保育士は、子どもだけでなく、保護者とも毎日かかわります。なかには保育士にさまざまな要求をしてきて、苦手だと感じてしまう保護者がいるかもしれません。また、プライベートな質問をされたり対応に困る場合もあるかもしれません。保育士の保護者対応とLINEやFacebookなどのSNSを活用するときの注意点を解説します。
保護者対応について
-保護者対応の基本
保護者対応で大切なことは、「保護者の話を聞くこと」です。
子育てをしていると、子どもに対しての悩みや心配事は尽きません。
すぐにアドバイスをしようとせず、まずは保護者が何を聞きたいと思っているのか、何を求めているのかが分かるように、相手の話を聞くことが必要です。
-信頼関係の築き方
保護者の人と信頼関係を築くには、
挨拶をしっかりする
当たり前のことですが、朝に元気よく挨拶をして受け入れられると、保護者の方も気分が良くなります。
また、挨拶をしたときに「今日は寒いですね。お仕事、気をつけて行ってきてくださいね!」などのちょっとした一言をかけたり、積極的にコミュニケーションをとることが大切です。
子どもの姿や一日の様子をなるべく丁寧に伝える
先生が、「しっかりと自分の子を見てくれている」「把握してくれている」「かかわってくれている」ということが
分かると安心感にもつながります。
子どもとの信頼関係を築く
親は我が子の言葉を信じることが多いです。子どもが先生を大好きで信頼関係ができていると、保護者との関係も築きやすくなるでしょう。
子どもと信頼関係を築くには、いっしょにたくさん遊ぶことが大切です。
いっしょに遊んでくれると子どもは、「この先生は楽しいことをたくさん知っている」と思い、自然とついてきます。
一日にクラス全員の子どもと遊ぶ時間をつくるのは難しいと思いますが、まだ十分に信頼関係が築けていないと感じる子どもは、朝一で遊ぶ時間をつくるなど特に意識をして遊ぶ時間をつくることが大切です。
また、四六時中ずっとその子と一緒にいることだけが信頼関係につながるものでもありません。
時には離れたところから、見守っているよ、見ているよ、というメッセージを送ってあげることも、子どもとの愛着を深めるために大切なことです。
製作物など、目に見えるもので伝える
ほかに、折り紙や空き箱などいっしょにつくった製作物などを持ち帰らせると、
親も先生がかかわってくれていることが目に見えるもので実感しやすいです。
子どもと信頼関係を築くことが保護者との信頼関係を築くことに繋がっていきますよ。
2.モンスターペアレント
モンスターペアレントとは
学校や保育の現場において、保護者が自分の子どものことだけを考えて、保育現場や学校、先生に自己中心的で、理不尽な要求をする保護者のことを、モンスターペアレントと表現したりします。
ですが、実は保護者をモンスターペアレントにさせるもしないも、保育者次第だということはご存知ですか?
保護者をモンスターペアレントにさせない対応
保護者とのやりとりの中で、些細なことですれ違いが続くと、その保護者を「めんどくさい人だな」や「難しい人だな」と保育士が強く思い込んでしまい、モンスターペアレントだと感じてしまっていませんか。
同じような内容でも「この保護者は、いつもうるさい」と敏感に反応してしまい、保護者をモンスターペアレントにしてしまっている場合があり得ます。
もっと密に会話をしたり、コミュニケーションをとってみると、その保護者の良いところを見つけられて、「過剰に反応してしまっていたかもしれない」と、視点を見直すことができるかもしれません。
このように、保育者の考え方や対応の仕方が、保護者をモンスターペアレントにしてしまっている可能性もあるので、保護者一人ひとりともっとコミュニケーションをとってみてくださいね。
3.SNSを利用するときの注意
友だち同士のトラブルについて
今の時代、LINEですぐに連絡が取れたり、twitterやFacebookなどで友達や知り合いの近況を知ることができたり、
ほとんどの人がSNSを活用しているのではないでしょうか。
便利なSNSですが、保護者対応の上ではトラブルのもとになってしまうこともあるので、使い方には注意が必要です。
facebook使用時の注意点
保護者は自分が思っているよりも、先生のことが気になっていることを忘れないでください。
業務上で知ったことを「子どもの名前を出さなければ大丈夫」と軽い気持ちでつぶやいたり、
かわいい子どもの姿を思わず共有したくなってFacebookに子どもの写真をアップすることはやめましょう。
許可なく子どもの写真をSNS上に載せるのは個人情報の問題にもなります。
また、保育中に先生が携帯を使っていることに親は不信感を抱くでしょう。
LINE使用時の注意点
ID検索やふるふる機能、QRコードの読み取りなどですぐに連絡先を交換できるLINE。
保育士になると、保護者の方に連絡先を聞かれることもあるかもしれません。
それぞれの園で方針が変わってくると思いますが、基本的には保護者との連絡先の交換は控えましょう。
twitterなど
保護者がtwitterで先生のアカウントを検索している場合もあります。
Twitterは、ネット上に広く公開されているため、具体的なことをつぶやかなくても特定できてしまう可能性があります。
「本名は使っていないからつぶやいても大丈夫だろう」と思い込むのは危険です。
どこで誰に見られているか分からないと思い、危機意識を持つことが必要です。
自身の特定につながるような情報は発信しないようにし、仕事上のことは、特に気を遣いましょう。
一言のつぶやきが信用をなくすことに繋がるかもしれません。
twitterを使用する場足は、非公開設定にすることをおすすめします。
4.プライベートとの線引きを大事にしよう
プライベートなことを聞かれた場合の対処
保護者から、「先生は彼氏いるの?」「恋人は?」というようなプライベートな質問をされたときは、なるべく受け流すようにしましょう。
曖昧な返事をすると、さらに聞かれてしまう場合もあるので、「仕事中ですので」と仕事とプライベートの線引きをしっかりと示すことが大切です。
園によっては、お給料のことや住んでいる場所などプライベートな質問は、「園の決まりで答えられないことになってるんですよ」と返すように指導されているところもあるようですね。こうした切り返しも時には活用しましょう。
まとめ
保育士の仕事に保護者とのかかわりは必須です。
子どもがかわいく、その思いがときに過保護すぎるように感じてしまったり、大事な子どもを預けている保育園に理不尽な要求をしてくることもあるかもしれません。
一見、対応が難しい人をモンスターペアレントとして扱うのではなく、子どもとともに親も育てていくような関係を作っていく姿勢が大切です。