神奈川県の東部に位置する横浜市。日本有数の港湾都市・商工業都市として知られる横浜市の保育施設に転職しようと考えている保育士さんもいるのではないでしょうか。しかし、実際に働くなら、事前にその地域の平均給与や年齢などを知っておきたいものですよね。今回は、横浜市を含む神奈川県の給与事情や保育士不足を解消するために行なっている取り組みなどを詳しく解説します。
健太 上田/stock.adobe.com
■目次
横浜市の保育施設数や待機児童数
保育士さんの平均年収や市が取り組む支援策などを確認する前に、まずは横浜市内の保育施設数や待機児童数などのデータを押さえておきましょう。
保育施設数
横浜市内には、2022年6月時点で認可保育施設が1188カ所あります。
また、認可外保育施設の数は2021年9月時点で394カ所です。
定員数
2021年9月時点、横浜市の認可保育施設の定員数は80892人です。
認可外保育施設の定員数は12338人となっています。
待機児童数
横浜市の待機児童数は、2023年4月時点で10人となっていました。昨年度と比べて、1人減少しているようです。
認可保育所や小規模保育事業で1年度限定で預かる年度限定保育事業などの保育サービスの利用に繋げることにより、待機児童は年々減少しているといいます。
神奈川県の保育士の現状
正社員やパート保育士として働く際は、職場の年齢層や年収などに注目しながら求人情報を確認するのではないでしょうか。
ここでは、厚生労働省が発表した令和4年賃金構造基本統計調査をもとに、横浜市を含む神奈川県の保育士さんの労働時間や平均給与などを全国平均と比較してみましょう。
神奈川県 | 年齢(歳) | 勤続年数(年) | 労働時間(時間) | 給与 (万円) |
賞与 (万円) |
平均年収(万円) | 労働者数(人) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
男性保育士 | 26.2 | 2.8 | 162 | 26.48 | 68.32 | 386 | 2360 |
女性保育士 | 40.0 | 8.8 | 167 | 31.02 | 69.94 | 442 | 37850 |
全国 | 年齢(歳) | 勤続年数(年) | 労働時間(時間) | 給与 (万円) |
賞与 (万円) |
平均年収(万円) | 労働者数(人) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
男性保育士 | 30.5 | 5.7 | 166 | 27.79 | 70.82 | 404 | 16320 |
女性保育士 | 38.6 | 8.3 | 167 | 26.61 | 71.23 | 390 | 267870 |
神奈川県の保育士の平均年齢
神奈川県の保育士さんの平均年齢は、男性が26.2歳、女性が40.0歳となっています。
全国の保育士さんの平均年齢は男性が30.5歳、女性が38.6歳であることから、神奈川県の保育士さんは男性が全国平均よりも若く、女性が全国平均よりもベテランの保育士さんが活躍していることがわかりました。
神奈川県の保育士の平均勤続年数
神奈川県の保育士さんの平均勤続年数は、男性が2.8年、女性が8.8年です。
全国の保育士さんの平均勤続年数は男性が5.7年、女性が8.3年であることから、神奈川県では男性が全国平均よりも勤続年数が短く、女性が全国平均よりもやや長い傾向にあることがわかります。
神奈川県の保育士の所定内労働時間(残業時間は除く)
神奈川県の保育士さんの月平均労働時間は、男性が162時間、女性が167時間となっています。
全国の保育士さんの月平均労働時間は男性が166時間、女性が167時間であることから、神奈川県の保育士さんの勤務時間は男性が全国平均よりも短いことがわかります。
神奈川県の保育士の決まって支給する現金給与額(給料)
神奈川県の保育士さんの平均給料は、男性が26万4800円、女性が31万300円です。
全国の保育士さんの平均給料は男性が27万7900円、女性が26万6100円であることから、神奈川県の保育士さんの給料は男性が全国平均よりも低く、女性が全国平均よりもかなり高い傾向にあることがわかります。
神奈川県の保育士の年間賞与その他特別給与額
神奈川県の保育士さんの年間賞与は、男性が68万3200円、女性が69万9400円です。
全国の保育士さんの年間賞与は男性が70万8200円、女性が71万2300円となっているので、神奈川県は男女ともに全国平均よりもわずかに少ないようです。
神奈川県の保育士の平均年収
平均給料と賞与額をもとに平均年収を算出したところ、神奈川県の保育士さんの平均年収は、男性が386万800円、女性が442万3000円となりました。
全国の保育士さんの平均年収は男性が404万3000円、女性が390万5500円であるため、神奈川県は男性が全国平均よりも低く、女性は全国平均よりもかなり高いようです。
神奈川県の保育士の労働者数
神奈川県の保育士さんの労働者数は、男性が2360人、女性が3万7850人です。
