子どもたちと指先を使った遊びをしたいと考える保育士さんもいるのではないでしょうか。ボタンや洗濯バサミを使ったり、紐通ししたりとさまざまなアイデアがありそうですね。今回は、乳児クラスと幼児クラス別に、指先を使った遊びのアイデアと保育のねらいについて紹介します。あわせて取り入れるときのポイントもまとめました。
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■目次
保育園で楽しめる指先を使った遊びとは
子どもたちが楽しる指先を使った遊びとは、紐通しをしたり、ボタンをはめたり外したりする遊びのことです。
園生活のなかでは、お箸を使ったり、小さなものをつまんだりといった指先を使う動作が多くありますよね
指先を使うことで、子どもの集中力が身につくほか、運動面や言語面などについてもよい効果があると言われているようです。
保育園では、室内遊びのひとつとして指先を使った遊びを取り入れることが多く、以下のようなねらいが挙げられます。
【乳児クラス】
- 保育士といっしょにシール貼りや紐通しなどの遊びを通して、指先の使い方を知る
- コマ回しや新聞紙など、子どもが興味のあるもので遊び、指先を動かして遊ぶことを楽しむ
【幼児クラス】
- おもちゃを作ったり遊んだりしながら、指先で製作をすることを楽しむ
- 友だちや保育士といっしょに折り紙や製作遊びなどをして、指先の使い方の違いに気づく
乳児クラスや幼児クラス、それぞれの年齢に合った遊びのアイデアがわかると保育園で取り入れられそうですね。
今回は、指先を使った遊びのアイデアを乳児クラスと幼児クラスに分けて紹介します。
【乳児クラス向け】指先を使った遊びのアイデア
まずは、乳児クラス向けの指先を使った遊びのアイデアを紹介します。
紐通しをする
乳児クラスの子どもたちが楽しめる紐通しの作り方を見ていきましょう。
用意するもの
- トイレットペーパーの芯 1本
- ひも 1本
- マスキングテープ
- ハサミ
- 穴あけパンチ
製作するときのポイント
簡単に作れるため、子どもたちの人数分作ってもよいでしょう。
マスキングテープを二重、三重に巻くと強度が高くなり、壊れにくくなるかもしれません。
子どもたちがよろこぶようなキャラクターや動物がデザインしてあるマスキングテープで作ると、遊ぶときも楽しめそうですね。(詳しい説明はこちら)
新聞紙を破る・丸める
新聞紙で遊んでみましょう。
0歳児、1歳児
0歳児さんの場合は新聞紙を握って丸めてみましょう。保育士さんは、子どもが新聞紙を口に入れないように、遊んでいる間は目を離さないようにしましょう。
1歳児さんの場合は、新聞紙を破いたり、丸めたりして楽しんでみましょう。少しずつ破る子や大胆に思いっきり破ってみる子もいそうですね。
保育士さんは遊んでいる様子を見つつ、「今度は新聞紙をちいさくしてみようか」と声をかけて丸めて遊ぶのもよいかもしれません。
2歳児
2歳児さんの場合は、新聞紙を破いたり、丸めたりしたもので製作するとよいかもしれません。
新聞紙をたくさん破ったものをビニール袋に入れればボールが作れそうです。丸めた新聞紙をテープで留めてもボールができますよ。
ボタンをとめたり、外したりする
おもちゃについているボタンを留めたり外したりして遊びましょう。
まだ指先をうまく使えず難しいと感じる子もいるため、「ここをこうするとできるよ」とアドバイスをするとやり方がわかり、留めたり外したりを繰り返して遊べそうです。
ボタンが取れないようになっていますが、口に入れないように遊んでいる間は目を離さず見守るようにするとよいですね。
シール貼りをする
シール貼りをして遊びましょう。
0歳児の場合は、シールを台紙から保育士さんが剥がして、子どもは貼るだけという状態にしてみましょう。
台紙からはがしたシールを持っているだけで、指に貼り付いてしまうこともあるため、近くに台紙を用意してすぐに貼れるようにするとよいかもしれません。
