履歴書や面接で尋ねられることが多い「転職理由」。保育士さんの中には前職を離れた理由が「人間関係」や「労働環境」の場合、正直に伝えてもよいのか、答え方に悩む方も多いでしょう。今回はケース別に転職理由の伝え方をわかりやすく解説します。面接での対応方法についても保育士バンク!キャリアアドバイザーが詳しく紹介します。
■目次
履歴書や面接で伝えづらい..転職理由
転職活動中の保育士さんの中には、転職理由の伝え方に悩む方はいませんか?
「人間関係がよくなかった」「給与が安い」などネガティブな理由で辞めた場合に、転職先でどんな風に伝えればよいのか迷いますよね。
まず、転職理由を伝える際に最も気をつけることは、
「ネガティブなことを言わずに前向きな気持ちで転職したことを示す」という点になります。
採用担当者の方が転職理由を聞くのは「すぐに辞めない人材か」「自分の園との相性がよさそうか」などを見極めることが目的だといわれています。
そのため、前職の不満をそのまま伝えてしまうと、マイナスな印象を与えてしまう可能性があるでしょう。
履歴書や面接では転職理由をポジティブに伝え、今後の目標をきちんと示すことが大切ですね。
とはいえ、面接や履歴書でどんな風に伝えれば「角が立たないか」「よい印象を与えられるか」と不安になることも…。
ここからはケース別に保育士さんの転職理由の伝え方の例文を紹介します。
【例文】保育士が悩みがちな転職理由の伝え方
保育士さんの転職理由は人それぞれ。
前職の環境をふまえて転職理由をポジティブに伝える例文を紹介します。
労働環境の改善を求めた転職
「仕事量の多さ」「給与が安い」など前職に不満があったことから、転職を決意した方もいるでしょう。
労働環境への改善をふくめた転職理由の伝え方を紹介します。
私はこれまで100名規模の認可園で5年間勤めてまいりました。
特に行事に力を入れていた園だったため、企画や当日の運営、製作物の準備などに積極的に取り組みました。
しかし、全て手書きで書類を作成する職場であったため、毎日職員の残業が続いていました。今後長く働いていくためには、ICTシステムの導入など業務効率化を図っている園に勤めて仕事と生活のバランスをとることが大切だと考えるようになり、このたび転職を決意しました。
労働環境の改善のために転職をする場合、保育士として長く働くことを前提としてどんな働き方を理想としているのかを伝えましょう。
人間関係の改善を求めた転職
「雰囲気がよくなかった」「同僚と連携がとれなった」など人間関係が原因で、転職を希望する方もいるでしょう。
人間関係の改善を求めた転職理由の伝え方を紹介します。
今まで保育士として周りの職員の方とのチームワークを大切に仕事をしてきました。
現在の園は保育士同士の連携はとれていますが、系列園への移動などが繰り返しあることで信頼関係を築くことが難しい状況でした。これからはじっくり職員同士で支え合う関係性を作りたいと考え、転職を決意しました。
人間関係を理由に転職する場合は自身が協調性があることを伝えたうえで、これからはより職員同士の信頼関係の構築に努めたいという意思を示すとよいでしょう。
キャリアアップを見据えた転職
保育士としてのスキルやキャリアアップを考えて転職を決意する方もいるでしょう。
キャリアアップをふまえた転職理由の伝え方を紹介します。
保育士として3年目を迎えた今、仕事にとてもやりがいを感じており、この先も長く続けたいと考えております。
現在の園では結婚を機に退職する方が多く、長期的に活躍されている先生がいない状況から、この先腰を据えてスキルアップしていきたいと考え、転職を決意いたしました。
自分自身のキャリアを考えて転職する場合、保育士として長く働き続けたいことやスキルを高めたい旨を転職理由として伝えましょう。
【施設ケース別の例文】保育士の転職理由の伝え方
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保育施設といっても保育園や幼稚園などの種類も多く、規模もさまざまです。
ここからは施設ケース別の転職理由の伝え方を紹介します。
大規模園→小規模園への転職
「子どもとゆとりを持って関わりたい」という理由から規模が異なる園へ転職する方もいるでしょう。
大規模園から小規模園への転職理由の伝え方を紹介します。
現在、4歳児25人のクラス担任としてやりがいを持って保育をしています。
個性豊かな子どもたちと接するなかで、一人ひとりとじっくりかかわり、より個性を大切にする保育を行いたい思いが強くなり、転職を決意しました。
