退職の挨拶を伝える際、手紙などにしたためてメッセージを送りたい保育士さんもいるかもしれません。お世話になったことへの感謝の気持ちなどをきちんと伝えて、円満に退職できるとよいですね。今回は、退職する保育士が送るメッセージの書き方や例文を、上司、同僚、保護者など相手ごとにわけて紹介します。
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■目次
退職する保育士はどんなメッセージを送るとよい?
退職することが決まったら、まずは職員さんや保護者の方、子どもたちへ退職する旨を報告することでしょう。
基本的に直接挨拶するのが望ましいですが、保育士さんの人数が多い園では一人ひとりにきちんと挨拶することができない場合もあるかもしれません。
また、保護者会など園に集まる機会がなければ、保護者の方全員に挨拶を伝えられないことも考えられます。
その際は、メールやお手紙、おたよりなどの方法で退職のメッセージを送るようにしましょう。
上司や同僚の保育士さんには、これまでのお礼はもちろんのこと、相手の健康や今後の活躍を祈る内容になっているとよさそうです。
また保護者の方には、子どもたちを預けてくれたことや保育園への協力に対するお礼、子どもたちを最後まで見送れないことへの謝罪などを盛り込むと、保護者の方の心に届く内容となりそうですね。
次からは、相手別の退職メッセージの送り方について紹介します。退職予定の保育士さんは書き方や伝え方などを確認してみましょう。
上司へ送る保育士の退職メッセージ
まずは、保育士さんが上司に送る退職メッセージの書き方や例文を紹介します。
メッセージの書き方
上司に対して送るメッセージには、以下の内容を盛り込むとよいでしょう。
- 業務の指導に対するお礼
- お世話になったエピソード
- 相手の健康や活躍の祈願
退職のメッセージで最も大切なのは、仕事上でお世話になったことに対するお礼の気持ちを記すことです。
そのうえで、上司との具体的な思い出やエピソードなどを持ち出し、「その節は大変お世話になりました」と一言添えれば、より感謝の気持ちが伝わるメッセージとなりそうです。
もし年度途中で退職した場合には、最後まで務めあげることができなかったことに対する謝罪もあわせるとより丁寧でしょう。
例文①
「〇〇さん(あるいは先生)、お疲れ様です。(氏名)です。
この度、〇月末で退職することとなり、本日が最終出勤日となりました。
本来であれば、直接ご挨拶をすべきところ、メールでのご挨拶にて失礼いたします。
〇〇さんには入社当初から教育係としてたくさんご指導いただき、多くのことを学ばせていただきました。
初めてクラス担任となったときに、私の些細な相談にも親身になって対応していただけたこと、心から感謝しております。
今後も、〇〇さんに教えていただいたことを活かして、励んでまいりたいと思います。
最後になりますが、皆様のさらなるご活躍を心よりお祈り申し上げます。
」
例文②
「〇〇さん(あるいは先生)。
この度、一身上の都合により本日をもちまして退職することとなりました。
本来ならば直接お会いしてご挨拶すべきところを、お手紙での挨拶にて失礼します。
この△△保育園に入社してからはや〇年ほどの月日が経ちましたが、さまざまなことを経験することができました。
入社して初めて行事責任者として臨んだ運動会は、〇〇さんが職員同士の調整役となってくださったからこそ、無事に終えることができたと思っています。
〇〇さんには、入社以来長らくお世話になりましたこと、改めて感謝申し上げます。
この園で学んだことを人生の糧として、今後も精進してまいります。
〇〇さんのご健勝とご活躍を心よりお祈り申し上げます。
(氏名)
」
同僚へ送る保育士の退職メッセージ
同僚の保育士さんに送る退職メッセージの書き方や例文を紹介します。
メッセージの書き方
同僚に宛てて送るメッセージには、以下の内容を盛り込むとよいでしょう。
- 業務のフォローに対するお礼
- いっしょに取り組んだ仕事のエピソード
- 簡単な今後の展望
同僚に送るメッセージの内容も、上司に送るものと大きく異なることはありません。
ただし、仲間として励まし合ってきたからこその思い出などを添えれば、心のこもったメッセージとなりそうです。
また、仲のよい同僚保育士さんにお手紙を渡す場合には、自身の展望についても軽くふれ、お互いに頑張りましょうといった形で締めくくるのもよいかもしれません。
