人材不足の中、保育園での学生アルバイトの採用を検討する園もあるでしょう。保育士資格は未取得であるものの、保育補助として雇用すれば人材の確保や未来の保育士の育成につながりそうです。今回は保育園での学生アルバイトの採用について徹底解説します。保育補助として雇用するメリット・選考のコツをまとめました。
miya227/stock.adobe.com
■目次
保育園で学生アルバイトの採用を検討しよう
厚生労働省が発表した2022年7月の保育士の有効求人倍率は2.21倍。依然として高い水準で推移しており、人手不足の状態が続いています。
このような状況の中、正社員の採用が進まずに人材の確保に不安を抱く園もあるかもしれません。
また、早番や遅番パートを募集してもなかなか集まらず、シフト調整に苦労しているケースもありそうです。
その中で保育補助として「学生アルバイト」の方の採用を検討する施設もあるでしょう。
資格はなくとも保育学生さんや子どもが好きな方などを雇用すれば、人手不足の解消につながりそうです。
学生のアルバイトを採用するメリットや雇用に向けた注意点、選考のコツなどを把握して人材の確保に役立てていきましょう。
保育園で学生アルバイトを採用するメリット
maroke/stock.adobe.com
まずは保育補助に学生のアルバイトを採用するメリットについて詳しく紹介します。
人材の補充ができる
学生アルバイトを採用するメリットは、人手不足の状況を改善できる点でしょう。
慢性的に人材が不足する園では職員一人ひとりに過度な業務負担がかかってしまいます。その結果、退職者が相次ぎ、さらに人材が必要になる状態が続いてしまうケースもあるかもしれません。
特に戸外遊びや散歩などでは職員の目が多ければ多いほど、子どもたちの安全性の確保につながりそうです。
学生アルバイトを雇用すれば、人材配置に余裕ができて職員の負担軽減に役立つでしょう。
未来を担う保育士の育成に役立つ
アルバイトの方の中には養成校で資格取得を目指している保育学生さんもいるでしょう。また、アルバイトとして働いた結果、保育業界に興味を持つ方もいるかもしれません。
人手不足が深刻化する中、未来を担う保育士の雇用は重要でしょう。
また、学生時代から経験を積みたいと考える保育学生さんは仕事への想いが強く、働く意欲が高い方から応募が期待できそうです。
将来自園で働いてくれる人員になり得る
人材不足の中、新卒保育士さんからの応募が来ないケースもあるでしょう。保育学生さんをアルバイトとして雇用すれば、卒業後正社員として採用できるかもしれません。
保育学生さん自身も馴れ親しんだ場所で働くことで安心してキャリアを積むことができそうですね。将来自園の人員となる人材を早くから雇用することは、大きなメリットになるでしょう。
早朝や夕方の勤務を中心に雇える可能性がある
大学生の方は日中に学校へ通うことから、早朝や夕方の勤務を希望する方が多いでしょう。
その時間帯は人手が足りなくなる保育園もあるかもしれません。補充することで他の職員の負担を軽減できそうです。
雇用する際は以下の配置基準を守ったうえでシフト調整を行うことが大切です。
【国の配置基準】
- 0歳児:子ども3人に対して保育士1人
- 1~2歳児:子ども6人に対し保育士1人
- 3歳児:子ども20人に対し保育士1人
- 4歳児以上:子ども30人に対し保育士1人
自園の人材配置を確認して現場で手が足りていない時間帯を洗い出し、学生アルバイトの雇用を検討してみるとよいですね。
保育園で学生アルバイトを採用する注意点
siro46/stock.adobe.com
続いて保育園で学生のアルバイトを採用する注意点を紹介します。「期待した働きではなかった」「雇用した人物が雰囲気と合わなかった」などのミスマッチが起こらないよう、採用するうえで気をつけることをまとめました。
勤務日数や時間を確認する
まずは、履歴書や面接で勤務できる日数や時間帯をしっかり確認しましょう。
「週にどれくらい働けるのか」「勤務可能な時間帯」などを聞き、勤務条件のすり合わせを行うと、採用後のトラブルの防止に役立ちます。
応募連絡があった場合もまずは勤務できる日数や時間帯を聞き、こちらの希望条件に合った人材なのか確認するとよいでしょう。
学業との両立について話す
面接時には学生に対して「保育補助のアルバイトと学業の両立がしっかりできるのか」を尋ねておくことも大切です。