保育観や保育方針を理由として転職する場合は、新しい園でどんな保育を実現したいのかを伝えましょう。
一般企業→保育士への転職
一般企業から子どもと携わる仕事をしたいと考え、保育士への転職を希望する方もいるでしょう。
異業種から保育士への転職理由の伝え方を紹介します。
大学卒業後に保育士資格を取得したのち、保育業界以外も経験してみたいという思いから一般企業に就職しました。
接客業をするなかで、家族連れのお子様の成長を見たり、保育士として就職した友人の話を聞いたりするうちに、やはり保育の仕事に就きたい気持ちが強くなりました。
異業種から転職する場合は、保育士として働きたいと思ったきっかけをそのまま転職理由として伝えましょう。
幼稚園⇔保育園への転職
「幼稚園から保育園」「保育園から幼稚園」への転職理由の伝え方を紹介します。
幼稚園→保育園への転職
幼稚園の経験を経て保育スキルの向上を目指して、保育園への転職を希望する方もいるでしょう。
幼稚園から保育園への転職理由の伝え方を紹介します。
私はこれまで幼稚園で3歳児と4歳児クラスの担任を経験し、やりがいを感じていました。
しかし今後の展望を考えた際、保育者としてさらにスキルを身につけて成長していくために乳児保育を経験してみたいと考え、保育園への転職を決めました。
幼稚園から保育園へ転職する場合は、両者の違いをふまえたうえで「自身の成長のために、新しい環境でチャレンジしたい」という旨を転職理由として伝えましょう。
保育園→幼稚園への転職
保育園から幼稚園への転職を決意し、仕事の幅を広げたいという方もいるでしょう。
保育園から幼稚園への転職理由の伝え方を紹介します。
私はこれまで保育園で4歳児と5歳児のクラス担任を経験しました。
日々の活動で子どもと接するなかで、音楽や絵画などの芸術を通して子どもの興味を養い、感性を伸ばす教育が大切だと感じ、幼稚園への転職を決めました。
しかし今後の展望を考えた際、保育者としてさらにスキルを身につけて成長していくために乳児保育を経験してみたいと考え、保育園への転職を決めました。
保育園から幼稚園へ転職する場合は、幼稚園が教育機関であることをふまえ、「保育園では経験できない子どもの教育に挑戦したい」という思いを伝えましょう。
キャリアアドバイザー直伝!保育士が転職理由を聞かれたときの対応例
ここでは、数多くの保育施設や求職者さんとやり取りしてきた実績がある保育士バンク!キャリアアドバイザーに聞いた転職理由の伝え方について紹介します!
答えるときのポイント
転職理由を質問された際は、以下の流れに沿って答えましょう。
①やりがいを感じていることを最初に伝える
②「長く保育の仕事を続けたい想いがある」ことを伝える
③長く働き続けるにあたって、今の職場で課題となっていることを伝える
面接の場でも、転職理由は前向きな言葉で答えることがポイントです。
そのためには、「保育士を続ける意志があること」「自身の成長のために環境を変えたいこと」をきちんと伝え、ポジティブな転職である印象を持ってもらいましょう。
転職理由の答え方例
Q.「今回なぜ転職しようと思われましたか?」
A.現在3歳児担任をしているなかで、子どもの成長に合わせて絵本を選んで読み聞かせたり、保護者の方と成長を共有してよろこび合ったりすることにとてもやりがいを感じています。
保育の仕事はこれからも長く続けたいと考えていますが、現在の園では行事の衣装作りや職員会議で毎日残業しているので、将来のことを考えると働き続けることは難しいと感じ、転職を決意いたしました。
先述した3つの流れに沿って答えましょう。
現在の仕事における具体的なやりがいとともに、保育士を続けていくためには現状を改善できる環境にチャレンジすることが大切だと伝えれば、採用担当者が納得しやすい前向きな転職理由に仕上がります。
転職理由は前向きな言葉を意識して働く意欲を伝えよう
転職理由は、採用担当者が応募者と自分たちの園の相性をはかる一つの判断材料になります。
伝え方によっては採用担当者にマイナスな印象を与える可能性があるため、前向きな言葉で答えることが大切です。
ただ、実際に履歴書を書き始めたり、面接対策に取り組んだりしていると「これで大丈夫なのかな?」と転職理由の伝え方に悩んでしまいますよね。
そんなときは、保育士バンク!にご相談ください。
専属のアドバイザーがあなたの不安や悩みに寄り添いながらサポートいたします。異業種から保育士さんへの転職を希望される方も大歓迎!ぜひ、一度ご相談くださいね。