保育士お悩み相談 第08回「いつも笑顔で、がしんどい......」

保育のあるある ゆるりホッと相談室タイトル

Q.「いつも笑顔でいるのがしんどい......」
保育士は子どものためにいつも笑顔でいるべき、と言われますが、最近失敗続きで つい保育中にもため息をついたりしてしまいます。こんな私は保育士に向いていないのでしょうか?
A.笑顔は確かに大切ですね。では、なぜ、笑顔が大切なのでしょうか、考えてみましょう。


保育士お悩み相談 第8回「いつも笑顔で、がしんどい......」

笑顔は他人と自分を安心にさせます


笑顔の人と、そうでない人。接して気持ちよく感じるのは?はい、笑顔の人ですね。私たちは「気持ちよく感じる」つまり「快」を得ると「安心」します。逆に「不快」を得ると「不安」が生じます。感情にはいろいろな種類がありますが、根っこは、「快」「不快」の2種類で、生きるために(安心するために)快を求め、不快を解消もしくは避ける行動をとります。私たちの心の動きは、この「快・不快の法則」(安心と不安)に基づいています。
笑顔は最強の「安心アイテム」です。誰かの笑顔に、私たちは「安心」をもらいます。そして自分の笑顔は相手に「安心」をもたらします。だから、笑顔はとても大事なのですね。そして!自分の笑顔は、自分にも「安心」をもたらしています。


ため息をつくことは、心が動いていること


ため息をつく...この行為は、息を深く吐くことで、自分の中の不安を解消しようとする無意識の行動(自律神経が司っている)だということ、ご存知でしたか?ため息が出るということは、心が「不快を解消」しようと動いているということです。そして「心が動くこと」これこそが保育士にとって大事なことなのです。


保育士に向いているのは、子どもと一緒に「心を動かせる」人


私は、子どもの『心を育てる』ことを重視し、乳幼児期の環境や大人の関わり方が与える影響を説いています。子どもが、周りの大人や子どもたちと、気持ちのやり取りをし、「心を動かすこと」が大事なポイントになります。つまり、保育士に向いている人というのは、子どもとの「気持ちのやり取り」が好きで、子どもと一緒に「心を動かしていく」ことのできる人です。


ため息は、あなたの心が動いている証拠


保育中にため息...よろしいか、否かというと、あまり好ましい勤務態度ではないかもしれません。でも、なんとか不快を解消しようと「心が動いている」証拠なのです。失敗をしても心が動かない人ではなく、失敗をしてしまったから、心が動いたのです。決して、保育士に向いていない人ではありません。
失敗は、減らしていこうと思えば、必ず減らすことができます。減らないということは、方法が合っていないか、本当に減らしたいという気持ちになっていないか、どちらかです。
本当に失敗を減らしたいと思ったら、どうしたらいいのか、一人でうまくいかなければ、周りの人に相談する、手伝ってもらう、助けてもらう、ことです。


失敗は悪いことではありません。行動がうまくいかなかっただけ


そして、大切なのは、失敗は、「悪いこと」ではないと認識すること。あなたの失敗は、誰かに対する悪意があっての事ですか?違いますよね。人を困らせてやろう、苦しめてやろう、という思いでしたことではなく、ただ、行動や結果がうまくいかなかったのですよね?
「悪いこと」ではないので、自分を「悪い」と思わないでください。
まず、なに(行動)が失敗のもとだったのか、を考えます。「心」は、「自分が悪い」と思ってしまうと、不安になってしまいます。「心が悪かったのではなく、行動がうまくいかなかった」と考えてみてください。「心」は、「悪くないよ」と思ってもらえることで、安心します。


自分の心を安心させ、自然な笑顔を取り戻しましょう


心が安心すると、自然に笑顔も取り戻せます。安心と笑顔はセットのように、同時に存在します。あなたの笑顔が子どもたちの安心になります。そして、子どもたちの笑顔から、あなたも安心をもらったら良いのですよ。


子どもたちにとって、時にはニコニコ以外の表情だって必要


いつも笑顔でニコニコ...人間ですから、ニコニコ以外の表情もあります。子どもたちにとっても、人間の色んな表情を見て、感じていくことは必要な経験です。ただ、子どもたちに「安心」を感じてもらいたい時、そして自分自身も「安心」を感じたいとき、笑顔は最強の安心アイテムだということを思い出してくださいね。
※この連載では、現役の保育士の皆さんからのお悩みを募集しています。
こちら(info@hoikushibank.jp)まで、保育士お悩み相談と明記の上、お送りください。


プロフィール

内田淑佳(うちだよしか)
一般社団法人そだち 代表理事。心理カウンセラ―。
保育士、認可保育園の園長などを経て、一般社団法人を立ち上げ、子育て支援、保育運営サポート、研修講師を数多く務める。
カウンセラーとしてメンタルサポートの仕事に取り組みつつ、現役の保育士、保育教諭から主任・園長などの管理職、資格取得を目指して勉強中の人、潜在保育士などに向けて、保育の仕事の素晴らしさや、保育をする上で大切なことを伝え続けている。
ウェブサイト https://www.sodachi.net/

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