1歳児は、喃語(なんご)から一語文を話せるようになったり、運動機能も発達し、自我が芽生えて好奇心も旺盛になる時期です。行動範囲も広がり、保育士は目を離せない場面も増えるでしょう。1歳児クラスの担任になったときの子どもへのかかわりかたや、叱り方、1歳児ならではの「後追い」の対応の仕方を解説します。
(1)1歳児クラスの注意点や関わり方
保育士が1歳児クラスを担任することになったときの注意点
1歳児は、行動範囲が広がり、好奇心も旺盛になるので、目に入るさまざまなものに興味を持ち触ったり、口に入れようとします。
この時期は特に誤飲に注意が必要です。
運動機能が発達する一方、まだ不安定なところもあります。
興味があることに何でも挑戦しようとしますが、何が危険かが子ども自身に分かっていないため、ケガには十分に気をつけなければいけません。
子どもとのかかわり方
・もう一度やりたいという姿を大切にする
1歳児は、自分で挑戦したくてやってみようとしますが、できずに泣いたり、癇癪を起こすこともよくあります。
そのようなときは、保育士が手伝い、「できてうれしい!」「もう1度やってみよう!」と思えるように支え、
同じことでも繰り返し行う姿に丁寧に付き合うことが大切です。
・話すときはゆっくりと
1歳児は、たくさんおしゃべりする子と、そうでない子と言葉に差がある時期です。
保育士は、子どもが「おしゃべりが楽しい」と思えるように積極的に話しかけることが大切です。
話すときは、子どもの目を見て、ゆっくり話すように意識しましょう。
・挑戦することを応援しながら、マナーを伝える
食事は、自分で食べられる子がほとんどですが、スプーンとフォークの持ち方や使い分けなど、まだまだ保育士の援助が必要な年齢です。
自分でやろうとしている姿を応援しながら、マナーを教えていきましょう。
(2)1歳児クラスの人数について
1歳児クラスは通常保育士1人で6人の子どもを見る
・厚生労働省の児童福祉施設最低基準で、1歳児は「おおむね6人に対して1人の保育士が必要である」と定められています。
とはいえ、1歳児を1人で6人見ることは思っている以上に大変です。
そのため、園によっては、子ども4~5人に対して1人の保育士で見るようにするなど、余裕のある人員配置にしている場合もあるでしょう。
(厚生労働省 児童福祉施設最低基準 ”http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/pdf/tuuchi-04.pdf)
ひっかきや噛みつきにに注意
1歳児は、周囲の友だちの遊びが気になり、興味を持ちます。しかし、まだルールや協調性はないため、おもちゃの取り合いになったり、
貸してもらえないと噛んだり、ひっかいたりすることも多いです。
ケガにつながらないように目を離さずに見ることが必要です。
(3)担任になったら準備すること
保護者へのコミュニケーション
保護者は、自我の芽生え始めるこの時期の子どもの様子には神経を使っています。育児に戸惑うことも多くなるでしょう。
そこで、保育士が保育園での様子や、子どものできたことを具体的に伝えると安心できるでしょう。「うちの子は言葉がまだしゃべれない」など、発達について不安な点も出てきやすいので、保護者の心配事に寄り添い、共感することも忘れずに、信頼感を築いていくことも大切です。
ひっかきや噛みつきにに注意
1歳児は、周囲の友だちの遊びが気になり、興味を持ちます。しかし、まだルールや協調性はないため、おもちゃの取り合いになったり、貸してもらえないと噛んだり、ひっかいたりすることも多いです。ケガにつながらないように目を離さずに見ることが必要です。
(4)1歳児クラスの特徴や悩み
「後追い」の対処法について
・理由を伝えてから離れる
「向こうの部屋お掃除してくるね」など、子どもに声をかけてから離れるようにします。
・ほかに夢中になれるものを見つける
お絵かきやブロックなど子どもの好きなおもちゃで意識を違うことに向かせると「後追い」がなくなることもあります。
・やめさせずに後追いさせる
「後追い」があるのは、子どもが小さい頃の一時期です。やめさせようと思わず、後追いしたいだけさせてみましょう。
そのとき、怒らないようにし、台所など危険があるところへは配慮が必要です。
・じっくりかかわる時間をつくる
毎日は難しいかもしれませんが、「後追い」が激しい場合は、子どもとじっくりとかかわる時間をつくることが大事かもしれませんね。
叱り方について
1歳は、まだ良いことと悪いことの区別が分かっていないために困ったことをするときもありますよね。
1歳児に対して、どのように叱ったら良いかを解説します。
・困る理由を伝える
「飲み物をこぼすと洋服が濡れちゃうからダメだよ」「テーブルの上はご飯を食べるところだから座らないよ。落ちたら危ないよ」などしてはいけない理由と、
自分も困ることを伝えましょう。
・ジェスチャーをつける
言葉だけだとまだ理解が難しい子どももいます。
ジェスチャーをつけることでどんなことがダメなのかが理解できる場合もあります。
・繰り返し伝える
一度では分からず、やめることができないときもあるでしょう。
そんなときは、根気よく繰り返し何度でも伝えることが大事です。
まとめ
1歳児は、言葉も話すようになったり、行動範囲も広がります。
成長が大きくみられる時期ですが、「後追い」や噛みつきなどがでてきて、保育士の丁寧なかかわりが必要なときでもあります。
1歳児の特徴をよく理解し、困った姿も成長していく過程として捉えてかかわっていくことが大切でしょう。