【5領域】言葉とは。ねらいと内容、遊びと援助の実践例

5領域の「言葉」を育むには、どのような遊びを展開すればよいのか、声かけや援助の仕方に戸惑う保育士さんもいるのではないでしょうか。「言葉」は子どもの伝え合う力を育むうえで大切となるようです。今回は、幼稚園教育要領をもとに5領域「言葉」のねらいと内容を解説します。また、保育で使える遊びの実践例と援助の方法もまとめました。


笑顔の子どもの写真

milatas/shutterstock.com

 

5領域「言葉」とは

保育を通して子どもに育ってほしい能力を5つの領域に分けて示した、5領域。

 

そのなかの「言葉」とは、どのようなものなのでしょうか。

 

ねらい

 

文部科学省「幼稚園教育要領」によると、5領域「言葉」のねらいについて以下のように示されています。

 

(1)自分の気持ちを言葉で表現する楽しさを味わう。
(2)人の言葉や話などをよく聞き、自分の経験したことや考えたことを話し、伝え合う喜びを味わう。
(3)日常生活に必要な言葉が分かるようになるとともに、絵本や物語などに親しみ、先生や友達と心を通わせる。

 

出典:幼稚園教育要領/文部科学省より抜粋

 

言葉で友だちや先生とやり取りする楽しさやよろこびを味わうことが大切となるようです。

 

保育士さんのお話や読み聞かせ、友だちとの会話などを通して、これらの3つのねらいがバランスよく満たされていくとよいですね。

 

また、ときどきこのねらいを振り返りながら「今の子どもたちに足りていない力はどれかな」と確認するようにするとよさそうです。

 

内容

 

内容とは、ねらいを達成するために、子どもにしてほしい経験や活動を示したものです。

 

5領域「言葉」の内容について、大きく3つに分類してみました。

 

幼稚園教育要領や保育所保育士指針でこのような分類がされているわけではありませんが、以下のように整理すると理解しやすいかもしれません。


5領域「言葉」のねらいと内容

子どもが思いを言葉にする楽しさを味わうことが、言葉で表現しようとする態度や相手の話を聞く態度につながったり、美しい言葉との出会いが、子どもの言葉に対する感覚を育んだりするようです。

 

こうして見ると、内容の多くは子どもが日常的に経験していることではないでしょうか。

 

保育士さんはこの内容を意識して援助することで、普段の保育から5領域「言葉」の育ちにつながりそうです。

 

出典:幼稚園教育要領/文部科学省

5領域「言葉」を育む遊びと援助の実践例

5領域「言葉」を育むには、どのような援助をしていくとよいでしょうか。

 

保育での活動の一場面から、保育士さんの援助を考えてみましょう。

 

乳児の遊び実践例:小麦粘土遊び

 

乳児(0歳児、1歳児、2歳児)での、小麦粘土遊びの援助を紹介します。

活動例


言葉を育む援助

五感を充分に働かせて遊ぶなかで、子どもはたくさんのことを感じるでしょう。

 

粘土にふれて感じたことを、保育士さんが汲み取って代弁していくとよいですね。

 

そうすることで子どもは「これはすべすべっていうんだな」といったように語彙を獲得していけるかもしれません。

年齢別の援助

0歳児や1歳児では、「ちぎちぎ」「こねこね」「まんまる」などのオノマトペを使い、言葉の響きを楽しみましょう。

 

1歳児後半から2歳児くらいになり、言葉での表現が活発になり始めた子どもは、「これ、おにぎり」などと作品を命名することもあるかもしれません。

 

保育士さんが「おいしそうなおにぎりだね」と受け止める声かけをしたり、子どもが見立てを楽しみながら粘土を遊べるよう、「先生はこねこねしてパンを焼こうっと」などと遊びを広げたりするのもよさそうです。

 

幼児の遊び実践例:ままごと遊び

 

幼児(3歳児、4歳児、5歳児)のままごと遊びでの援助を考えていきましょう。

活動例


言葉を育む援助

ままごと遊びは、役になりきることを通して日常のさまざまな挨拶や言葉遣い、オノマトペを楽しめる遊びの一つです。

 

保育士さんが遊びのモデルとなって言葉でやり取りを行ない、多様な言葉を楽しめるようにするとよさそうですね。

年齢別の援助

3歳児や4歳児ではやりたい遊びの相違から、言い合いになってしまうかもしれません。

 

気持ちを伝え合い、相手の言葉を聞けるように保育士さんが仲裁していくとよいですね。

 

5歳児ではイメージを共有し、協同して遊べるように、子ども同士のやり取りを保育士さんが支えましょう。

 

また、保育士さんが子どものやりたいことを整理すると同時に、それを実現するにはどうしたらよいかを子どもたちに投げかけるのがよいかもしれません。

5領域「言葉」を育む援助のポイント

絵本を読む子どもの写真

ziggy_marsshutterstock.com

 

5領域「言葉」を育むための、保育士さんの援助のポイントをまとめました。

 

子どもの気持ちを汲み取り、代弁する

 

まだ語彙が少ない子どもは、自分の気持ちを上手く表現できないかもしれません。

 

保育士さんが子どもの気持ちに寄り添い、共感したり代弁したりすることで、子どもは言葉を獲得していくでしょう。

 

そうして自分の気持ちが伝わるうれしさを味わうことで、「もっと言葉で伝えたい」という意欲につながっていくようです。

 

子ども同士の伝え合いを支える

 

友だち同士で、言葉でのやり取りを楽しめるように、保育士さんが仲立ちをしていくとよいでしょう。

 

例えば、「○○ちゃんはこう思ったんだって」と子どもの気持ちを代弁し、他児に伝えていくのも一つの方法です。

 

「遊びに入れてって言ってみようか」など、友だちとのやり取りを支える言葉を使えるように援助するのもよさそうですね。

 

豊かな言葉との出会いを作る

 

絵本や紙芝居、保育士さんの素話などを通して、さまざまな言葉や表現に親しむ機会を作るとよいでしょう。

 

絵本のなかで知った「どしゃぶり」という表現が最初はピンとこなくても、ある大雨の日に「これがどしゃぶりだ」とわかることもあるでしょう。

 

子どものなかに「言葉」という入れ物が作られると、後々の体験を通して、その言葉と意味がつながっていくかもしれません。

5領域「言葉」について理解して、保育に活かそう

今回は5領域「言葉」とは何か、主に幼稚園教育要領をもとに紹介しました。

 

5領域の「言葉」の領域では、表現すること、聞くこと、言葉に対する感性といった能力を育むためのねらいと内容が示されています。

 

保育中の遊びでは、0歳児や1歳児の場合、子どもの気持ちや気づきを代弁するとともに、オノマトペや簡単な言葉を使って表現する楽しさを味わえるような援助ができるとよいでしょう。

 

幼児の場合は、言葉を使って友だちと思いを伝え合う機会を作ることや、物語や子ども自身のイメージを通してさまざまな言葉を知って表現する経験が大切といえそうですね。

 

5領域「言葉」をしっかり理解して、保育に活かしていきましょう。

 

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