保育園の七夕行事の出し物でペープサートを披露し、子どもたちにわかりやすく由来やストーリーを伝えてみましょう。登場人物や物語の大まかな流れがわかれば、台本も作りやすくなるかもしれません。今回は、七夕の由来を伝えるペープサートの作り方を紹介します。また、盛り上げるための簡単な演出アイデアもまとめました。
JWCohen/shutterstock.com
■目次
ペープサートで子どもたちに七夕を伝えよう
7月7日は七夕。1年に1度織姫と彦星が会える日とされ、短冊にお願いごとを書いたり笹の葉を飾ったりして楽しむことが多いかもしれません。
保育園では、七夕の製作やゲームなどの遊び以外にも、子どもたちが行事に親しみを持てるよう先生が劇やシアターなどの出し物をすることもあるでしょう。
なかでも、ペープサートは動きやセリフがあるので子どもの興味を惹きやすく、台本があるためストーリー仕立てで楽しみやすい出し物です。
そこで、子どもたちに七夕の由来や意味を説明する際に、手作りのペープサートを活用してみましょう。ストーリーの流れや登場人物を押さえれば、簡単に作ることができますよ。
今回は、七夕の由来を伝えるペープサートについて、台本の作り方や演出を盛り上げるアイデアなどを紹介します。
七夕の由来を伝えるペープサートの作り方
ここでは、七夕のペープサートの作り方を、登場人物と台本に分けて見ていきましょう。
登場人物
キャラクター
ペープサートに欠かせない登場人物の作り方を紹介します。七夕のストーリーでは、以下を作りましょう。
- 織姫
- 彦星
- 神様
- 機織り機
- 牛
- 天の川
- カササギの橋
作り方
1.表面用の画用紙に、笑顔のキャラクターのイラストをかきます。
2.裏面用の画用紙に、悲しい顔をしているキャラクターのイラストをかきます。
3.余白を残して画用紙をカットします。
4.2枚の絵で割り箸を挟むようにしてのりづけすればできあがりです。
ポイント
織姫、彦星、牛は表に笑顔、裏に泣いている顔をかいて貼りあわせ、神様は表を笑顔、裏を怒っている顔にして作りましょう。
また、天の川はカササギの橋の有無で両面を作り、機織り機は表裏どちらも同じイラストにします。絵をかくのが苦手な場合は、保育教材などのイラストをコピーして簡単に作ってもよいですね。
台本
ストーリーの軸
七夕伝説のストーリーのポイントを以下にまとめました。この流れを軸として台本を作成してみましょう。
- 昔々、神様の娘で機織が上手な織姫と、牛飼いをしている彦星がいた
- 働いてばかりの織姫をかわいそうに思った神様が、織姫を彦星に会わせる
- 2人は恋に落ち、やがてめでたく結婚した
- しかし2人は遊んでばかりで、互いの仕事がおろそかになってしまう
- それに怒った神様は、天の川を隔てて2人を引き離す
- 2人は仕事に一生懸命打ち込むも、悲しみに暮れる毎日を過ごす
- 今度はそれをかわいそうに思った神様が、2人が一年に一度だけ会うことを許す
- 毎年7月7日だけ、2人は会えるように
- しかし7月7日は雨が降り天の川の水が増えてしまう
- そこにカササギという鳥が集まり、架け橋を作ってくれるおかげで2人は無事に会える
作り方のポイント
簡単でわかりやすいストーリーなので、乳児クラスの子どもでも楽しんでくれるかもしれません。
これらのポイントを軸として、途中にオリジナルの演出を取り入れたり、歌を歌ったりなどのアレンジを加えてみるのも面白そうですね。また、ストーリーとは別に、ナレーション用の台本も用意しておきましょう。
七夕のペープサートを盛り上げる演出アイデア
mamaza/shutterstock.com
七夕のペープサートの作り方をふまえ、ここでは子どもたちに参加してもらい、より出し物を盛り上げるためのアイデアを紹介します。
みんなで神様に「おねがい」と掛け声をする
神様が仕方ないから年に1回2人を会わせてあげようとなった場面でのポイントです。一旦神様に「いや、でもやっぱりやめようかな」と悩ませます。
そこで、織姫と彦星から子どもたちに神様を説得させるよう、協力を仰ぎましょう。
子どもが神様に「おねがい!」と説得すれば、頑固な神様が許して2人は会えるようになった、というストーリーにつなげます。
みんなで七夕の歌を歌ってカササギを呼ぶ
1年ぶりに織姫と彦星が会えるというところで、雨のせいで天の川が増水して渡れません。
そこでカササギたちが集まって橋を作ろうとしてくれますが、2人が渡るにはさらにカササギの数が必要…となったときに、みんなで七夕の代表曲を歌います。
子どもたちが歌を歌ったら、カササギがそれを聞いて集まり、無事に橋を作ることができたというストーリーにつなげてみましょう。
幼児クラスであれば、七夕の歌を知っている子も多いかもしれません。一方乳児クラスは歌ったことがない子もいるかも知れないので、前もって練習しておくとよさそうです。
このように、掛け声や歌で子どもたちが参加できるポイントを作ってみましょう。
子どもたちは、見るだけではなく参加することでよりお話に集中し、楽しめるかもしれません。簡単に取り入れられるので実践してみてくださいね。
七夕のペープサートで子どもを惹きつけるためのコツ
最後に、保育園で七夕のペープサートを披露する際、子どもたちを惹きつけるためのコツを紹介します。
登場人物によって声色を使い分ける
ペープサートは1人で何役も演じることが多いでしょう。
例えば織姫と神様を演じる場合、同じ声色をしているとどちらのキャラクターが話しているのかわかりづらくなってしまいます。
また、全体的にメリハリがなく子どもたちが飽きやすくなるかもしれないので、登場人物によって声のトーンやしゃべり方を工夫することが重要です。
人形の動かし方を工夫する
人形の動きが小さかったりゆっくりだったりすると、子どもたちが飽きやすくなってしまうかもしれません。そのため、動かし方を工夫するのも惹きつけるためのコツになります。
ペープサートを反転させるときは素早く行い、よろこびや悲しみ、怒りといった感情表現がある場合は大きく動かすなど、場面にあわせた動かし方を意識しましょう。
舞台やBGMを工夫する
小道具や効果音を適宜用いるのもポイントです。
例えば、小道具でハートを作って織姫と彦星が恋に落ちた場面で使ったり、織姫と彦星が七夕の日に会う場面で、天の川の出現を表すのに星を使ったりするとよいかもしれません。
また、よろこびや悲しみなど登場人物の感情に合わせて効果音やBGMを流せば、より子どもたちを七夕のストーリーに引き込むことができそうですね。
ペープサートを披露して、七夕をわかりやすく説明しよう
今回は、保育園で七夕の由来を伝えるのにぴったりなペープサートについて、台本の作り方や子どもを惹きつけるコツなどを紹介しました。
ペープサートは動きやセリフがあるため、子どもたちを引き込みやすい出し物の一つでしょう。
七夕のストーリーはシンプルでわかりやすく、登場人物もそこまで多くないので、乳児クラスの子どもでも楽しみやすいかもしれません。
掛け声をしたり歌を歌ったりと、物語の途中で子どもたちに参加してもらうだけで、簡単に出し物を盛り上げることができます。
今回紹介した台本にオリジナルのアレンジを加えて、子どもたちが楽しみながら七夕の由来を理解できるペープサートを作ってみてくださいね。