どんぐりや落ち葉などを使った、季節ならではの遊びを知りたい保育士さんもいるでしょう。秋のお散歩で子どもたちといっしょに拾ったどんぐりで、手作りの遊び道具のバリエーションを増やしたい方もいるかもしれません。今回はどんぐりを使ったおもちゃの工作アイデアや、1歳から楽しめるゲーム遊びの例を紹介します。
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秋を感じられるどんぐり遊びのねらい
秋になるとお散歩などの時間に子どもとどんぐりを拾って遊ぶ機会もあるでしょう。
日々の保育の中でどんぐりや落ち葉など、季節に応じた遊び道具の作り方や、1歳の乳児でもできる保育遊びのアイデアを探している保育士さんもいるかもしれません。
秋に楽しめるどんぐりを使った遊びには、以下のねらいが挙げられます。
- 秋の自然の植物に触れることで、季節感を感じる
- 自分で拾ったどんぐりの使い方や遊び方を学ぶ
自然物を使った活動は、子どもが四季を感じることができる大切な機会といえるでしょう。
どんぐり遊びは秋だからこそ楽しめる、季節感あふれる遊びの1つです。
ここでは、子どもが秋を感じられるどんぐりを使ったおもちゃの作り方や遊びのアイデア、工作などの前に行う消毒の方法について紹介します。
拾ったどんぐりの消毒方法
拾ったどんぐりの中には、虫が入っている場合が多くあります。
そのまま何もせずに時間が経過してしまうと、虫が出てきてしまうため工作やゲームなどに使用する前に、消毒を行うとよいでしょう。
ここでどんぐりの消毒方法を詳しく紹介します。
①選別をする
どんぐりの殻にヒビや穴がないか確認します。
ヒビが入っていたり穴が空いていたりするどんぐりは、穴を通して虫が産んだ卵が入っていたり、孵化した幼虫が入っていることがほとんどでしょう。
次に、水につけてどんぐりの中に虫がいないかどうかを調べます。
水を入れた洗面器などにどんぐりを入れて、どんぐりが浮かんでくるかどうかを確認しましょう。中に虫がいる場合は、虫が実を食べながら育つため、どんぐりの中に空洞ができる場合が多くあります。
そのため水に浮かんだどんぐりには虫が入っている可能性が高いので、除外するとよいでしょう。
②加熱消毒する
次にどんぐりを煮沸消毒します。鍋の中に水とどんぐりを入れてから火にかけます。
沸騰した状態のお湯にどんぐりを入れると破裂する危険性があるため、水の状態から入れておくとよいでしょう。
水は、入れたどんぐりの3倍程度を目安に、全てのどんぐりがしっかり水に浸かるようにすると、火の通りにムラができにくいかもしれません。
煮沸時間は小さなものだと3~4分、大きいものは7~8分程度かかることが多いようです。長く火にかけすぎると割れることもあるようなので、長くても10分程度を目処にして火を止めるとよいですね。
③粗熱をとる
ザルなどにあけてしっかり水切りをします。
どんぐりの殻は乾きやすいため表面の水気はすぐになくなりますが、中はまだ熱を持っている状態が続くため火傷に注意しましょう。
冷水につけると殻が割れやすいため、自然に粗熱がとれるのを待つことが大切です。
④乾燥させる
どんぐりが完全に冷めたら新聞紙などの上において、しっかり乾燥させます。
3日~1週間程度を目安にして乾燥させ、直射日光を避けた風通しのよい場所を選ぶとよいでしょう。
冷凍で虫を駆除する方法もあるようですが、冷凍すると1週間程度かかることもあるため、状況にあわせた方法を選びましょう。
どんぐり遊びの工作アイデア
どんぐりを使ったおもちゃの工作アイデアを紹介します。
どんぐりを集めて作ってみよう♪手作りお手玉
用意するもの
- お手玉の布
- どんぐり
- 針
- 刺繍糸
製作のポイント
お手玉の中身をどんぐりだけにしてもよいですが手触りがかたいため、1歳などの乳児のおもちゃにする場合は、手芸用のペレットなどを一緒にいれると手触りがやわらかくなるでしょう。
うまくバランスとれるかな?どんぐりやじろべぇ
用意するもの
- どんぐり
- 竹串 2本
- キリ
- ボンド
製作のポイント
キリで穴を開けやすいように、どんぐりをレンジであたためる工程がありますが加熱すると中の熱が冷めにくいため、しっかりと中まで冷めてから作業に進むとよいでしょう。
