保育園の意向調査の時期に自身の進退に迷っていて「辞めたい…」と言えなかった方もいるでしょう。後から退職の意向を伝えるというのは、なかなか勇気が必要なことですよね。今回は保育士さんが意向調査のときに言えなかった「退職の意向」を伝えるときの対処法を紹介します。切り出す手順や伝え方の例文もまとめました。
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■目次
意向調査で進退への悩みを言えなかった保育士さんはいませんか?
在職園の意向調査のときに本当は辞めるか悩んでいるのに、自分の気持ちを正直に伝えることができなかった保育士さんもいるのではないでしょうか。
担任や副担任など責任のある仕事を任されていればなおさら「退職」という言葉を口にすることは難しいですよね。
悩み続けた結果、次年度に向けて「転職したい」「辞めて少しゆっくりしたい」など自分の意思が固まる場合もあるでしょう。
その際「今から申し出てもよいかな?」「辞めることを伝えたら気まずくなってしまうかも」と退職の意向を言い出せずにモヤモヤしてしまうことも。
今回は意向調査時に自身の気持ちを言い出せずにいた保育士さんが後に「退職への意向」を伝えたい場合の対処法を詳しく紹介します。
意向調査時に退職意向を言えなかった場合の対処手順
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意向調査時に退職の意向を伝えられなかった際、どのように対処すればよいのか迷ってしまいますよね。
退職までの流れを把握して、見通しを立てて行動しましょう。
①退職の申し出期限を確認する
まずは意向調査時期には自身の進退の申し出について期限が決められている園もあるため、その期日までに伝えることが大切ですね。
また、期日が過ぎてしまった場合は上司に相談してみましょう。
その際、園の就業規則も確認するとよさそうです。退職の申し出時期について「1カ月前までに申請する」など期日が設定している場合があります。その規則に基づいて伝えれば問題ないという園も多いかもしれません。
法律上では基本的に2週間前までに退職を申請すれば問題がありませんが、意向調査で示された期限や就業規則をふまえたうえで申し出るとよいでしょう。
②直属の上司や園長先生に話す
次に直属の上司や園長先生に退職の意向を伝えます。まず上司に伝えてから、園長先生に話すとよいですね。
行事が忙しかったり園長先生がいなかったりしてなかなか言い出すタイミングが難しい場合もあるでしょう。
あらかじめ「申し訳ありませんが、お伝えしたいことがあるのでお時間いただけますか?」と声をかけて都合のよい時間帯を聞いておくとよいかもしれません。
③退職手続き内容を確認する
辞めることを伝えたら退職手続きについて確認しましょう。
まずは退職届を提出するべきか聞いてみて必要な場合は期日までに提出します。
退職に向けて自身がどのような手続きを行えばよいのかきちんと確認しておけば、自分自身も
安心して過ごすことができるでしょう。
意向調査時に言い出せなかった「退職意向」の伝え方のポイント
意向調査時に退職意向を言い出せなかったときに特に悩むのが「伝え方」ですよね。
上司や園長先生にどんな風に言い出せばよいのかポイントをまとめました。
意向調査で伝えられなかった理由と謝罪の気持ちを表す
まずは意向調査時に自身の進退について伝えられなかった理由を正直に話しましょう。
「まだ退職への意向が固まっていなかったこと」「辞めるべきか悩んでいたこと」などを伝え、遅れてしまって申し訳なかったことへの謝罪を示すことが大切です。
もし意向調査期間中に話ができなかった場合はその点も含めて謝罪しましょう。
退職理由を前向きに伝える
謝罪を伝えた後は退職理由を話しましょう。
その際「人間関係が上手くいかない」「仕事量が多くて辛い」といった園の不満を伝えると関係が崩れてしまう可能性があるでしょう。
退職理由は自身のスキルアップやキャリアアップなど前向きな内容を話すように意識することが大切です。
「今まで培った経験を活かして幼稚園や児童館などの施設で働きたいと考えています。」
「さまざまな保育園の特色を知りたい、見てみたいという気持ちが強いため、自身の教養を広げるために退職を決意しました。」
など保育士として成長したいという想いを示すことで園側も気持ちよく送り出してくれそうです。
【例文あり】意向調査時に言い出せなかった「退職意向」の伝え方
