保育士試験の実技について「音楽」「造形」「言語」のどれを選ぶべきか迷うこともありますよね。試験に合格するためには2つの分野で合計で60点以上取らなければなりません。練習が上手くいかず「別の分野にすればよかった…」と後悔しないよう、今回は選び方のポイントや各分野の必勝法をわかりやすく解説します。

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■目次
保育士試験の実技科目の合格率は8割!どの分野を選ぶべき?
保育士試験の場合は9科目の筆記試験を受験し、合格できればいよいよ実技試験。
実技試験と聞くと「ピアノを弾く」ことを連想する方も多いよう。
確かに保育士さんはピアノを弾く機会が多いケースもありますが、製作活動や読み聞かせなど幅広いスキルが求められます。
保育士試験の実技試験の内容も「音楽」「造形」「言語」の3種類あり、その中から2つ選んで受験します。
1分野につき50点満点中30点以上得点し、2分野で合計60点以上得点すれば合格です。
例年の実技試験の合格率は8割程度!
ピアノが苦手だからといって保育士試験に合格できないというわけではないので、その点は気にせずにチャレンジしましょう。
保育士試験の実技科目の内容
まずは2023年の保育士試験の実技内容をチェックしていきましょう。
音楽
音楽科目では、「ピアノ」「アコーディオン」「ギター」の3種類から1つの楽器を選び、子どもに向けた演奏を想定して2つの課題曲の弾き歌いをします。
<2023年前期の課題曲>
- 「幸せなら手をたたこう」(作詞:木村利人 アメリカ民謡)
- 「やぎさんゆうびん」(作詞:まど・みちお 作曲:團伊玖磨)
保育士にとって必要な歌や伴奏の技術、リズムなどの総合的な表現が求められます。
造形
造形科目では、試験の当日に問題文が提示されます。
出題された問題に対して鉛筆や色鉛筆を使い、保育の一場面の情景がわかるようにA4判サイズの用紙に描きます。
試験の制限時間は45分間です。
この科目では、当日示された問題文の条件を満たしたうえで保育の状況を描く必要があります。情景や人物の描写などを含めた造形表現が求められます。
言語
自分の目の前に15人程度の子どもがいることをイメージして、3分間お話をします。
<2023年の課題>
以下の4つのお話のうち1つを選びます。
1.「ももたろう」(日本の昔話)
2.「3匹のこぶた」(イギリスの昔話)
3.「おおきなかぶ」(ロシアの昔話)
4.「3びきのやぎのがらがらどん」(ノルウェーの昔話)
保育士として必要な基本的な声の出し方や表現力、子どもに対する話し方の技術などが求められます。
どれがいい?保育士試験の実技科目を選ぶときのポイント
保育士試験の実技科目はどれがいいか、迷う方も多いでしょう。
続いて選ぶときのポイントをまとめました。
一通り実践してみてから決める
まずは、「音楽」「造形」「言語」を一通り練習してみましょう。
「歌が上手に歌えないな」「久しぶりに色鉛筆を使ってみたら絵が描きやすかった」など自分の得意・不得意が見えてくることもあるでしょう。
特に音楽科目は楽器を演奏するため、音漏れなども考えたうえで練習場所を確保しなければなりません。そういった練習環境も考慮して、受験科目を決められるとよいですね。
科目別に必要な能力を考える
科目別に必要な能力を把握して選ぶ方法もあります。
<各分野に必要な能力>
音楽:歌をうたいながらピアノ弾く技術
造形:制限時間45分間の間に保育のシーンを描くスキル
言語:3分間の中でストーリーをまとめ、スラスラと話す記憶力や表現力
音楽と言語は事前に課題がわかるものの、造形は課題の詳細は当日になってみないとわかりません。対応力も求められるため、その点も考慮して選ぶとよさそうです。
自分の得意・不得意で選ぶ
絵を書くのが得意であれば「造形」、ピアノが得意であれば「音楽」といった得意科目を選択する方法もあります。あらすじをまとめるのが上手な方は、言語を選ぶのもよいですね。今までの経験を活かしながら、自信を持って受験できそうなものを考えてみましょう。
友人や家族にアドバイスを求める
自分でなかなか決められない場合は、友人や家族に相談すると、自身の人柄や性格を考慮してアドバイスがもらえるかもしれません。「歌をうたっているときが楽しそうだよ」「普段から話すのが上手だから、『言語』科目がよいかもね」など、客観的な意見を聞くことができれば、選びやすくなりそうです。
保育士試験の実技の日程は?いつまでに分野を選べばいい?
2023年度の試験日程は以下の通りです。
前期
- 筆記試験:2023年4月22日(土)、23日(日)
- 実技試験:2023年7月2日(日)
後期
- 筆記試験:2023年10月21日(土)、22日(日)
- 実技試験:2023年12月10日(日)
筆記試験合格後に実技試験の申請が必要になります。実技試験の手続き前に科目を決めましょう。受験申請後の試験分野の変更はできません。
迷っていると練習時間が少なくなってしまうため、筆記試験後すぐに実技試験分野の選択をするとよさそうです。
保育士試験の実技科目別の必勝法

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保育士試験で挑戦する実技科目が決まったら、合格を目指して対策を立てていきましょう。
最後に科目別の対策方法を紹介します。
音楽
音楽科目では弾き歌いを披露します。
試験対策はこちら。
✅自分が弾き歌いしやすい楽譜を使用する
✅声の大きさや震えに気をつけて歌う
✅腹式呼吸を意識して練習する
✅人前で歌うことに慣れておく
✅表情がこわばらないよう、笑顔を心がける
動画を撮ったり、第三者に見てもらったりしながら見え方や聴こえ方を確認することも大切ですね。
造形
造形科目では当日発表される課題にあわせて絵を描きます。
試験対策はこちら。
✅構図→下書き→枠線→色塗り…など大まかな作業手順を決める
✅45分間の中で時間配分を決めておく
✅表情豊かな人物像を描く(保育士・子ども)
✅色の濃淡を意識して塗る
過去問などを参考にして繰り返し練習することが重要になります。
あらかじめ自身の中で登場人物のキャラクターを決めて、それぞれの性格にあわせた人物像や情景を描く練習をしておくとよさそうです。当日に提示された条件にキャラクターを入れ込めば、描きやすいかもしれません。
言語
言語科目は3歳児の子どもが目の前にいることを想定して物語を伝えます。
試験対策はこちら。
✅3歳児の言葉の理解度を考慮したうえでストーリを原稿用紙にまとめる
✅3分間の中であらすじを伝える
✅子どもを惹きつける工夫をする(表情や身振り、手ぶり、言葉の抑揚など)
練習風景を撮影して「もう少しゆっくり話すほうがいいな」「ここはもっと大袈裟に手を振ったほうがいいかな」など、チェックするとよさそうです。
緊張することを想定して自信が持てるまで練習を繰り返すことが大切ですね。
どれがいいか実技科目の選ぶポイントを把握して保育士試験に臨もう
実技科目は、「音楽」「造形」「言語」と3種類ありますがどの試験もこれから保育士として働くうえで重要な内容です。
どれがいいか自分に合った試験分野を選び、合格に向けて練習しましょう。
また、実技試験を突破すれば、念願の保育士資格の取得ができます!
早めに求人状況などをリサーチして、働いてみたい職場をピックアップしておくとよいですね。
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