まだまだ暑さが残る秋の始まり、夏の思い出を振り返る遊びとして魚釣り遊びを活動に取り入れてみませんか?今回は魚釣り遊びで使える手作りおもちゃの作り方や遊び方を紹介します。子どもの年齢や発達に合わせてさまざまな遊び方が展開できるので、先生と楽しんだり、友だちとゲームをしたり、製作をしたりして取り入れてみてくださいね。
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魚釣り遊びのねらいとは
集中して遊ぶ時間を設けたい、友だちとのかかわりを増やしたい、などと考えている保育士さんも多いのではないでしょうか。
魚釣り遊びは、心身の発達や友だちとのかかわりなど、年齢にあわせたさまざまなねらいがある遊びです。
- 親しみあるものを通して、活動意欲が深まる
- 簡単なルールのある遊びを楽しむ
- 手の動きや指先の感覚、視覚を使って集中して遊び、できた達成感や十分な満足感を味わう
- 同じ遊びを共有し、他者への関心や信頼関係を深める
子ども一人ひとりに合わせたねらいがある一方で、おもちゃの使い方次第でさまざまな遊び方ができるのが魚釣り遊びの特徴。
学年ごとにおもちゃを手作りする必要がないので、ねらいに基づいたおもちゃの使い方や遊びの展開をしてみてくださいね。
【魚釣り遊び】手作りおもちゃの作り方
まずは、魚釣り遊びを楽しむためのおもちゃを用意しましょう。廃材で簡単に手作りできる、海の生き物の作り方を紹介します。
カプセル容器で作る魚
用意するもの
- カプセル容器
- ゼムクリップ
- セロハンテープ
- セロハン
- PEテープ
- 目玉シール
- 画用紙
- タコ糸
- 磁石
- ペン
作るときのポイント
動画ではカプセル容器の中身にセロハンを使用しましたが、花紙や折り紙などさまざまな素材を用いて作ってみてもよいでしょう。
ビーズを入れると、釣りあげたときに音が鳴り楽しいですね。量など調節しながら作ってみてくださいね。(詳しい作り方はこちら)
トイレットペーパーの芯で作るタコ
用意するもの
- トイレットペーパーの芯
- ゼムクリップ
- 磁石
- 画用紙
- タコ糸
- セロハンテープ
- はさみ
- えんぴつ
- 黒いペン
- 割りばし
作るときのポイント
頭部分に三角に切った画用紙を貼ってイカにしたり、顔に丸く切った画用紙を貼ってくらげにしたりとアレンジすることができます。
さまざまな海の生き物を用意することで、ゲームなどでの楽しみ方が広がります。(詳しい作り方はこちら)
牛乳パックで作る魚の大群
用意するもの
- 牛乳パック 1個
- モール 5cm
- タコ糸 30cm
- 割りばし 1本
- ハサミ
作るときのポイント
モールを磁石に変え、魚にクリップをつけると水に浮かべなくても遊べます。
磁石の強度をあげると数匹同時に釣ることもできるので、調節しながら遊んでみてくださいね。(詳しい作り方は
こちら)
空き容器で作る魚
用意するもの
- 乳酸菌飲料などの空き容器
- PEテープ
- モール
- ビニールテープ
- タコ糸などの紐
- 割り箸
- シールなど
作るときのポイント
さまざまな容器を使って作ることで、難易度を変化させながら楽しむことができます。
釣り竿のモールの大きさや曲げ方を調節することで、釣りやすさも変わってきます。保育士さんが試しながら調節してみてくださいね。(詳しい作り方は こちら)
魚釣り遊びの手作りおもちゃを作るときのポイント
磁石を増やして釣りやすい工夫をしよう
磁石を2つ重ねると磁力が少し高くなるため、釣りやすくなります。磁力が弱くて釣りづらいと、子どもたちの遊ぶ意欲がなくなる可能性があるので、調節してから遊ぶようにしましょう。
子どもの発達に合ったおもちゃを用意しよう
2歳児頃までは釣り竿はモールをひっかける動作が難しい場合があります。魚の口の部分にクリップ、竿のえさの部分に磁石をつけた方が簡単で遊びやすくなりますよ。
竿や紐の長さを調節しよう
紐が短すぎると簡単すぎる、長すぎると竿が使いづらいため、子どもの身長にあった長さに調節しましょう。
【魚釣り遊び】実際に遊んでみよう
魚釣り遊びに使うおもちゃを作ったら実際に遊んでみましょう!
