室内遊びをする際に、風船遊びを行いたいと考える保育士さんもいるでしょう。比較的手軽に取り入れられるため、遊び方のバリエーションを増やして子どもたちと楽しめるとよいですよね。今回は、保育に役立つ風船遊びのアイデアをねらいとともに紹介します。あわせて、導入するときのポイントや遊ぶときの注意点もまとめました。
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■目次
保育園で風船遊びをするねらい
風船は膨らませてボールのように遣ったり、製作に活用したりとさまざまな使い方ができますよね。
乳児クラスでも扱いやすいうえに、終わり方が自由な遊びではあらかじめ時間を決めて活動できるため、保育に取り入れやすいかもしれません。
保育園で行う風船遊びには、以下のようなねらいがあります。
- 風船の不規則な動きや色を見て、視覚的な刺激を受け取る
- 風船を持ったり手で押したりして感触を味わう
- 風船を使って友だちや保育者とのコミュニケーションを楽しむ
風船はカラフルなものが多く、表面のつるつるとした触り心地などを味わえるので、目や指先など五感を使って楽しめるでしょう。
また、膨らませた風船は投げたり転がしたりすると予想もしない動きをするため、子どもたちの好奇心を刺激してくれそうですね。
このようなねらいをふまえ、まずは保育園で風船遊びをする際の導入のポイントから見ていきましょう。
保育に風船遊びを導入するときのポイント
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保育に風船遊びを取り入れるときは、子どもたちが風船そのものに対する興味を持てるよう導入を工夫することがポイントです。
風船が出てくる絵本を見せる
活動の前に、風船が登場する絵本を読み聞かせてみましょう。
絵本を通して、空気を入れると膨らむことや割れるとしぼむことなどの特徴を伝え、風船遊びへの関心を高められるとよいですね。
子どもの前で風船を膨らませる様子を見せる
導入として、保育士さんが子どもたちの前で風船を膨らませてみるのもよさそうです。
空気を送り込むことでどんどん大きくなっていく様子を見れば、子どもたちも「やってみたい」「触ってみたい」と興味を持ち、スムーズに活動を始められるかもしれませんね。
保育園で楽しめる風船遊び:運動編
では、保育に役立つ風船遊びのアイデアを見ていきましょう。まずは、身体を使って楽しめる遊びから紹介します。
1.風船プール(目安:0歳児~)
用意するもの
- 風船
- ビニールプールやベビーサークル
遊び方
風船をたくさん入れたビニールプールやベビーサークルに子どもたちが入って遊びます。
また、子どもたちが入った後に上から風船を降らせてもよいですね。0歳児や1歳児の子どもたちと、風船の感触を全身で楽しみましょう。
2.風船クッション(目安:0歳児~)
用意するもの
- 風船
- 圧縮袋
- 掃除機
遊び方
風船クッションはあらかじめ保育士さんが用意しておきましょう。
できあがったクッションの上に乗り、座ったり寝転がったりして楽しみます。
1歳児や2歳児クラスで遊ぶ場合は、クッションの上で軽くジャンプしたりお尻でバランスを取ったりして遊んでみるのも面白そうですね。
3.風船リレー(目安:2歳児~)
用意するもの
- 風船
- 三角コーン
遊び方
1.子どもをいくつかのチームに分けて2人組のペアを作ります。
2.膨らませた風船をチームの数分用意します。
3.スタート地点と折り返し地点を決め、子どもたちはチームごとに1列に並びます。
4.先頭のペアに風船を渡し、保育士さんの合図でスタートします。
5.子ども同士は向かい合って、お腹に風船を挟んだままコースを回ります。
6.折り返し地点を通ってスタート地点に戻ってきたら、次のペアに風船を渡します。
7.(5)と(6)を繰り返し、最後のペアが一番早くゴールしたチームが勝ちです。
2歳児クラスから楽しめますが、3歳児や4歳児など幼児クラスで行う場合は風船の運び方をアレンジしてみましょう。
布に乗せたり背中で挟んだりと、年齢に合わせて難易度を調節して楽しむとよいですね。
4.風船バレー(目安:3歳児~)
用意するもの
- 風船
遊び方
風船をボールに見立ててバレーボールをします。
3人~4人のグループを作り、ボールを両手で投げたり友だちに向かって返したりして遊びましょう。
また、風船を落とさずに何回タッチできるかを競う個人戦にアレンジしても面白そうですね。
風船バレーは終わり方が自由な遊びなので、「全員で10回ラリーできたらおしまい」などと決めて楽しみましょう。
5.風船ジェスチャーゲーム(目安:3歳児~)
用意するもの
- 風船(さまざまな形を用意する)
遊び方
子どもにお題を伝え、風船を使いながらジェスチャーをしてもらいます。周りの子どもたちは、ジェスチャーを見ながら何を表現しているか予想して楽しみましょう。
また、子どもにいろいろな形の風船を渡し、自由にジェスチャーしてもらうのも面白そうですね。保育士さんも、子どもたちといっしょに答えを考えてみると盛り上がるかもしれません。
