保育園の進級式をどのような内容で進めるのか知りたい保育士さんもいるでしょう。ねらいや流れを知り、子ども自身が成長をよろこべるような行事にしたいですね。今回は、保育園で行う進級式について、保護者への挨拶の言葉や歌などの出し物のアイデアを紹介します。また、援助のポイントについてもまとめました。
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■目次
保育園で進級式を行うねらい
保育園で行う進級式は、園児が1つ上の学年にあがることを祝う行事です。
年度始めとなる4月に開催するという園も多いかもしれません。
保育園で行う進級式には、以下のようなねらいがあるでしょう。
- 進級したことを友だちと共によろこぶ
- 新たなクラスで始まる園生活に期待感を持つ
入園式と同時に開催したり、全体的な進級式を行わずクラスごとに進級のお祝いをしたりと、保育園によってやり方はさまざまなようです。
どのようなスタイルでも、新しい環境のなかで子どもが自分の成長をよろこべる機会となるとよいですね。
保育園で進級式を行う際に準備すること
まずは、進級式に向けて事前に準備することを見ていきましょう。
流れを決める
進級式をどのように進めるとよいのか、プログラムの流れを考えましょう。
また、当日の子どもや保護者の動きを想定し、注意するべきことや用意するものをまとめ、保育士さん同士で共有するとよいかもしれません。
出し物を用意する
どの年齢の子どもでも楽しめるような出し物を用意しましょう。
小道具の製作などが必要であれば早めに準備をし、当日に向けて練習する日程も決めて
おくとよいですね。
園内を整える
年度始めを気持ちよく迎えるために、園内清掃は普段手の届かないようなところまで行うとよいでしょう。
また、桜などの春らしいモチーフで壁面装飾をすれば、子どもだけでなく保護者も進級のよろこびを感じられるかもしれませんね。
保護者へ連絡する
保育園によっては、進級式に保護者が参加することもあるかもしれません。
おたよりなどで日程を早めに知らせるなどして、保護者が予定を立てられるよう配慮をするとよいでしょう。
保護者が参加しない場合には、進級式の様子を写真などで伝えれば、よろこんでもらえるかもしれませんね。
進級式当日に向けたこれらの準備は、年度末までに済ませておくとよいでしょう。
特に3月は忙しくなる時期なので、保育士さん同士で協力し合い、余裕をもって準備を進めることが大切になります。
保育園で行う進級式の流れ
次は、進級式当日の一般的な流れと、項目ごとのくわしい内容を紹介します。
1.園長先生からの挨拶
子どもが集まったら、園長先生の挨拶でスタートします。
新たなクラスで落ち着かない子どももいるかもしれないので、話は端的にまとめるとよいでしょう。
2.職員紹介
担任の保育士さんや主任保育士さん、事務員さんなど、職員が一人ひとり簡単に自己紹介をしていきます。
どのようなことを話すとよいのか、事前に言葉を考えておくとよいかもしれません。
3.新入園児の紹介
「これから仲良くいっしょに遊びましょう。」という言葉を添えて、新入園児を紹介します。
保護者同伴の場合は、新入園児を抱いて前に出てもらうとスムーズでしょう。
在園児にとっては、お兄さんやお姉さんになったという自覚が芽生える場面となるかもしれませんね。
4.進級児の紹介
「〇〇クラスのお友だちはどこですか?」などと問いかけ、新たなクラス名に子どもが馴染めるように配慮しましょう。
進級児の人数によっては、担任の保育士さんが一人ひとりの名前を呼んで紹介をしてもよいですね。
4.5歳児からの出し物
5歳児クラスの子どもは、出し物を披露することでより最年長児となった意識が高まるかもしれません。
前年度のお別れ会で卒園児へ向けて披露した出し物があれば、進級式に活用するのもよいですね。
子どもたちが無理なく楽しく発表できる内容にしましょう。
5.保育士からの出し物
