転職をしようと考えている保育士さんの中には、転職活動の流れやスケジュールを知りたいという方もいるのではないでしょうか。計画的に転職活動を行って、スムーズに新しい職場を見つけたいですよね。今回は保育士の転職活動について、開始時期や流れ、内定までに必要な準備などについて紹介します。

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■目次
転職を始める時期は?
一般的に、卒園や年度末で区切りがいい3月に向けて転職活動を行う保育士さんが多いようです。
実際に保育士バンク!に寄せられる転職相談では、例年8月後半から徐々に相談件数が増えていき、9月~10月にかけて最も多くなります。
具体的には、9月頃からアドバイザーへの転職相談をはじめて、10月〜2月の間に面接などの転職活動を本格的に行い、4月から新しい職場で働き始める、という流れです。
しかし、5月頃からの登録も増えており、早いうちから転職の準備をしっかりと行い、秋から冬にかけての転職活動に本腰を入れて取り組むという方もいるようです。
一方、求人が最も増えるのは、例年1月から3月頃と言われています。
この時期は来年度に向けた採用が最も活発になる頃ですが、新卒の保育士の応募が増えるときでもあるので、競争率は高くなるという側面があるといえるでしょう。
保育士が転職を考えるターニングポイント
保育士さんが転職を考えたり、自身のキャリアを見直したりするターニングポイントは一般的に以下の3つの年齢と言われています。
- 25歳:最初の園での保育に慣れた時期。将来性があり、体力的にも不安がない。
- 28歳:5年程度の経験を生かして、経験者採用などに幅広く対応できる。
- 33歳:仕事での実績や強みを生かしたキャリアアップを目指せる。
実際の求人では、園によって求める年齢や経験は異なりますが、どの年齢での転職においてもそれぞれの強みがあります。
そのため、自分が持つスキルや経験を求めている園を探すことが大切になるでしょう。
保育士の転職活動の流れ
実際の保育士の転職活動について、始める前の準備から、内定をもらい退職をするまでの流れを紹介します。
1.転職のスケジュールを決める
まず転職活動のスケジュールを決めましょう。
具体的にいつからいつまでの間に終わらせるという期間を決めて計画を立てておくと、スムーズに転職活動を進めることができそうです。
また、いつまでに何をすればいいのかが明確になり、全体的な流れを把握しやすくなるでしょう。
一方で、一般企業に勤めていた方が保育士に転職したい場合には、まず保育士資格を取得する必要があります。そのため、保育士経験のある方とのスケジュールとあわせて、保育士採用試験の時期もふまえた計画を立てる必要があります。
保育士資格は、厚生労働省指定の養成学校を卒業するか、もしくは保育士試験に合格すれば取得することができます。
しかし、社会人の方は養成学校に通うのは時間的に難しいことも考えられるので、通信教育などで勉強しながら保育士試験の対策をすると効率よく進めることができそうです。
保育士試験は1年に2回受験することができるので、しっかりと勉強すれば短期間でも保育士資格を取得することができるでしょう。
2.転職の方針を決める
転職活動を始める前に、自身が転職において重要とする方針を決めましょう。
具体的には、保育の方針や給与、休みの取りやすさなどです。
方針や軸を決めずに何となく転職活動をスタートすると、求人をたくさん見ていくうちに自分の重視するポイントがぶれてしまうこともあるかもしれません。
そのため、転職活動を始める前に自身の中で絶対に譲れないポイントを決めておくといいでしょう。
3.転職先を探す(退職予定の半年~3カ月前)
転職したい時期の半年~3カ月前を目安に転職活動を始めしょう。
開始したら、まずは求人情報を収集します。
一般的に求人を探す方法には、
- 保育士専門の求人サイト
- 園のホームページ
- ハローワーク
などが挙げられます。
他にも、転職サイトなどが主催している保育士さん向けの転職フェアや合同説明会に参加する方法もあります。
