保育士さんの中で、サービス残業や持ち帰り仕事が日常化している人はいませんか?保育士なら当たり前、業務削減は難しい、と諦めている人もいるのかもしれません。しかし、サービス残業などの賃金が発生しない労働は違法で、「保育士なら当たり前」ではありません。記事の内容を参考に、サービス残業をしない働き方を目指しましょう!
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■目次
サービス残業が日常化している保育士さんへ
そもそもサービス残業とは、働いても賃金が発生しない労働のことです。
保育園によっては、昔からの習慣となっているところもあるかもしれません。
プライベートを削って仕事をすることがつらくなり、体調を悪くしたり、保育士を退職したりする人もいる一方で、時間外での無賃労働が日常化し、当たり前になっている人もいるでしょう。
サービス残業や持ち帰りで仕事をするなどの賃金の発生しない労働は、違法です。
ではなぜ、保育士さんたちはサービス残業や持ち帰り仕事などの賃金が発生しない業務体制が日常化しているのでしょうか?その実態を紹介します。
保育士のサービス残業は当たり前?その実態とは
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保育士のサービス残業や持ち帰り残業は、子どもとかかわらない仕事をしている場合が多くあるでしょう。
勤務中の8時間は保育にあたり、その時間を終えると事務所などで作業をするサービス残業の時間が始まるのかもしれません。
その内容と負担に感じていることとはなにか、見ていきましょう。
書類
保育には、児童票・保育日誌・指導計画・おたよりなど、複数の書類が必要になります。
作成する書類の量も多く、サービス残業や持ち帰り仕事の大きな要因のひとつといえるでしょう。
職員それぞれ得意・不得意があるのはもちろん、子どもによっては周囲とのかかわりが少ない子など、記載内容に苦労することもあるかもしれません。
製作物や行事の準備などの多さ
子どもの午睡中は、作業が進む時間といえるでしょう。
しかし、連絡帳の記入や数分ごとの睡眠チェックがあります。
子どもが途中で起きたら作業を中断するため、作業を計画的に進めることは難しいでしょう。
針など紛失したら危険なものなどは保育室に持ち込めない場合もあります。
午睡中でも、配慮することはたくさんあるため、保育が終わった後の落ち着いた時間に作業しようと考える保育士さんもいるのでしょう。
保育士がサービス残業を削減しないのはなぜ?
保育士さんの中には、昔からの習慣でサービス残業が当たり前になっている人もいるのではないでしょうか。
しかし、サービス残業を苦痛に感じていても、削減「されない」ではなく「できない」現状があるようです。その原因をお伝えします。
人員不足
人員不足の場合、勤務時間の8時間は保育に入っていることがほとんどかもしれません。
一方で、保育士さん一人ひとり保育に対する考えがあり、「子どものためにやってあげたい」という思いがあるのかもしれません。
また、配慮が必要な子どもには、保育士さんと一対一でのかかわりや、職員や保護者との話し合いも大切でしょう。
思いに反して人員が足りないことが、サービス残業や持ち帰りでの仕事が削減されない要因のひとつといえるのかもしれません。
正社員以外の役割が曖昧
保育園は、非常勤・アルバイト・パートなど、さまざまな雇用形態があります。
書類の作成や保育の準備は主に担任や正社員に割り振られる場合が多いでしょう。
他の雇用形態の職員には、特に仕事が割り振られることがなく、負担の偏りがあるのかもしれません。
ICTへの苦手意識
最近では、事務作業や保護者とのやり取りにタブレットなどのICTを取り入れる保育園も多いのではないでしょうか。
業務削減対策の一環ですが、苦手意識のある職員もおり、慣れない作業に戸惑うことも多いのかもしれません。
特に、施設長やベテラン保育士に苦手意識が強い傾向があり、取り入れる意欲がない保育園もあるのではないでしょうか。
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【サービス残業は違法】悩む保育士さんは労働基準法を見てみよう
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保育士になるとき、「保育業界はサービス残業が当たり前」と思っていた人もいるかもしれません。
また、保育士だから仕方がない、と考えながら業務にあたっている人もいるでしょう。
では、サービス残業が常態化していることは本当に当たり前なことなのか、労働基準法を見てみましょう。
サービス残業は法律違反
賃金不払残業(いわゆるサービス残業)は、労働基準法第37条に違反すること。
つまり、あってはならないことなのです。
きちんと、サービス残業は違法だと定められているにもかかわらず、習慣化してしまっている保育業界。
改善に向けて、施設長など上司を中心に、一人ひとりが意識を変えていく必要があるのかもしれません。
残業代を支払えば残業時間は無制限?
