保育士さんが働ける職場のひとつに「児童館」があります。幅広い年代の子どもと遊んだり保護者の方の子育て相談に乗ったり、各ご家庭とじっくり関わることができるでしょう。今回は児童館で働く保育士さんの仕事内容や給料・求人事情をわかりやすく解説します。保育園との働き方の違いも紹介！転職・就職活動に役立ててくださいね。
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児童館とはどんな施設？
児童館とは地域において児童に健全な遊びを与え、健康の増進や豊かな心の育成を目的とする児童厚生施設です。運営主体は都道府県や市町村、社会福祉法人などになります。
役割
厚生労働省の資料による児童館の役割や機能は以下の通りです。
- 遊び及び生活を通した子どもの発達の増進
- 子どもの安定した日常生活の支援
- 子どもと子育て家庭が抱える可能性のある課題の発生予防・早期発見と対応
- 子育て家庭への支援
- 子どもの育ちに関する組織や人のネットワークの推進
利用対象は18歳未満のすべての児童で、子どもは自由に来館し読書や運動など好きな活動をして過ごしています。
保育士資格を持った方の多くが児童館で活躍しています。小学生や中・高生といったさまざまな年代の子どもと関わることができ、対応力が身につくでしょう。
また、保育園は持ち帰り仕事が多いと言われていますが児童館の場合は書類作業が少なく、残業もほとんどないことから働きやすさを感じることも多いかもしれません。
設置状況と種類
2021年10月時点で児童館は全国に4347カ所施設あります。運営主体別にみると公営施設が2381カ所、民営施設が1966カ所です。
児童館の3つの種類について以下にまとめました。
| 児童館 | 概要 |
|---|---|
| 小型児童館 | 施設面積が217.6㎡以上と定められている最もコンパクトな児童館。市町村や社会福祉法人などによって設置・運営され、児童に遊びを提供して健康増進の手助けをしたり地域組織活動を促進したりする。小地域の児童が対象で、特に低学年や留守家庭児童の利用をメインとしている。 |
| 児童センター | 児童の体力増進指導や運動機能の発達を指導する役割を持つ。運動に欠ける幼児や低学年を優先的な利用対象とする通常の児童センターと、中学・高校生世代の育成支援をメインとする大型児童センターに分類される。 |
| 大型児童館 | 広域の児童を対象に、県や市町村、社会福祉法人などが設置・運営して支援を行う。県内の児童館の指導や連絡調整などの機能を有すA型と、宿泊施設や野外活動施設を備え、自然活動を通して児童の創造性や協調性を高める機能を持つB型に分類される。 |
出典：児童館に係る法令等の規定内容（目的・機能）/厚生労働省
出典：「児童館ガイドライン」の改正について（平成30年10月策定）/厚生労働省
児童館で働く保育士の仕事内容
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ここからは保育士さんの仕事内容や保育園との違いについて見ていきましょう。
仕事内容
保育士さんの仕事内容は以下の通りです。
- 遊びを通じた子どもへの指導・見守り
- 子どもの健康・体力増進のサポート
- 活動計画の作成
- 施設の安全・衛生管理
- 子育て相談への対応
来館する子どもの中にはさまざまな事情を抱える中で、児童館で過ごす子もいるでしょう。
そういった子どもの心のケアを行い、頼りになる存在となるのも大切な役目となります。
また、家庭や学校との連携を行うなど、地域の中で密接に関わりながら子育てをサポートしていきます。
保育園で働く保育士との違い
一般的な保育園は毎日登園する子どもが決まっており、保育士さんはクラス運営や連絡帳の作成、行事の準備などを行います。一方、児童館には毎日違う子どもが来館するため、クラスはもちろん担任業務などはありません。
また、乳幼児から高校生まで幅広い年齢の子どもと接することができるのも児童館ならではの特徴ですね。
地域のさまざまな施設と連携しながら子育てをサポートをしていくという点も保育園で働く保育士さんとの違いと言えそうです。
児童館で働く保育士の給料・求人事情
給料
児童館で働く保育士さんの給料は、正社員・パートともに保育園勤務の保育士さんと大差ないようです。
民営の施設であれば正社員で月給20万円、パートで時給950円～1300円が目安といえそうです。地域や施設の規模によって違いがあるでしょう。
求人事情
児童館で働く保育士さんの求人は、保育園に比べて数が少ないのが現状のようです。
これは、保育園が全国に3万8000施設以上（※2021年4月1日時点）あるのに対し、児童館は全国で約4400カ所と、施設数の少なさが原因として考えられます。
児童館の求人は公営施設が多く、民営の求人がなかなか見つからないこともあるでしょう。
そんなときは転職エージェントに登録して勤務先を探してもらうのも一つの手段。
特に、在職中で転職活動の時間が取れないという方は、エージェントを利用すれば希望に合わせた求人の紹介を受けられます。
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出典：「保育所等関連状況取りまとめ（令和3年4月1日）」を公表します/厚生労働省
保育士が児童館で働くには
児童館の職員として働くうえで必要な資格や免許についてまとめました。
必要な資格や免許は？
以下の資格や免許を持っている方は児童館で働くことが可能です。
- 保育士資格
- 幼稚園教諭免許
- 社会福祉士資格
- 教員免許（小、中、高）
また、下記の要件を満たしている方も児童館職員として働けます。
- 学校教育法における高等学校を卒業し、児童福祉事業に2年以上従事した経験がある
- 大学で社会福祉学・心理学・教育学・社会学・芸術学もしくは体育学を専修する課程を卒業した
パートやアルバイトであれば、無資格の方や資格取得見込みの未経験者を募集する施設もあるようです。
放課後児童支援員になる道も
放課後児童支援員の資格を取得して児童館で働く方法もあります。
放課後児童支援員とは、放課後児童クラブで働く際に2人以上配置されることが決められている専門資格です。
放課後児童支援員の資格は以下のいずれかの要件を満たしたうえで、都道府県知事が実施する研修を修得する必要があります。
- 保育士資格を有している
- 教員免許（幼稚園、小学校、中学校、高等学校）を有している
- 社会福祉士の資格を有している
- 高等学校を卒業し、2年以上児童福祉事業に従事した経験がある（※子育て支援員研修放課後児童コースを修了した方は、他の児童福祉事業経験者よりも必要な経験年数が短期化）
また、下記の要件を満たしている方も児童館職員として働けます。
- 大学で社会福祉学、心理学、教育学、社会学、芸術学もしくは体育学を専修する学科や課程を卒業している
- 5年以上放課後児童健全育成事業に従事し、市町村長に適当と認められる
保育士資格や幼稚園教諭免許を持っていない方は、放課後児童支援員を目指すのもよいでしょう。
出典：児童館に係る法令等の規定内容（目的・機能）/厚生労働省
保育士資格を活かして児童館で働いてみよう
共働き世帯が増加する中、これからも児童館の需要は高まることが予想されます。
児童館での経験を積み重ねると、その先の転職・就職活動も有利になるでしょう。
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