例文①
「〇〇先生、お疲れ様です。(氏名)です。
この度、一身上の都合により本日付で退職することとなりました。
〇〇先生には、いつも業務をフォローしていただきましたこと、本当にありがとうございました。
書類作業では、ミスがないように細かいところまでしっかりと確認している姿を拝見し、たくさん学ばせていただくことがありました。
入社してから〇年間、〇〇先生の仕事に対するまっすぐな姿勢に刺激を受けていたとともに、とても尊敬していました。
この園で学んだことを活かし、今後も一生懸命励んでまいります。最後になりますが、皆様の益々のご活躍をお祈り申し上げます。
」
例文②
「〇〇先生。
この度、一身上の都合により本日をもって退職することとなりました。
〇〇先生とは同じ時期に入社し、互いに切磋琢磨して仕事に励むことができたこと、本当に嬉しく思っています。
おたよりを作るのが苦手な私に、作り方のコツや文章の書き方を教えてくれたこと、今でも忘れません。ありがとうございました。
いつも子どもたちと同じ視点に立って一人ひとりの気持ちに寄り添っていた〇〇先生の姿を間近で見ていて、見習うことがたくさんありました。
今後は保育の道から離れることになりますが、〇〇先生のように相手の立場に立って物事を考える姿勢を意識してこれからも精進していきたいと思います。
〇年間、本当にありがとうございました。
〇〇先生のより一層のご活躍を、心からお祈り申し上げます。
(氏名)
」
保護者へ送る保育士の退職メッセージ
保護者の方へ送る保育士の退職メッセージの書き方や例文を紹介します。
メッセージの書き方
保護者の方へ送るメッセージには、以下の内容を書くとよいでしょう。
- 子どもを預けてくれたことへのお礼
- 保育園に対する協力へのお礼
- 子どもたちを最後まで見送れないことへの謝罪
保護者の方へメッセージを送る場合、おたよりや連絡帳を使うことが多いかもしれません。
そのため、保護者の方や子どもたちに対するお礼の気持ちは簡潔にまとめるとよいでしょう。
書面の少ないスペースの中に、きちんと要点をおさえた内容を盛り込むことが大切です。
例文①
「保護者の皆様へ。
この度、〇月末をもちまして、家庭の事情により〇〇組担任の(氏名)が退職することとなりました。
保護者の皆様には、日頃よりこの△△保育園にご協力いただきましたこと、深く感謝申し上げます。
日々〇〇組の子どもたちとかかわるなかで、楽しいことやみんなで力を合わせることなど、たくさんの貴重な経験をさせていただけたこと、本当に嬉しく思います。
最後までお子様を見届けることができないこと、誠に申し訳ありません。
残りわずかな期間となりますが、職員全員で皆様とお子様をサポートしてまいりますので、何かございましたらお気軽にご相談ください。よろしくお願いいたします。
」
例文②
「誠に勝手ではございますが、この度〇月末をもって退職することとなりました。
日頃より、△△保育園にご協力頂きましたこと、感謝申し上げます。
□□組の担任として子どもたちの笑顔にふれることができたこと、心より嬉しく思います。
〇〇ちゃんが保育園で元気に話しかけてくれたことは、日々私の励みとなっていました。
いつの間にかどんどんおねえさんになっていく〇〇ちゃんの成長を実感している今日この頃です。
至らない点もあったかとは思いますが、温かく見守っていただきありがとうございました。本日まで大変お世話になりました。
」
保育士の退職メッセージの書き方を押さえて、しっかりと感謝を伝えよう
今回は、保育士の退職メッセージの書き方や、上司、同僚、保護者に送る例文を紹介しました。
退職する保育士さんの挨拶は、できる限り口頭で伝えるのが望ましいでしょう。
しかしタイミングがない場合や、改めて感謝の気持ちを伝えたいときには、メールや手紙などを送ることが大切です。
上司や同僚などに送る退職メッセージには、これまでのお礼や相手との具体的なエピソードなどを盛り込むと、相手の心に届くものとなりそうです。
また、保護者の方に向けて送る場合は、行事やイベントへの参加・協力などのお礼や、子どもたちを預けてくれたことへの感謝を綴ると、丁寧なメッセージとなるかもしれません。
退職メッセージを書くときのポイントを押さえて、お世話になった方々にしっかりと感謝の気持ちを伝えられるとよいですね。