に美味しく食べてもらうことも仕事のうちだと考えております。
そのため、実際に作成した献立の味や見た目などをきちんと把握する目的で、自宅に戻ってから毎日調理をするようにしていました。
保育園栄養士の志望動機の例文
志望動機は面接において必ずといっていいほど聞かれる項目です。
以下に紹介する例文を参考に、受け答えの練習をしておきましょう。
例文①
私は、子どもの成長を支える仕事がしたいと考え、栄養士を志望いたしました。
幼少期の食事は子どもの健康な身体づくりに直結するものですし、幼い頃の食習慣は大人になっても残るほど影響力の大きなものだと考えています。
栄養バランスがよく、おいしく食べられる献立を考案し、子どもの笑顔を作っていけるよう精進してまいります。
例文②
貴園で取り組んでいる、畑作りを通した食育の方針に共感し、志望いたしました。
ただ食事をするだけでなく、食材にふれたり、水をあげて育てたりといった経験は、子どもたちの食に対する意欲につながると考えています。
子どもたちがいきいきと食事を楽しめる保育園となるよう、畑で作った食材を活かしたメニューや食育活動を工夫していく所存です。
保育園栄養士さんのやりがいやその園ならではの特色を織り交ぜながら、自分なりの志望動機を伝えてみましょう。
保育園栄養士の面接におけるポイント
保育園栄養士さんの面接を受ける際に気をつけるべきポイントを紹介します。
身だしなみを整える
栄養士として清潔感のある格好で面接に臨みましょう。
髪はまとめておき、お辞儀をしたときに前髪が顔にかからないようにするとよいですね。
新卒の場合は黒地のスーツが無難ですが、園によっては私服を指定される場合もあるかもしれません。その際は、オフィスカジュアルを意識した露出の少ない服装を心がけることが大切です。
衣服のしわやカバンの汚れ、靴のかかとのすり減り具合など自分では気がつきにくいポイントもチェックしておくと、印象アップにつながるかもしれません。
自己PRでは、子どもや食育に関わる経験をアピールする
子どもや食育に関係する経験は、保育園栄養士として働くうえで重要なアピールポイントとなりそうです。そのため、経験を通して感じたことや、仕事に活かせそうな気づきなどを伝えるようにしましょう。
新卒の場合、アピールできる経験がまだないかもしれません。
その場合は、子どもとふれあった経験や今後やってみたい食育活動などを答えれば、「この人なら楽しんで働いてくれそうだ」と思ってもらえるかもしれません。
なぜ保育園で働きたいかを明確にする
栄養士として働ける職場は他にもあるなか、なぜその保育園で働きたいかを答えられるように対策しておきましょう。
業務に関することや食育活動について質問できるように、ホームページで園の理念や保育方針を調べるなどして、事前に情報を集めておくとよいかもしれません。
志望動機では、その園ならではの特徴や方針に共感したことを伝えることがポイントです。その園に惹かれた理由や、その園でしかできないことを盛り込むとよさそうですね。
面接のポイントをおさえて、保育園の栄養士を目指そう
今回は、保育園栄養士の面接対策のポイントを紹介しました。
保育園栄養士の面接では、保育園を志望する理由や、どんな栄養士になりたいかなどを聞かれるようです。なぜその園がよいのかをきちんと伝えられるように、今回紹介したポイントを押さえておきしょう。
また、自己PRなどで食事指導や食育などについてくわしく話すことができれば、栄養士としての素養に興味を持ってもらえるかもしれません。
よく聞かれる質問や受け答えの例文を参考に、保育園栄養士さんの就職・転職に活かしてくださいね。
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