学生の方は授業やテスト勉強などでシフトに入れない時間帯もあるでしょう。
また、保育学生さんの場合は実習や研修に参加するケースもあるため、スケジュールの確認を行う必要がありそうです。
学校のスケジュールを把握してから面接に来てもらえるよう、あらかじめ声をかけておくとよいでしょう。
保育方針やルールを伝える
採用する際、園の保育方針やルールをしっかり伝えることも大切です。確認しやすいよう、冊子などを用意しておくとよいですね。
服装や髪型といった身だしなみから園の特色までさまざまな事柄を事前に伝えておけば、採用後に学生アルバイトの方も安心して業務を開始できるでしょう。
保育園での学生アルバイトの採用方法
garage38/stock.adobe.com
保育園での学生アルバイトの採用方法を紹介します。
求人広告に「学生歓迎」「無資格OK」の文言を盛り込む
学生の目に留まりやすいよう、求人広告には「学生歓迎」「無資格OK」といった文言を記載するとよさそうです。
また、「学業と両立しやすい」「週2日から勤務可」などと記入すれば、応募が集まりやすいかもしれません。
アプリやSNSを活用して募集する
学生の方はアプリやSNSで活用して求人募集をチェックする場合が多いでしょう。せっかく求人広告を記載してもターゲットとなる学生さんが見ていなければ応募は集まりません。
求人情報アプリやInstagram、Twitterなどを積極的に活用して求人情報が学生に届くように工夫しましょう。
また、保育の様子を写真で紹介したり、すでに働いている学生アルバイトのインタビューを載せたりすると園の雰囲気が伝わりやすいかもしれません。
保育士の養成校に紹介をお願いする
保育士の養成校では学生用の掲示板に保育施設の求人広告を掲示する学校もあるようです。
養成校に紹介をお願いすれば、興味のある学生からの応募が期待できます。まずは、募集できるか尋ねてみるとよいでしょう。
保育園で採用する学生アルバイトの選考のコツ
続いて保育園で学生アルバイトを雇用する際の選考のコツを紹介します。
言葉遣いや態度で誠実さを確認する
学生の中には敬語が上手く使えなかったり身だしなみが整っていなかったりする方もいるでしょう。
面接時や連絡を取り合う際には基本的なマナーが身についているのかしっかり判断することが大切です。
保護者への対応もふまえて「笑顔で接することができるか」「コミュニケーションを取れるか」などもチェックして園の職員として相応しい人材を採用しましょう。
保育活動に対する意欲を聞く
「子どもが好き」という理由で保育園で働きたいと考える方は多いでしょう。しかし、保育士の仕事は「子どもが好き」という気持ちだけでは務まりません。
保育園は命を預かり、子どもの育成を支える重要な仕事です。
保育に携わるうえで大切にしたいことや志望動機などを詳しく聞き、仕事に対する意欲を確認しましょう。
仕事内容への理解を確認する
中には保育の仕事に対して、「子どもと遊ぶだけ」というイメージを持っている学生の方もいるかもしれません。
子どもと遊ぶことも重要な仕事ですが、生活全般のサポートも大切になります。
食事や排泄の援助はもちろん、園児の忘れ物チェックや保護者への受け渡しなど、さまざまな業務があることをきちんと伝え、理解しているか確認しましょう。
また、泣いている子どもをあやしたりケンカを仲裁したりと保育スキルが必要になる場面も多いものです。
抱いているイメージとギャップがあれば、業務を開始してもすぐ辞めてしまう可能性があります。その点も含めて適した人材を採用しましょう。
保育園で学生アルバイトを採用して人材の確保に活用しよう
保育園で学生アルバイトの採用を考える中で資格がない方を雇用しても大丈夫なのかと、不安になる方もいるでしょう。
ただ、学生アルバイトを雇用すると人手不足の解消に役立つだけでなく、未来の保育士さんの育成につながります。
選考の際は、電話の応対や面接などで「基本的なマナーができているか」「保育方針への理解はあるか」などをきちんと確認して、雇うべきか判断するとよいかもしれません。
保育士バンク!では人材確保のためのお手伝いをさせていただいています。登録者の方の中から貴園に合った人材を紹介致します。
- 早番、遅番のパート人員が不足している
- 主任やリーダーの経験がある保育士さんを紹介してほしい
などさまざまなご要望をぜひお聞かせください。転職・就職フェアの参加、求人広告の記載などのご依頼もお待ちしています。