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最後に退職意向の伝え方の例を理由別に紹介します。
人間関係が理由の例文
「同僚と保育観が合わない」「園長と合わない」などの理由で退職する場合は以下のように前向きな表現で伝えましょう。
意向調査時に自身の気持ちが固まっていなかったため、進退について伝えることができませんでした。遅くなり大変申し訳ありません。
〇年間という長い間たくさんの経験をさせて頂いたのですが、退職を決意しました。これまでの経験を活かして保育士として今後もさまざまな現場で保育経験を積みたいと考えています。新天地で新たな教育や保育にチャレンジして成長できるように頑張ります。
ポジティブな気持ちで辞めることを伝え、新たな1歩を踏み出したいという前向きな姿勢を伝えられるとよいですね。
働き方が理由の例文
「残業が多い」「休日が少ない」などの理由で退職する場合、まずはゆっくり休んで体力の回復に努めたいという気持ちを伝えましょう。
意向調査のときは自身の進退についてお話できず、申し訳ありませんでした。退職の意向が固まったのでお伝えさせていただければと思います。
いままで子どもたちや保護者の方、職員の方々と過ごす中で多くのことを学ばせていただきました。業務が忙しく、なかなか効率的に行えなかったときも職員間で協力して取り組んできました。しかし、体力的にも精神的にも疲れがたまり、集中して仕事をこなすことができない状態が続いています。3月末で退職し、自身の身体の回復に専念いたします。
働き方への不満をストレートに話すのではなく、心身の状態を正直に伝え、退職して体調を整えることにふれるとよいでしょう。
もし、3月末まで働けるか心配な場合はその点も含めて相談することが大切です。後任への引継ぎなどもあるため、いつまで働けるのか園側とすり合わせを行いましょう。
待遇が理由の例文
「給与が安い」「昇給が期待できない」など待遇を理由に辞める場合はキャリアアップ・スキルアップについて話し、保育士として成長したい旨を伝えるとよさそうです。
意向調査時には自身の気持ちが固まっていなかったため、意向を伝えるのが遅くなってしまいました。大変申し訳ありませんでした。
悩み抜いた結果、3月末での退職を決意いたしました。保育士としてさまざまな経験を積むためにも新しい施設で仕事をしてみたいという気持ちが強くなりました。
これからも多くのことを学び、保育士としての知識や技術を培いたいと思います。〇年間、本当にありがとうございました。
待遇の不満を口にするよりも自身の前向きな思いを伝えることが大切です。マイナスな印象を与えると雰囲気が悪くなってしまう場合もあるでしょう。
今後のキャリアを見据えたうえでの決断だったということを説明できるとよいですね。
体調不良が理由の例文
体調不良が理由の場合は、今までの感謝の気持ちと自身の体調を整えるための決断であることを伝えましょう。
意向調査時も自身の体調が思わしくなかったのですが、頑張りたいという気持ちが強かったので退職のお話をすることができませんでした。伝えるのが遅くなってしまい、申し訳ありません。
数カ月前から体調が優れないまま仕事を行っていましたが、なかなか身体が回復しないため、退職を決意いたしました。今まで気遣ってくださりどうもありがとうございました。3月末までは体調を整えながら頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします。
年度末までは勤めあげたいと考える保育士さんも多いかもしれませんが、体調不良を理由に休みがちになってしまうケースもあるようです。早番/遅番の回数を減らしてもらうなど対応方法も話し合うとよいかもしれません。
退職を決めた中で「体調が整い次第復帰できないか?」と引き止められた場合は「自身の身体の回復に専念したい」と伝え、丁寧に断りましょう。
意向調査時に退職の意向を言えなかった場合の対処法を把握しよう
意向調査時に進退を決められず、悩み抜いた末に退職の意向を伝えることもあるでしょう。
退職の理由を伝えるときは感情的にならず、冷静に話すことを意識するとよいですね。
また、自身の進退について悩んでいたら転職活動の開始が遅くなってしまったという方もいるかもしれません。
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