サービス残業は違法だとお伝えしましたが、残業代が支払われればいくらでも時間外労働をしてもよいというわけではありません。
「時間外労働の限度に関する基準」が定められており、賃金が支払われる残業にも限度時間があります。
保育士さんの中に、サービス残業の他に、持ち帰り仕事でプライベートの時間を削っている人はいませんか?
残業代が支払われる時間外労働にも限度時間が存在します。
定められているということは、時間外で仕事をすることが大きな負担となる、ということを示しているのかもしれません。
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サービス残業がつらい保育士さんに向けた解決策
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サービス残業や持ち帰りでの仕事は、上司が中心となり職員みんなで解決策を見出す必要があるでしょう。
なかなかすぐに解決につなげることは難しいかもしれません。
まずは、作業内容が本当に必要なのかどうかを見直したうえで、紹介する内容を参考に対策をしてみてください。
人員確保
職員の人数が足りないと、時間だけではなく気持ちのゆとりもなくなってしまうのではないでしょうか。
しかし、求人を出していてもなかなか人が集まらないという現状もあるのかもしれません。
今の現場での改善や人員確保を期待するよりも、自分自身が変わることの方が快適に働くための近道になる場合もあります。
保育士の人数や業務量にゆとりのある保育園への転職を視野に入れるのもよいでしょう。
書類の記入項目を整理し統一する
保育で作成する書類には、内容が重複しているものがあったり、園によって様式が異なったりするため、戸惑う保育士さんもいるでしょう。
書類の内容を精査することは、今後の保育業界の中で課題のひとつかもしれませんね。
ICT化
近年保育現場で浸透しつつある業務のICT化。
そもそも、ICTとはパソコンやスマートホンなどの電子機器の通信技術を活用したコミュニケーションを意味します。
保育現場では、手書きだった連絡帳をアプリで入力したり出欠管理ができたりと、大きな業務削減となるでしょう。
中にはスマホやタブレットでの操作に苦手意識がある保育士さんもいるかもしれませんが、その場合はICTを柔軟に扱える職員が環境整備や導入をリードしていくとよいのではないでしょうか。
保育園だけではなく、本社の職員の協力も必要かもしれないですね。
シフトや事務作業時間の調節
シフト作成にも時間を要しますが、調節することで保育についての相談や会議も行いやすくなるでしょう。
書類の量や人員確保対策はすぐに実行することが難しいかもしれませんが、シフトを見直すことで保育から離れて事務作業ができる時間が捻出できるかもしれません。
会議のやり方を見直す
会議を夕方、もしくは夜に行う保育園はありませんか?
保育士さんは早番、遅番など出勤時間がバラバラにもかかわらず、遅い時間の会議はつらく感じるでしょう。
子どもが午睡中などに、クラスの代表や担任が会議に出て、参加できなかった職員に伝達するなどの工夫ができるとよいですね。
出典:令和元年度 保育士の業務の負担軽減に関する調査研究事業報告書/厚生労働省
サービス残業をしない保育士さんはいる!当たり前と思わず行動しよう
保育士さんのサービス残業について紹介しました。
サービス残業をなくしたい、持ち帰りでの仕事をやめたい、とはなかなかいい出しづらい職場や保育士さんもいるでしょう。
業務削減対策などは、上司が率先して行わなくてはならないかもしれません。
今の職場を改善することも大切ですが、つらい思いをしているのであれば、保育士さんの働く環境を変えてみるのもよいでしょう。
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