給与明細の見方を知りたい保育士さんもいるのではないでしょうか。有休残日数や残業時間のほか、月々何にどのくらい支払われているのかなどを把握できるとよいですね。今回は保育士の給与明細について、「勤怠」「支給」「控除」の項目ごとの見方を解説します。あわせて、確認するときのポイントをまとめました。
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■目次
保育士の給与明細の見方を知ろう
保育園から毎月配布される給与明細。有給残日数や残業時間、控除など、さまざまな項目が記載されていますが、手取り額以外をくわしく確認していない保育士さんもいるのではないでしょうか。
給与明細には、各種手当以外にも、毎月納めている税金や保険料の額などが記されています。
給与明細の各項目が示す内容を知り、毎月何に対してどのくらい差し引かれているのかなどしっかり理解しましょう。
給与明細に記載されている項目
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保育士さんの給与明細に記されている項目は、大きく「勤怠」「支給」「控除」の3つに分けることができます。
勤怠
「勤怠」の欄では、就業日数や欠勤日数、有休消化日数や有休残日数などを確認できます。
なお、遅刻や早退があった場合は、時間単位で記載されています。
支給
「支給」の欄には、基本給や残業手当、通勤手当などが記載されています。
ここでは、毎月保育園から合計いくら程度支払われているのかを確認できます。
控除
「控除」の欄には、健康保険料や厚生年金保険料、雇用保険料や所得税などが記されています。
毎月給与から天引きされる金額を確認でき、「支給」の合計から「控除」の合計を差し引くことでその月の給与額が決定されます。
「勤怠」「支給」「控除」の3つの項目について解説しましたが、給与明細の形式に決まりはありません。
そのため、保育園によっては年末調整の還付など、さまざまな項目が設けられている場合もあるようです。
次より、それぞれの欄に記載されているくわしい項目について見ていきましょう。
【勤怠】保育士の給与明細の見方
まずは、保育士の給与明細の「勤怠」欄に記されている各項目について解説します。
就業日数
就業日数とは、保育園で定められているその月に働く日数です。
例えば毎週土日休みの保育園であれば、一般的に月22日前後となるでしょう。
ちなみに、その月に有給休暇を取得する予定があったとしても、給与明細では就業日としてカウントされています。
出勤日数
出勤日数とは、その月に実際に出勤した日数の合計です。
欠勤をしていなければ、就業日数と同じ数字が記載されています。
労働時間
労働時間とは、その月に実際に働いた時間の合計です。
例えば1日8時間労働であれば、出勤日数に8を掛けた数字が記載されていることになります。
欠勤日数
欠勤日数とは、就業日であるにも関わらず欠勤した日数です。
有休取得で休んだ日は欠勤日数としてカウントされません。
有休消化日数
有休消化日数とは、その月に取得した有給休暇の日数です。
有休残日数について記載する義務はないため、給与明細に表記のない場合は自分で把握しておくとよいでしょう。
遅刻日数・早退日数
遅刻日数や早退日数は、それぞれ保育園で定められている出勤や退勤時間に変更があった場合の日数です。
有休残日数
有休残日数とは、来月以降に取得可能な有給休暇の日数です。
その月に有休を使った場合、前月の有休残日数から今月の有休消化日数を差し引いた数になっています。
【支給】保育士の給与明細の見方
次に、保育士の給与明細の「支給」欄に記されている各項目について解説します。
基本給
基本給は、保育園から支払われる毎月の決まった給与額です。
ここには、通勤手当や残業手当などは含まれていません。
役職手当
役職手当とは、あらかじめ役職に応じて決定された金額が支給される手当の一つです。
主任保育士など役職によって変動し、保育園によって支給額は異なります。
住宅手当
住宅手当とは、保育園が従業員である保育士さんの家賃などを一部負担する手当です。
住宅手当があるかどうかや支給額については、保育園により異なります。
通勤手当
通勤手当とは、通勤にかかる交通費に対して支給される手当です。
支給額の定義は保育園によりますが上限額を設けている場合もあります。
なお、通勤手当の支給は義務ではないため、導入していない保育園もあるでしょう。
残業手当
残業手当とは、雇用契約で定められている一日の労働時間を超えて働いた際に支給される割増賃金です。
「1時間の単価×残業時間×法定時間外労働の割増率1.25」という計算式によって算出されます。
【控除】保育士の給与明細の見方
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最後に、保育士の給与明細の「控除」欄に記されている各項目について解説します。
雇用保険料
雇用保険料とは、失業給付や育児休業給付、就職促進給付や教育給付などの公的サービスを受けられる雇用保険の掛け金です。
1週間の所定労働時間が20時間以上の労働者が加入でき、「ひと月の総支給額(基本給+各種手当)×雇用保険料率」の計算式で算出されます。
社会保険料
社会保険料とは、健康保険料、厚生年金保険料、厚生年金基金、介護保険料(被保険者が40歳以上の場合のみ)などの総称です。
健康保険料は「標準報酬月額×保険料率」の計算式で算出され、保険料率は都道府県によって異なります。
なお、社会保険料を多く支払っている場合、年末調整を行うことで税金が戻ってくることがあります。
所得税
所得税は、その年の給与に対してかかる税金です。
その年の所得は12月にならないと確定しないため、毎月仮計算で算出された所得税額を納めており、年末調整で税金の過不足分を調整しています。
住民税
住民税は、前の年の収入に対して発生する税金で、住んでいる都道府県や市区町村ごとで金額が異なります。
ほとんどの人が給与からの特別徴収となっていますが、給与明細に記載がない場合は特別徴収されていない可能性があるでしょう。
共済費
共済費とは、毎月保育士さんの給料より定額積み立てを行い、園内でのレクリエーションなどに充てる費用です。
なお、徴収額や目的は保育園によって異なります。
ちなみに、毎月支払われる給料は、基本給にあらゆる手当の支給総額を加算し、控除の合計額を差し引いて算出されます。
そのため、控除額が低く手当額が多ければ、そのぶん手取り額は増える計算になります。
疑問点があった場合には、翌月の給与明細が渡される前に勤め先に確認してみましょう。
令和3年度の雇用保険料率について/厚生労働省 全国健康保険協会
給与明細の見方を知り、毎月の支給額などを把握しよう
今回は、保育士さんの給与明細について、「勤怠」「支給」「控除」それぞれの項目ごとの見方を解説しました。
手取り額だけに目を向けていると、出勤日数などにミスがあっても気づかないかもしれません。
しかし給与明細の見方を知れば、仕事のモチベーションがあがったり、有休残日数を踏まえて計画的に有休消化できたりと、さまざまなメリットがあるでしょう。
月々の支給額や給与額など各項目の意味を知り、給与明細について理解を深めることが大切ですね。
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