保育士試験の実技で落ちる人にはどのような特徴があるのでしょうか。実技試験の合格率は約80%といわれていますが「試験に合格できなかったらどうしよう…」と不安になる方もいるでしょう。今回は保育士試験の実技に落ちる人の特徴や不合格になる理由を解説します。分野別に合格するための対策もまとめたので参考にしてみてくださいね。
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■目次
保育士試験の実技で落ちる人の特徴は?
保育士試験は筆記試験に合格後、「音楽」「言語」「造形」の3分野のうち2分野を選択し、50点満点中30点以上を得点する必要があります。
試験科目の詳細は以下の通りです。
- 音楽に関する技術(幼児に歌って聴かせることを想定して課題曲を弾き歌いする)
- 造形に関する技術(保育の一場面を絵画で表現する)
- 言語に関する技術(3歳児が集中して聴けるような「3分間のお話」を行う)
例年、実技試験の合格率は約80%と比較的合格しやすいといわれています。
しかし、中には「緊張して試験当日が心配…」などという方もいるかもしれません。
また、受験した方の中には「実技試験に落ちた。もう一度受けるけれど、また落ちたらどうしよう…」と不合格の理由に見当がつかず、対策の立て方に不安を抱く方もいるでしょう。
そもそも、保育士試験の実技で落ちる人の特徴には、どのようなものが挙げられるのでしょうか。
ルールを守れない
実技試験では、試験に臨む際の注意事項をあらかじめ読んでおく必要があります。
例えば、造形芸術の場合は、試験で「人物の形をしたイラスト入りのもの」を机の上に置くのは禁止されています。
このような注意事項をきちんと読まないまま試験に臨むと、不合格になってしまう確率が高いでしょう。
笑顔が少ない
音楽や言語の分野では子どもたちの前で歌を歌ったり、物語を話したりすることを想定して試験が行なわれます。
基本的に笑顔で試験に臨むことが大切ですが、中には緊張や不安で顔がこわばってしまう方もいるかもしれません。
試験中、保育士として子どもの前に立つときも「笑顔がつくれないのではないか」と判断され、不合格になってしまうこともありそうです。
表現力が乏しい
保育士は子どもたちの前で手遊びをしたり、歌をうたったりと豊かな表現力が求められる仕事でしょう。
そのため、試験時も表現力の豊かさが重要になりそうです。
「感情が入っていない」「適当に表現しているように感じる」などという印象を試験官に与えてしまうと受からないことがありそうです。
このように保育士試験の実技で落ちる人にはさまざまな特徴がありますが、分野別に不合格となりえる理由をチェックして、対策を立てていきましょう。
保育士試験の実技が不合格になる理由と対策【音楽】
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まずは、実技試験の音楽科目で不合格になる理由と、攻略するための対策方法を見ていきましょう。
不合格になる理由
実技試験の音楽で不合格になる場合、以下の理由が挙げられるでしょう。
- 楽譜を見ずに練習した
- 声が小さくて聞き取りづらかった
- 楽しそうに演奏できなかった
- 子どもたちが歌うことを想定せずに、難しい伴奏にした
楽譜に頼らず練習を進めても、実際のメロディーや歌詞と違っていた…ということがあるかもしれません。
また、緊張するあまり笑顔が見られなかったり、声が小さかったりしてしまうと試験官に「保育士さんとして子どもの前にきちんと立てるのかな?」と懸念される可能性があるでしょう。
自信をもって試験に臨むためにもしっかり対策を立て、練習を重ねることが合格するポイントになりますね。
対策
合格に向けてできる、対策を紹介します。
自分に合った楽譜を選び、動画を参考に練習する
自分の知っている曲でも、楽譜は必ず用意しましょう。
無理なくピアノ伴奏ができるよう、初級者向けの簡単な楽譜を選ぶことがポイントになりそうです。
また、ピアノが初心者だという方は、以下の動画を参考に練習してみましょう。
弾き方のお手本を見ながらであれば、どの鍵盤をおさえればよいのかも分かりやすく、上達への近道になりますよ。
また、「伴奏のみ」「歌のみ」「メロディーラインだけを弾いて伴奏する」ことは採点対象外となることから、この点も注意して練習しましょう。
笑顔で演奏し、最後まで弾ききる
