保育士お悩み相談 第10回「書類仕事が多く、保育内容にまで手が回らない!」

保育のあるある ゆるりホッと相談室タイトル

Q.「書類仕事が多く、保育内容にまで手が回りません!」
日案、週案、月案、誕生会やクラス懇談会、個人記録、グループ作りのためのグループ割表など日々の書類が多すぎて(副園長や園長に毎日提出することになっています)書類仕事に追われ、保育内容の充実まで手が回りません。一番大事なのは、保育の内容だと思いますが、書類には提出の義務もあります。どうしたら効率よくできるでしょうか?


A.どうしたら良い保育に繋がるのか、保育をよくするためにどうしたら良いか、職場の皆さんでお話してみてください。


書類仕事は保育業界の課題ですね。私は時々、中学校や高校の授業の一環で、保育の仕事について紹介する事があります。将来、保育士になりたい生徒さんから「何をやっておいたらよいか」という質問が来ると、「書く仕事もあるので、国語の勉強はしましょうね、読書もね」とお伝えしています。同じ勤務時間の中で同じ量の書き仕事がありますので、その要領、スピードが個人の差になります。同じ記録でも、Aさんが10分で書くところを、Bさんは1時間かかっている...となると、Bさんにとって50分のタイムロスがあるわけです。


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書類の量が多すぎないか、周囲とチェックしよう


書くスキルを個人的に上げるには、たくさん書く、つまり経験値を上げることと、よい書類をたくさん読むこと、例えば速い人の作成した書類を参考にすることです。
さて、ご質問は「書類が多すぎる」ということですよね。これは園の課題です。まず、本当に書類が多すぎるのか、あなたにとって、多くて負担なのか、職場の先生方とお話してみてください。分担して作成するべきところを、あなたの負担だけが大きくなっていないか、他の先生は要領よく書いておられて、特に多いと感じておられないのか、皆が「書類多すぎ!」と負担に感じておられるのか。
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「この書類は何のためにあるの?」を問い直そう


そこで皆が多すぎると感じておられるようならば、本当にその書類が必要なのか、検討することをお勧めします。必要な書類であるならば、減らすことはできません。ただ、書き方を工夫して業務としての負担を軽減する工夫はできると思います。
そういったことを、職場で(みんなで)検討することは、とても大事です。書類についても、実際に書く先生たちが、自分たちの意見を出して、検討していくべきです。
なぜなら、質問者様も仰っておられるように、大事なのは保育だからです。何のために書類がありますか?
まずそこが明確になっていないとダメです。「この書類は何のためにあるの?」ということ。
全ての書類は「子どものため」「保育のため」にあります。保育の質を上げ、子どもの安全のため、職員が(職員と保護者であったり、園外の大人であったり、が)連携をとって保育をするために、書類があります。
目的を達成するために書類がある。つまり、目的(保育)のためになっていないのであれば意味がないということです。


保育のために書類を書く、という意識を持ちたい


書類が多すぎて保育内容にまで手が回らない、というのは、とてもおかしな現象です。保育内容があって、それが書類という形に表現されます。保育内容の充実なくして書類だけあるのは全くおかしなことです。
提出義務があるから、書類を書くというのは目的が間違っています。保育を皆でするために書類の提出義務があるのであって、提出義務のために書いている書類には、意味がないということです。
まず、保育のために書類を書くという意識を持ってください。保育内容を充実させるために、書類を書くのです。保育のイメージ、子どものイメージが、しっかりあると書類もスムーズに書けます。
どうしても書きにくい書類であれば、職場の方に「何をイメージして書くのか」聞いてみてください。
目的が明確になれば、方法も見えてきます。
ただ「書類が多くて負担」と思っているだけでなく、どうしたら良い保育に繋がるのか、保育をよくするためにどうしたら良いか、職場の皆さんでお話してみてくださいね。


プロフィール



内田淑佳(うちだよしか)
一般社団法人そだち 代表理事。心理カウンセラ―。
保育士、認可保育園の園長などを経て、一般社団法人を立ち上げ、子育て支援、保育運営サポート、研修講師を数多く務める。
カウンセラーとしてメンタルサポートの仕事に取り組みつつ、現役の保育士、保育教諭から主任・園長などの管理職、資格取得を目指して勉強中の人、潜在保育士などに向けて、保育の仕事の素晴らしさや、保育をする上で大切なことを伝え続けている。
ウェブサイト https://www.sodachi.net/

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