新年度を迎え緊張している子どもたちの気持ちが和らぐよう、人気のキャラクターを登場させるなど、どの学年の子が見ても楽しめる出し物を用意しましょう。
保護者の方が参列している場合は、保護者もいっしょに楽しめることを考慮して、保育園のよい雰囲気を伝えられるよう明るい笑顔で披露できるとよいですね。
保育園の進級式で活用できる出し物のアイデア
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子どもたちが見て楽しめる進級式の出し物のアイデアをまとめました。
5歳児からの出し物
歌・合奏
歌を歌う場合は、子どもたちが好きなアニメの曲などを披露するとよいでしょう。
手作りの楽器などを活用して、全園児がいっしょに合奏しても楽しそうですね。
ダンス
子どもに人気の歌にダンスをつけて披露しましょう。
0歳児でも体を動かせるような選曲にすると、みんなで踊って盛り上がれそうですね。
保育士からの出し物
シアター
パネルシアターやペープサートなど、視覚的に楽しめるようなシアターを手作りしましょう。
製作と練習に充てる時間を早めに確保し、余裕をもって準備できるとよいですね。
マジックショー
簡単な仕掛けの楽しいマジックを披露して、子どもをびっくりさせましょう。
練習をしっかり行い、タネがばれないようにしたいですね。
以下の動画を参考に、子どもが喜ぶ出し物の内容を考えてみてくださいね。
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保育園の進級式で行う保育士の挨拶
進級式では、保育士さんから子どもや保護者へ挨拶をする場面があるでしょう。
ここでは、挨拶の際に活用できる例文を紹介します。
子どもへ向けた挨拶の例文
進級おめでとう。〇〇クラスのときより、ひとつ大きくなりましたね。
これからは、〇〇クラスや〇〇クラスのお友だちが困っていたら、みんなで助けてあげましょう。
進級した子どもたちが、下の学年の子に対して思いやりの気持ちを持てるようなメッセージを伝えられるとよいでしょう。
保護者へ向けた挨拶の例文
この度はお子様のご進級おめでとうございます。
〇〇クラスの担任△△と申します。
この1年、子どもの健やかな成長をいっしょに見守りながら、毎日楽しく過ごしたいと思っています。
なにか気になることなどあれば、いつでも気軽に声をかけてください。
親しみやすい雰囲気を感じてもらえるようにゆっくり丁寧に話すことを心掛け、笑顔で挨拶をしましょう。
保育園で進級式を行う際のポイント
進級式の際に保育士さんが配慮・援助するべきことをまとめました。
保護者が不参加の子どもに気を配る
保護者参加型の進級式であっても、仕事の都合などで欠席となるケースもあるでしょう。
保護者不在の子どもは、進級式でさみしい気持ちになるかもしれません。
保育士さんが可能な限りそばに寄り添うなどして、子どもの不安な気持ちを和らげるようにしましょう。
控室を設ける
進級式を行う会場とは別に、控室を設けるとよいかもしれません。
控室は、子どもが泣いたときに落ち着かせたり、乳児連れの親子が遊びながら待機したりする際に活用できそうです。
保育園で子どもの成長を感じられるような進級式を行おう
今回は、保育園で行う進級式について、事前準備や当日の流れ、保育士さんが配慮する点についてまとめました。
進級式を開催するねらいを踏まえつつ、保育士さんが必要な援助を行いながら、子どもたちがひとつ大きくなった自覚をもてるような行事になるとよいでしょう。
新たな環境でドキドキしている子どもや保護者の気持ちを和らげるために、保育士さんがシアターやマジックショーなどの出し物を披露すると場が和みそうですね。
年度末は、卒園式や入園式などの大切な行事が続く時期なので、進級式に向けてどのように備えるとよいのか戸惑うかもしれません。
余裕を持って準備を進め、子どもの成長をみんなでよろこべるような式を実施できるとよいですね。