6.風船飛ばし(目安:5歳児~)
用意するもの
- 風船
- 空気入れ
遊び方
1.1人1つの風船を用意します。
2.子どもたちは自分の風船を膨らませます。
3.風船の中に空気を入れ終わったら、口の部分を結ばずに手で押さえます。
4.手を離し、空気が抜ける力を利用して風船を飛ばして遊びます。
空気を入れて飛ばすだけのシンプルな遊び方なので、繰り返し楽しめるでしょう。不規則に動きながら飛んでいく風船の様子に、子どもたちは夢中になってくれるかもしれません。
風船飛ばしは終わり方に決まりがないため、あらかじめ時間を設けて取り入れるとよさそうです。
保育園で楽しめる風船遊び:製作編
続いて、製作を楽しめる風船遊びのアイデアを見ていきましょう。
7.風船クラッカー(目安:3歳児~)
用意するもの
- 乳酸菌飲料の空き容器 1個
- 風船 1個
- 折り紙
- ビニールテープ
- カッター
- はさみ
ポイント
3歳児クラスで取り入れる場合は、クラッカーを使って遊ぶだけでもよいかもしれません。
4歳児や5歳児の子どもたちと行う場合、カッターを使う工程は保育士さんが行いましょう。
空き容器の切り口で手を切らないよう、子どもたちに渡す前にテープなどで補強しておくとよいですね。(詳しい作り方はこちら)
8.風船太鼓(目安:4歳児~)
用意するもの
- ガムテープの芯 1個
- 風船 1個
- ティッシュペーパー 1枚
- 割り箸 1本
- ペットボトルキャップ 2個
- マスキングテープ
- ビニールテープ
- はさみ
ポイント
カットした風船を広げてガムテープの芯にかぶせる工程は、子どもの力では少し難しいかもしれません。
つまずいている子どもがいたら、保育士さんは風船をいっしょに持ち、しっかりと広げられるよう援助するとよいですね。(詳しい作り方はこちら)
9.小麦粉風船(目安:4歳児~)
用意するもの
- 小麦粉 250g
- 漏斗 1個
- ペットボトル 1本
- 風船 1個
- 装飾(目玉や毛糸など)
ポイント
あらかじめクラスに小麦粉アレルギーの子どもがいないか確認しておきましょう。もしアレルギー児がいる場合は、片栗粉などで代用するとよいですね。
また、保育士さんはペットボトルに小麦粉を入れたものを用意しておきましょう。子どもには、風船に小麦粉を入れる工程からチャレンジしてもらうとよさそうです。
万が一小麦粉がこぼれてもよいように、ビニールシートなどを敷いた上で行いましょう。(詳しい作り方はこちら)
10.ペットボトル空気砲(目安:5歳児~)
用意するもの
- ペットボトル 1本
- 風船 1個
- トイレットペーパーの芯 1本
- ビニールテープ
- カッター
- はさみ
ポイント
保育士さんは事前にペットボトルの底をカットしておきましょう。子どもが切り口でケガをしないよう、ビニールテープで補強しておくことも大切です。
風船をペットボトルにかぶせる工程は少し力が必要なので、上手くできない子どもがいたら適宜援助してくださいね。(詳しい作り方はこちら)
保育園で風船遊びをするときの注意点
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最後に、保育園で風船遊びをする際に気をつけたい注意点をまとめました。
周囲に物がない広い場所で行う
風船を使って運動遊びをする際は、周囲に物がないホールなど広い場所を確保して行いましょう。
特にバレーやリレーでは全身を使って遊ぶため、子ども同士がぶつかったり、物に当たって転倒したりする危険性があります。
子どもが大きく動き回っても大丈夫なように、安全に遊べる環境を整えておきましょう。
風船が割れる原因になるものがない環境を用意する
風船遊びをする際は、風船の割れに注意することが大切です。
遊ぶ場所に小さなおもちゃの破片やゴミなどがないかを確認し、あれば事前に拾っておきましょう。
また、洋服のボタンやファスナーなどにぶつかった衝撃で風船が割れる可能性もあります。
あらかじめ保護者に活動内容を伝え、衣服の選び方について周知しておくとよいかもしれません。
子どもが口に入れないよう見守る
風船の誤飲にも注意しましょう。
膨らませる前の風船は小さいため、0歳児や1歳児などの場合口に入れたりなめたりする可能性があります。
しぼんだ状態の風船は子どもの手が届かない場所に保管し、活動中も目を離さないようにしましょう。
風船遊びを取り入れて、室内での活動を楽しもう
今回は、保育園で行う風船遊びのアイデアを、ねらいや活動の注意点とあわせて紹介しました。
風船遊びには手で触れたり動きを目で追いかけたりして、五感を育むというねらいがあります。
風船は、膨らませてクッションにしたり、投げて遊んだりとさまざまな形で活用できるため、0歳児や1歳児の乳児クラスから5歳児まで幅広い年齢の子どもたちと楽しめるでしょう。
子どもが風船そのものに興味を持てるよう導入のしかたを工夫しながら、室内での活動に取り入れてみてくださいね。
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