2歳児は、言葉や運動面などできることがどんどん増えていく時期です。しかしその反面、自己主張が強くなり、自分でやりたいという気持ちや何でも「イヤ」と言う姿にどう接していけば良いのか困る場面もあるでしょう。2歳児の担任として保育士が意識すべき点や、イヤイヤ期の対応の仕方を解説します。
2歳児クラスの注意点やかかわり方
保育士が2歳児クラスを担任することになったときの注意点
2歳になると、1歳のときに比べて食事や着替え、トイレなど自分でできることも増えます。言葉も2語、3語文からもっとおしゃべりができるようになり、会話のやりとりも楽しめます。一人ひとりの子どもの個性の違いも目立ってくる頃なので、子どもの自我を認めてかかわっていくことが大切です。
2歳児クラスの子どもとのかかわり方
・自分でやりたいという気持ちを大切に
着替えやご飯、靴を履くことなど、なんでも1人でやりたい気持ちが大きくなる時期です。まだ1人でやるのは難しいことも「やりたい」と主張してくる場面も増えてくるでしょう。1人でやると時間がかり、大人はつい手伝いたくなるかもしれませんが、「自分1人でやりたい!」という気持ちを大事にし、できる範囲でやらせましょう。
見ていて、手伝いが必要なところは手伝い、子どもが「自分でできた!」という達成感を感じられるようにかかわることが必要です。
・体を使った遊びを意識して取り入れる
2歳は、運動機能が大きく成長する年齢です。手先も器用になってきます。
走ったり、遊具を使っての遊びを積極的に取り入れることで、運動機能がより育っていくでしょう。
・子どもが見通しを持てるようにする
大人の言うことも少しずつ理解できるようになります。「まだ2歳で分からないから、おもちゃを片づけてしまおう」と大人が進んで動くのではなく、「おもちゃを片づけたら給食にしようね!」「支度が終わったら外で遊ぼうね」など子どもが見通しを持てるような声かけを心がけましょう。
2歳児クラスは保育士1人で6人の子どもを見る
厚生労働省の児童福祉施設最低基準で、1、2歳児は、「おおむね6人に対して1人の保育士が必要である」と定められています。
3歳になると、保育士1人で20人の子どもをみることになります。2歳は、保育士1人に対して6人の子どもなのは、それだけまだ援助も必要な年齢ということです。
担任になったら準備すること
友だち同士のトラブルについて
2歳児は、自己主張が強くなり、友だちとのぶつかりあいも増えます。自分の気持ちを上手く表現するのはまだ難しいため、友だちのおもちゃを勝手に取ってしまったり、友だちを叩いたり、噛んでしまうこともあります。
トラブルになったときは、お互いの気持ちを受け止めて、ときには保育士が代弁することが大切です。
おもちゃを使いたいときには「貸して」と言うことや、貸せたときには褒める、貸してもらったときには「ありがとう」を伝えることを忘れずに伝えたり、保育者自身が見本になって示し、コミュニケーションの取り方を学ぶ機会を逃さないようにしましょう。
先輩との連携
2歳児クラスは保育士1人で6人の子どもをみることになるため、複数で担任を持つことも考えられます。クラスを先輩と受け持つ場合もあります。
自分の担当の子どもを見つつも、不安なことや分からないことは、小さなことでも先輩に聞きながらクラス運営を進めていくことが大切です。
質問をするときには、「私はこうやって考えているのですが、この考え方で進めて良いでしょうか?」などと自分なりに考えがあることを加えて伝えることが大事です。
2歳児クラスの特徴や悩み
2歳の「イヤイヤ期」について
2歳は、「魔の2歳児」とも言われています。
大人の言うことに対してなんでも「イヤ」と言う「イヤイヤ期」は、1歳からでてきますが、2歳になるとより強くなります。しかし、1歳のときに比べて「なぜイヤなのか」理由もしっかりと出てきます。
「イヤイヤ期」の具体的な接し方
子どもが「イヤ」と言うとき、どのように接したら良いのか困りますよね。
具体的な対処法を紹介します。
・イヤな気持ちを受け止める
「まだ遊びたい!」「〇〇したくない!」などの子どもの「イヤ」という気持ちを、まずはきちんと受け止めることが大切です。「もっと遊びたいよね」「今は〇〇したくないんだね」と言葉で返していくと良いでしょう。
・気持ちを違う方向に切り替える
イヤなときは、何を言っても受け入れられなくなっている場合が多いので、気持ちをほかのことに切り替えることが必要です。
「まだ遊びたい!」「片づけたくない!」と言っているときに、片づけの話をしても前には進めません。「そろそろお腹すいたね。ご飯にしようか?」などと、気持ちをほかのことに切り替えられるようにかかわってみましょう。
まとめ
2歳児は、「イヤイヤ期」の対応が大変だと感じたり、接し方に難しさを感じる時期でしょう。しかし、そのような姿は、子どもの心が育っている証拠です。3歳につながる大きな一歩になるので、自我の芽生えを大事に受け止めて、子どもの声に向き合っていきましょう。