アレンジとして竹串にマスキングテープを巻いたり、どんぐりに色を塗ったりするとカラフルなやじろべえができて楽しいかもしれません。
どんぐりマラカス
用意するもの
- 紙コップ
- どんぐり
- ビーズ
- マスキングテープ
- マジック
作り方
1.紙コップの中にどんぐりとビーズを入れます。
2.空の紙コップを上にかぶせてマスキングテープで紙コップ同士をとめます。
3.マジックやマスキングテープで紙コップに好きな飾りつけをしたらできあがりです。
製作のポイント
紙コップの中に入れるものを変えると、振ったときの音に変化がでて面白いかもしれません。
また、金色や銀色のちぎった折り紙を入れたり、さまざまな色のビーズを入れたりするとキラキラして見た目も華やかな仕上がりになるでしょう。
どんぐり人形
用意するもの
- どんぐり
- キリ
- 爪楊枝
- モール
- 絵の具
- 画用紙
- マジック
- のり
作り方
1.どんぐりに絵の具で色を塗ったり、画用紙やマジックで顔のパーツを作ってはったりして人形の顔をつくります。
2.キリで手と足をつけるための穴を開けます。
3.爪楊枝やモールを使って人形の手足をつけたらできあがりです。
製作のポイント
人形の手足をモールなど折り曲げることができるものを使うと、動きが出て楽しめるかもしれません。
また、手足つけずにどんぐりの下に穴をあけて長めの枝をつけ、手持ち用の棒にしてもよいでしょう。
どんぐり人形を落ち葉の上に乗せたり、他の木の実などをいっしょに飾ったりすると秋らしいオブジェになるかもしれません。
どんぐり遊びのゲームアイデア
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どんぐりを使ったゲームのアイデアを紹介します。
どっちの手にはいっている?
どんぐりを使った当てっこゲームで遊びましょう。
<遊び方>
1.保育士さんが左右どちらかの手にどんぐりを握ります。
2.子どもがどちらの手に入っているか当てます。
どんぐりを拾ったその場でも楽しめるゲームですが、センターラインをひいて子どもが右側や左側に移動できるような、複数人での当てっこゲームにしても楽しめるかもしれません。
複数人で行う場合には、当てた子どもが残っていく勝ち抜き戦にしてもよいでしょう。
どんぐりボーリング
どんぐりでボーリングを楽しみましょう。
<遊び方>
1.ボーリングのピンに見立てて、どんぐりを並べます。
2.少し離れたところから指でどんぐりをはじいてピンに当てて遊びましょう。
距離を長くしたりピンになるどんぐりの並べ方を変えたりと、難易度に変化をつけて1つずつクリアしていくようなゲームにすると、子どもも楽しみやすくなるかもしれません。
どんぐりの的当て
どんぐりを使ったボールを作って的当て遊びを楽しみましょう。
<遊び方>
1.透明カプセルなど子どもが掴めるサイズの入れ物にどんぐりを数個入れます。
2.カプセルのふたをマスキングテープなどで固定します。
3.両面テープでマジックテープをつけボールを作ります。
4.木の形に切ったフェルトを壁にはり、フェルトの木を的にボールを投げて遊びます。
的との距離を近くすれば、1歳くらいの年齢の子どもも楽しめるでしょう。
どんぐりすべり台
オリジナルのすべり台を作ってどんぐりを転がして遊びましょう。
<遊び方>
1.10~15cm程度を目安に縦長に切った厚紙を複数枚用意します。
2.どんぐりを転がした際に横に落ちないように、厚紙の両サイドをしっかり折ります。
3.大きめの画用紙に(2)を貼りつけてすべり台を作ります。
4.(3)を壁に貼って、上からどんぐりを転がしてすべり台を滑らせて遊びます。
厚紙の長さを変えたり、コースを変えたりすることでさまざまなバージョンのすべり台を作ると、子どもが飽きずに楽しめるかもしれません。
坂をゆるやかにしすぎるとどんぐりが滑りにくいため、角度を調整しながら進めるとよいでしょう。
どんぐり遊びで子どもといっしょに秋を楽しもう
今回は、どんぐりを使った遊び道具の作り方やゲームのアイデアを紹介しました。
おもちゃの工作は事前に用意しておくもの以外は、必要に応じて保育士さんが補助をしながら、子どもといっしょに作れると楽しみ方が広がるかもしれません。
年齢にあわせた工作や遊びを選んで、子どもといっしょに秋を楽しんでくださいね。