2017年11月24日

第3回 積み木遊びから展開した車ごっこ

明日から使える!あそびコーディネートのコツ

あそび環境コーディネーターとして大事にしていることが幾つかあります。その中でも
一番大事にしているのが子どもたちが「楽しい!」と思えるか?ということです。

保育園へ行くときは事前にあそびの内容を大まかに計画し、事前に提出します。
日案のようなものですね。タイトル、内容、ねらい、当日の遊びの流れを書いておくのですが大抵その通りにはいきません。しかし、それでいいのです。

その日のあそびの環境を整え導入をし(絵本を使う事が多いです。)その後は子どもたちのあそぶ様子を見ながら進めていきます。

例えばある日の2歳児クラスでのこと。この日は車を使ってあそぶ予定でした。積み木等で道を作り走らせたり段ボールで作った滑り台の上に車を走らせたりしようと考えていました。

あそび始めると一人の男の子が用意してあったアーチ型の積み木をお腹にあて、シートベルトのようにしました。
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それはいいアイディアだね!ということで車に乗っている雰囲気を出すため椅子を用意しました。すると他の子も真似をし始め全員椅子に座りました。

大きな段ボールで周りを囲み大きな車になりました。「車できたね」と私が言うと「電車だよ!」と怒られました。「雨が降ってきた!」と女の子が言うのでブルーシートを保育士が頭上で上下させ雨を演出。その後ブルーシートは屋根になりました。

最初のおもちゃの車であそぶ、という計画から自分たちが電車に乗るというあそびに大幅に変更になりました。子どもたちが楽しそうにしていることを見つける、そこからで出てきた言葉や行動をキャッチし広げていく、それこそがあそび環境コーディネーターの仕事なのです。
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ポイントは子どもたちの様子をとにかくよく見ることです。何が面白いのか?どうして面白いのか?を考えて頭の中で言語化するようします。
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すると自分なりのデータが年齢、発達に応じて蓄積されてきます。それをフルに活かして遊びの環境を作っていきます。

先ほどの電車ごっこでは雨が降ってきたときはブルーシートの他に鉄琴の音で雨を表現しました。最初は大人がやって見せて次は子どもたちにお願いしてみました。
とても真剣な表情で鳴らしていました。楽しいにはグラデーション、種類があります。自分から見つけた楽しさ、誰かにはたらきかけられて生まれる楽しさ......。
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頼まれた子どもたちの表情は一様に真剣でした。でもとても満足そうでした。ブルーシートの屋根の下ではじっと座っているだけの子が何人もいました。
あそびへの参加の仕方や、楽しみ方はいろいろあるのです。

手にはそれぞれ大事そうにおもちゃを持っています。話すわけでもなくじっと座っていること、その場の雰囲気を味わう、そのことがあそびなんだと、のちに保育士さんたちと確認しあいました。
「楽しい」のモデルケースにとらわれることなく、いろんな種類の「楽しい」を提案していくことがあそび環境コーディネーターの仕事のなのです。


プロフィール


横尾 泉(よこお いずみ)横尾プロフィール
木のおもちゃ「チッタ」店主、あそび環境コーディネーター、保育士。
保育士養成校を卒業後、乳児保育園の保育士などを経験。
その後、フィリピンの孤児院や、オーストラリアを放浪しながら現地の保育園にてボランティアを行う。
結婚を機に上京、子育てに行き詰まったことをきっかけに、おもちゃコンサルタントマスター取得。
その勢いで自宅ショップ「木のおもちゃチッタ」オープン。
こだわりのおもちゃ屋を経営しながらあそび環境コーディネーターとして保育現場で活動。
園内研修、保護者向けのおもちゃの講座などを手掛ける。石川県出身、2児の母。 Facebook https://www.facebook.com/woodtoychitta/

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