1歳児や2歳児の場合は、自分で台紙から剥がして、好きな場所へ貼って遊べそうです。
B5サイズくらいの大きさの画用紙で台紙を用意したり、魚の形に切っておいたりすると指先を遣いながらスムーズに貼ることができそうですね。
小麦粉粘土で遊ぶ
小麦粉粘土で遊ぶと、指先で丸めたりつぶしたり引っ張ったりして遊ぶなどができそうです。
まだ形を作るのは難しいかもしれませんが、保育士さんも動物や食べ物などをいっしょに作りながら楽しめそうですね。
普通の粘土は、口に入れてしまうとのどに詰まるなどの危険が起こる可能性がありますが、小麦粉粘土に代用すれば、口に入れても安心なため、0歳児の赤ちゃんから遊べるでしょう。
ただし、使用前に必ずアレルギーの有無を確認することが大切です。
のりづけをする
製作でのりづけをしてみましょう。0歳児の子どもは難しい場合もあるかもしないので、月齢の高い子が挑戦してもよいかもしれません。
その際は、保育士さんと1対1で行うとよいですね。
1歳児や2歳児の場合は、「お母さん指どれかな?」と声をかけ、「この指出してね」とわかりやすいように見本を見せるとよいでしょう。
のりを指に付けるのを嫌がってしまう子もいるかもしれないので、他の子どもたちの姿を見てできそうなら行い、できない場合は保育士さんが代わりに行うなどの対応をすることが大切です。
また、手拭きタオルを用意し、すぐに拭けるようにしておきましょう。
なぐりがきをする
A4サイズの画用紙を用意して、クレヨンでなぐりがきをして楽しみましょう。
0歳児はじょうずにクレヨンが持てないこともあるため、保育士さんがいっしょに持って遊べるようにするとよいですね。
1歳児や2歳児の子どもの場合は、「鉄砲を撃つときのような指の形にして持つんだよ」と見本を見せながら声かけをしましょう。
何度も持ち方を直したり、声をかけたりすると楽しくかけなくなってしまうので、子どもたちの様子を見ながら進めることが大切です。
コマで遊ぶ
乳児クラスの子どもたちが指先を使って楽しめる、コマを手作りしてみましょう。
用意するもの
- 牛乳パック
- クレヨンやマジック
- マスキングテープ
- ペットボトルのキャップ
- ボンド
作るときのポイント
牛乳を開く工程は、保育士さんが事前に行っておきましょう。
ペットボトルのキャップが取れないようにテープで固定したり、接着剤をつけたりするとよいですねしょう。
その際、しっかり乾いたことを確認してから遊ぶと、キャップが取れることなく遊べそうです。 (詳しい説明はこちら)
【幼児クラス向け】指先を使った遊び
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次にに幼児クラス向けの指先を使った遊びを紹介します。
紐通しをする
紐通しを手作りしてみましょう。
乳児クラスとは違い、指先をじょうずに動かせる子どもも出てくる頃なので、紐の太さを変えたり、通す穴を増やしたりして作ってみてくださいね。
用意するもの
- 画用紙(黄色、緑、赤)
- 毛糸(赤)
- 穴あけパンチ
- ハサミ
- のり
作るときのポイント
今回はホットドックで作りましたが、ソースやマヨネーズをかけるお好み焼きとたこ焼きを題材にしてもよいでしょう。
3歳児の場合は、事前に具材を用意しておき、パンをハサミで切る工程とのり付けする工程を行うとよさそうです。
4歳児の場合は、画用紙を切る線を描いておくとカットする工程ができるので製作が進めやすいでしょう。
5歳児の場合、見本を各テーブルに作っておくと、子どもがそれを見ながら製作できそうです。2日ぐらいに分けて進められると集中して作れそうですね。 (詳しい説明はこちら)
的あてゲームをする
指先を遣いながら、幼児クラスの子どもたちが楽しめる的あてゲームを作りましょう。
用意するもの
- 割りばし 2本
- 洗濯バサミ 1個
- ペットボトルのキャップ 1個