魚釣り遊びは、魚を釣るというルールの理解や身体能力が必要な遊びです。
集中して遊ぶ時間を設けたいと考えている保育士さんは、発達にあった遊び方を活動に取り入れてみてくださいね。
保育士さんといっしょに魚釣りを楽しもう
1歳児頃になると、自分でやってみたいという意欲や自己主張が発揮される頃です。
自分で竿を持って魚を釣れた瞬間のよろこびは、子どもの満足感や「自分でできた」という達成感につながるでしょう。
魚の名前を伝えたり、釣れた数を数えたり、言葉のやり取りも楽しみながら取り入れてみてくださいね。
指定された海の生き物を釣ろう
2歳児頃になると、簡単なルールのある遊びが楽しめるようになる時期です。
「タコ」「イカ」などの名前を指定して子どもたちは言われたものを釣る、などのルールを設けて遊んでみましょう。生き物や言葉の理解が進んだからこそ楽しめる遊び方です。
魚の名前が難しければ、魚の色や釣る数などにして、子どもの興味にあったアレンジを取り入れてみてくださいね。
釣れた魚の数を競う
友だちと一対一で、釣れた魚の数を競い合うゲームを楽しんでみましょう。他者への関心が広がり、友だちと遊ぶことへの喜びを感じられる3歳児頃から取り入れられる遊び方です。
競う遊びは白熱しすぎて友だちとけんかになることも予想されます。
そのため、十分な数のおもちゃを用意することがポイント。子ども同士のトラブル防止や遊びへの満足感につながるでしょう。
子ども一人ひとりの姿を捉えて、そばで見守るのか、遠くで見守るのか、間に入ってけんかを落ち着かせるのかなど、場面によってどのような援助が必要か見極めてくださいね。
チーム対抗戦!魚釣りゲーム
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釣れた魚の数やポイントを競って楽しみましょう。遊びを通して、友だちへの関心や興味を深めることができます。
幼児クラスになり行事活動やお当番など、友だちと協力して取り組む活動を増やす場合、まずは楽しい気持ちを共有し、友だち同士の信頼関係を作る活動から始めてみましょう。
【魚釣り遊び】ゲームが難しい乳児が楽しめるアイデア
まだ魚を釣る遊び方が難しい場合は、魚の製作をして楽しみましょう。
絵本や歌などで親しみのある魚の製作は、子どもたちの活動意欲につながり、興味を持って楽しむことができます。
また、魚釣り遊びの導入として製作したり、できた魚を実際に魚釣り遊びに取り入れたりするのもよいですね。
【0歳児向け】色塗りする
絵の具やクレヨンなどさまざまな画材を使用して魚の色塗りを楽しみましょう。
好きな画材で製作することで、一人ひとりの個性が際立つ作品ができあがります。
また、用意するものは画材の他に魚の台紙だけなので、準備も簡単で保育に取り入れやすいでしょう。
【0・1歳児向け】折り紙をちぎる
保育士さんが魚の形に切った台紙を用意しましょう。
子どもたちは折り紙をちぎり、うろこに見立てます。魚の台紙にのりで貼っていくと、うろこがたくさんついた魚のできあがりです。
【1・2歳児向け】ペインティングでダイナミックに海を表現
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大きな模造紙にペインティングをして海を表現してみましょう。筆以外にも、フィンガーペインティングやボディペインティングでも楽しめます。
「絵の具の感覚を感じながら表現することを楽しむ」「色彩の変化に親しむ」などのねらいをもって活動できるとよいですね。
全身の感覚を刺激するダイナミックな遊びは保育園ならではであり、心身の発達につながります。
歩行も安定し、大人の話への理解も深まってきた1歳児頃から取り入れてみましょう。もちろん、幼児でも楽しめる遊びです。
できあがった海の上に、魚を貼ったり、その上で魚釣り遊びをしたりして活用できます。
【2歳児向け】ハサミで切る
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子どもの発達に合わせてハサミを使う活動を取り入れてみるのも一つです。
0・1歳児向けで紹介したうろこの製作で、折り紙をちぎるのではなくハサミで切って作ってみましょう。
安全には十分配慮して、保育士さんがいっしょに手を添えながら使用してくださいね。
子どもの発達に合わせて魚釣り遊びを楽しもう
今回は、さまざまな魚釣り遊びを紹介しました。
トイレットペーパーの芯や乳酸菌飲料の空き容器など、身近にある廃材を使って簡単に手作りおもちゃを作ることができます。
紹介したおもちゃは、子どもの発達や年齢に合わせて遊び方が展開できるため、日常の保育に取り入れやすいのではないでしょうか。
製作もいっしょに取り入れることで遊びの導入にもつながりますよ。
夏の余韻に浸りながら、海の生き物に親しむ遊びを楽しんでみてくださいね。