これらの転職イベントは、参加費は無料で入退場が自由となっているところが多いので、気軽に足を運ぶことができるでしょう。また、一度に複数の園の情報を集めることができるので、さまざまな園を比較すれば自分に合った園を見つけやすくなるかもしれません。
さらに、実際に働いている保育士さんから話を聞くことができるので、現場や職員の雰囲気をつかむこともできそうです。
4.求人に応募する
さまざまな園について調べて情報収集をしたら、しっかりと園ごとに比較します。
そのうえで気になる求人があった場合には早めに応募しましょう。
人気の園はすぐに応募が埋まってしまうことも考えられるので、新しい求人が出ていないかこまめにチェックしておくことも大切です。
5.応募書類を作成する
応募するにあたって必要な履歴書や職務経歴書を作成しましょう。
特に指定がない場合には履歴書は手書きで作成するのが一般的です。一方、職務経歴書はパソコンで作成し、A4サイズの用紙1~2枚にまとめるのが理想になります。
履歴書や職務経歴書には自己PRを書くことができるので、しっかりと自分の強みをアピールしておきましょう。
6.面接実施
書類選考を通過したら面接が行われます。
保育士さんの転職における面接では、園を志望した理由や前職を辞めた理由について問われることが多いようなので、事前に面接の準備や対策をしておきましょう。
また、社会人としてのマナーや、自分たちの園の雰囲気に合う人物であるかといった部分も見られていることを意識して面接に臨むとよさそうです。
7.内定
無事選考が進み、ご縁があって内定を頂けた場合には、メールや電話で内定承諾の返事をしましょう。
このときに、在職中の方は退職予定日や勤務開始希望日について改めて確認しておくとよさそうです。他にも働くにあたって不安なことがある場合には、この時点でクリアにしておきましょう。
8.退職
現在の職場には、3カ月~半年前を目安に退職の意思を伝えましょう。退職の理由を尋ねられた場合には、前向きな言葉で伝えるとよさそうです。
また、後任の方にはしっかりと業務の引継ぎをしておくことも大切です。
最終日には職員全員にきちんと挨拶をして感謝を伝えることで円満退職につながるかもしれませんね。
保育士の転職活動の流れがわかったところで、次は転職活動をするときのポイントを紹介します。
保育士の転職活動をするときのポイント

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転職活動をするうえで気を付けるべきポイントを紹介します。
転職活動にかかる費用を準備しておく
転職活動をするにあたって、転職フェアや合同説明会に参加したり、面接を受けたりと交通費がかかったり、そのほかにもさまざまな費用が必要になったりするでしょう。
安心して転職活動を進めるためにも、ある程度の転職活動資金を準備しておくとよさそうです。
短期間で転職しない
1つの園での勤続年数が2年を下回る場合、園の方に「長く仕事を続けられない人なのでは?」と思われてしまう可能性があります。
職場の雰囲気がどうしても合わない、人間関係に悩んでいるなどの深刻な理由以外は、できるだけ1つの園で2年以上の勤務年数を積むことが理想であり、今後の転職活動を有利に進めるポイントと言えるでしょう。
園見学に参加する
希望する園が見学可能である場合には、園や職員の雰囲気をつかむためにも積極的に園見学に参加してみましょう。
園見学に参加すれば、求人サイトや転職フェアだけではつかめなかった現場の雰囲気を感じることができ、職場の雰囲気が自分に合うかを判断する材料にもなりそうです。
保育士の転職活動の流れを把握して、自分に合った転職先を見つけよう
今回は、保育士の転職活動について、開始時期や準備から内定までの流れについて紹介しました。
転職活動には最低でも3カ月はかかるので、早めに転職の準備をして余裕をもってスタートできるようにしておきましょう。
その中で、なかなかいい転職先を見つけられないという場合には、保育士専門の求人サイトや転職エージェントを利用することを視野に入れてみてもいいかもしれません。
保育士の転職においては年齢や経験、スキルによってそれぞれの強みがあります。
今回紹介した転職活動の流れを押さえて、自身の強みを生かせる転職先を見つけてみましょう。