- 輪ゴム 1本
- 牛乳パック 1枚
- テープ
- カッター
- ハサミ
- ピンポン玉
作るときのポイント
割りばしは、製作途中に子どもが遊んで他の子どもの体や顔に当たってしまといった危険があるため、「配った割りばしは置いておこうね」と声をかけましょう。
3歳児は、洗濯バサミと割りばしを固定するのが難しい場合もあるため保育士さんが個別に対応するとよいですね。
4歳児や5歳児の子どもたちは、自分で考えて作ってもらい、わからない子や作り方に不安がある子がいたときに保育士さんが援助をしたり、アドバイスをしたりするとよいかもしれません。(詳しい説明はこちら)
折り紙を折る
指先を使った遊びとして折り紙を作りましょう。
指先を使って折ったり、曲げたり、広げたりなどの工程があるため指先を使う練習になりそうです。
ハンドスピナー
作った後たくさん遊べるハンドスピナーを折ってみましょう。
<用意するもの>
- 折り紙
- 段ボール
- 綿棒
- はさみ
- きり
- セロハンテープ
- 接着剤
<作るときのポイント>
作る前に子どもたちに好きな色の折り紙を選んでもらいましょう。
段ボールは厚みがあり切りにくいので、事前に保育士さんが行っておくとよいかもしれません。
キリで穴をあける際は、手裏剣ができあがった子から持ってきてもらい、一人ずつ順番に行うとようにしましょう。(詳しい説明はこちら)
トウモロコシを折る
夏にぴったりのトウモロコシを折ってみましょう。
<用意するもの>
- 折り紙
- ペン
<作るときのポイント>
3歳児には、折り方を丁寧に説明しながら製作を進めましょう。折り方がわからない子がいた場合、鉛筆で折る線を書くと製作を進めやすくなりそうです。
4歳児や5歳児の場合、1回作ってみると折り方を理解する子も出てくるので、複数個作ってよいことを伝えましょう。
できあがったら壁面飾りにすると、夏らしいトウモロコシ畑ができそうですね。
(詳しい説明はこちら)
お箸を使った遊びをする
保育園によっては、お箸と小さいまめなどを用意している場合があるでしょう。食事中だけでなく、遊んでいるときもお箸を使うことで、箸の正しい使い方や指先の使い方がじょうずになりそうですね。
ボタンはめをする
3歳児頃は、ボタンをはめるのができる子もいれば、できない子もいるかもしれません。ボタンはめは、ボタン付きの洋服を着るとき指先をじょうずに使ってボタンを閉めたり外したりする必要があるので、遊びを通して自然にできるようになるとよいですね。できない子には、保育士さんが「こうだよ」と見本を見せたり、子ども同士で教えったりしてもよさそうです。
指先を使った遊びを取り入れるときのポイント
最後に指先を使った遊びを保育に取り入れるときのポイントを紹介します。
年齢に合わせた題材にする
年齢に合わせた題材や、アイデアにしましょう。
簡単すぎたり難しすぎたりしても子どもたちが楽しめないこともあるないので、子どもたちが興味や関心があるものにすると楽しめそうですね。
説明する際は子どもたちがわかりやすいように工夫する
子どもたちに説明する際は、わかりやすいように工夫をしましょう。
保育士さんは実際に見本を見せながらやり方を説明するとよいかもしれません。説明するときは大きい実物をを用意ができたら、子どもたちが見やすくなりそうですね。
指先を使った遊びや製作を取り入れて子どもといっしょに楽しもう
今回は、保育園で取り入れられる指先を使った遊びを紹介しました。
保育で指先を使った遊びをするのには、コマ回しや新聞紙などの遊びを通して使い指先の使い方を知ることや、遊びのなかで指先の使い方の違いを気づくといったことがねらいとして挙げられているようです。
取り入れるときは、年齢に合わせた題材にし、子どもたちがスムーズに取り掛かれるような説明をすることが大切になります。
今回の記事を参考にしながら、指先を使った遊びのアイデアを知って、日々の保育に役立ててみてくださいね。