子どもに向かって弾き歌いをするため、元気よく明るい表情で歌うことを意識しましょう。
歌詞だけでも暗記しておくなど、試験当日には自信を持って演奏できるレベルまで仕上げておきたいですね。
また、緊張のあまりピアノを弾く手が震えれば、違う音を鳴らしてしまうなどミスしやすくなるかもしれません。
試験では、保育士さんらしく演奏できるかが大切です。
たとえ間違えても最後まで弾き直しせずに堂々と演奏し、ハキハキ歌うことを意識するとよさそうです。
保育士試験の実技が不合格になる理由と対策【造形】
次に、造形の実技試験で不合格になる理由と合格するための対策をまとめました。
不合格になる理由
実技試験の造形で不合格になる理由として、以下のことが挙げられます。
- テーマに沿って描かれていない
- 子どもの動作や表情が一色淡
- 描き直しの跡が残っている
- 色鉛筆以外で配色してしまった
実技試験に向けて絵の技術を高めることはもちろんですが、問題文に指示されている条件を満たすことも大切です。
対策
合格に向けてできる、対策を紹介します。
子どもを描き分ける力をつける
造形のお題は試験当日に発表される仕組みです。
問題の指示によって、描く子どもの人数や年齢などは異なります。
そのため、いろいろな子どもを描きわけられるように練習しておく必要があるでしょう。
- 男児と女児の顔の区別
- 子どもと保育士の身長の違い
- さまざまな表情や動き
- 髪型や服装のバリエーション
以上の項目に配慮しながら練習を積んでおけば、試験当日のお題に沿えるかもしれません。
なお、保育士さんを描く練習も忘れずに行ないましょう。
下書きをしっかり行ない、背景にも気を配る。
試験では色鉛筆を使用しますが、誤って描いた際に修正を施した跡が残ってしまうでしょう。
まずは鉛筆を使ってしっかり下書きしてから描けば、見た目もきれいに仕上がりそうです。下書きの消し跡も残らないように気をつけましょう。
また、背景は細かいところまで描く必要はありませんが、背景が殺風景にならないような配慮が必要です。
室内の様子を描く場合は保育室にある備品や玩具、屋外であれば遊具なども描けるとよいかもしれません。
保育士試験の実技が不合格になる理由と対策【言語】
最後に、言語の実技試験で不合格になる理由と合格するための対策を解説します。
不合格になる理由
実技試験の言語で不合格になる場合、次のようなことが理由かもしれません。
- 動きや表情が硬かった
- 早口で聞き取りづらかった
- 声が小さかった
- 物語に脚色をしすぎてわかりづらかった
子ども15〜20人の前に立って話すことを想定しているため、動きや表情のバリエーションが少ないと試験官に物足りない印象を与えてしまうかもしれません。
対策
合格に向けた対策は以下の通りです。
子どもに見立てた物を準備し、動画を撮影する
子どもの前で話す雰囲気を醸し出せるように工夫してみましょう。
例えば、ぬいぐるみや本を並べるだけでも子どもに見立てて練習することができそうです。
全ての物を子ども一人ひとりだと想定して目線を配りながら、笑顔で穏やかに語りかける練習をしてみてくださいね。
また、「3分間のお話」がひと通りできるようになったら、動画を撮影しながら確認してみましょう。
客観的に自分自身を見ることで、思ったより早口になっている部分や、表情や身振り手振りが乏しいところなどに気づけるかもしれません。
身振り手振りを交え、声の大きさに配慮する
試験では紙芝居やペープサートといった道具を使わないため、身振り手振りによって子どもの興味を惹き付ける必要があるでしょう
緩急をつけるために、話が盛り上がるところでは表情も含めてよりオーバーなリアクションがとれるとよいですね。
また、子ども15人の前で話をすることをイメージすれば、必然的に声は大きくなるでしょう。活舌よく抑揚をつけながら、ゆっくり話すことも意識することが大切ですね。
それぞれの科目が仕上がってきたら、試験当日前にあらかじめ誰かに見てもらえる機会を設けられるとよいですね。
保育士試験の実技で不合格にならないように対策を練っておこう
実技試験に向けてしっかり対策を立て、自信をもって当日を迎えられるとよいですね。
また試験会場では、態度や服装などもチェックされているかもしれません。身だしなみに気をつけて実技に臨んでくださいね。
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