全国の保育士さんの労働者数は、男性が1万6320人、女性が26万7870人なので、全国に占める神奈川県の保育士さんの割合は男性が約14.4%、女性保育士さんが約14.1%であることがわかります。
横浜市が実施する保育士向けの支援や取り組み
siro46/stock.adobe.com
横浜市で保育士を目指す方が利用できる支援をまとめました。ここでは、どのような取り組みがあるのかを確認しておきましょう。
保育士宿舎借り上げ支援事業
横浜市は、保育士さんが住む住居を事業所が借り上げた場合、それにかかる費用の一部に対して補助を行なっています。
補助金が支給されるのは認可保育所や認定こども園、小規模保育事業などを運営する事業所で、対象となる保育士さんは常勤保育士さんのうち以下の条件を満たす方です。
- 勤務開始から10年以内
- 1日6時間以上かつ月20日以上保育に従事している
ただし、施設長や住宅手当が支給されている場合は補助金の支給対象とならないため注意しましょう。
横浜市潜在保育士等への就労奨励金交付事業
保育士資格を持っている方がかながわ保育士・保育所支援センターに求職登録を行なったのち、就労支援を受け、横浜市内の私立保育・教育施設に就職すると、保育士1人あたり5万円の奨励金を支給してもらえます。
市内の私立保育・教育施設で働き始めたら、同センターから就労支援証明書、勤務先から在職証明書の発行を受け、保育士証の写しと一緒に横浜市に申請書を提出しなければなりません。
就職準備金貸付
横浜市は、保育士さんが市内の保育所などに再就職する場合、就職に必要な資金を無利子で貸し付けています。
貸し付けの対象となるのは、保育士資格を持っているものの現在保育に従事しておらず、新しく市内の保育所などへの就職が決定した方です。
貸付金は横浜市内の保育所などで2年以上勤務を続けた場合、返還が全額免除されます。
修学資金貸付
横浜市は、市内の保育施設での勤務を希望している学生さんに対し、修学に必要な資金として月額5万円以内(総額60万円以内)を無利子で貸し付ける事業を実施しています。
対象となるのは、指定保育士養成施設に在学し、卒業後に市内で保育士として働く意思がある方です。
また、養成施設を卒業後、市内の指定の保育施設で5年間継続して保育に従事すれば貸付金の返還が免除されます。
保育施設見学会
横浜市は、市内での就職を希望する学生さんに対して、市内の保育施設をめぐる見学会を開催しています。
希望する保育施設だけでなくいろいろな園を見学できるため、自分に合った園を見つけるのに役立つでしょう。
メインの対象となるのは横浜市内の保育士養成施設に通う学生さんですが、潜在保育士さんも参加できるようなので、気になる方は市に問い合わせてみましょう。
横浜市が実施する子育て支援の取り組み
buritora/stock.adobe.com
横浜市で実施している子育て支援についてまとめました。お子さんをお持ちの保育士さんは、どのような支援が行なわれているのか確認しておくとよいでしょう。
子育てひろば
横浜市は、市内の認定こども園や保育所を「子育てひろば」として、園庭を開放したり、育児講座などを実施したりしています。
他にも、育児相談などを通じて園の保育士さんが地域の保護者や子どもたちと交流し、子育て家庭を支援しているようです。
対象施設に勤めれば、保育士として働きながら地域の子育て支援に携わることができるでしょう。
乳幼児一時預かり事業
横浜市は、保護者が急な用事などで子どもを見ることができないときに、保護者に代わって子どもの預かりを行なっています。
一時預かりが実施されているのは、市内の保育施設や一時預かり専用の保育室など。この事業では、就学前までの子どもを利用対象としているので、保育士としての経験を活かしながら活躍できるでしょう。
親と子のつどいの広場
横浜市は「親と子のつどいの広場」を開催し、主に0~3歳の未就学児とその保護者を対象に親子が交流できる場を提供しています。
親と子のつどいの広場はマンションの一室や空き店舗などを活用して開かれており、主に育児相談や子育てに役立つ講習などが実施されているようです。
広場には子育てアドバイザーが配置されているため、保育士の経験を活かしながら子育て支援に携われるかもしれませんね。
横浜市の保育園・幼稚園の求人情報一覧へ
横浜市の保育園・幼稚園への就職や転職を検討されている方へ
横浜市の求人情報一覧では、保育士バンク!から直接応募できる園の求人情報に「応募に進む」ボタンを掲載しています。
園に直接応募する方は、「応募に進む」ボタンから求人の応募ページへとお進みください。
出典:令和5年4月1日現在の保育所等利用待機児童数について/横浜市
出典:令和4年賃金構造基本統計調査/政府統計の総合窓口(e-Stat)
充実した支援が魅力の横浜市で保育士として働いてみよう!
今回は、神奈川県の保育士の平均年収などとともに、横浜市が取り組む保育士さん向けの支援制度などを紹介しました。
横浜市は、人材確保や離職防止などを目的としてさまざまな取り組みを実施しているので、気になった保育士さんは転職を検討してみてはいかがでしょうか。
保育士バンク!は、全国の保育士さんの転職のお手伝いをしております。横浜市で働きたいと考える保育士さんの転職も手厚くサポートいたしますので、この機会にぜひご登録ください。