保育園の3歳児・4歳児・5歳児クラスで楽しめる3月の製作には、どのようなものがあるでしょうか。ひな祭りや卒園式などの行事にちなんだモチーフや、春を連想させるたんぽぽ、つくしなどをテーマにするのもよいですね。今回は、幼児クラス向けの、3月にぴったりな製作アイデアを年齢別に紹介します。
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■目次
3月に向けて幼児クラスで製作をしよう
3月は、年度末を迎え、だんだんと春の陽気を感じるようになる時期ですよね。
ひな祭りやお別れ会、卒園式などさまざまな行事を控えるシーズンでもあるでしょう。
そんな季節に向けて幼児クラスの子どもたちと製作遊びを行い、1年を振り返るとともに新しい生活へのワクワク感などを育めるとよいかもしれません。
幼児クラスで行う3月の製作には、年齢ごとに以下のようなねらいが挙げられるでしょう。
- 3歳児:暖かな気候や季節の変化を感じ、自分なりに表現することを楽しむ
- 4歳児:春をイメージしながら身近な素材を使って製作に取り組む
- 5歳児:友だちと3月のイメージを共通させ、協力して作る楽しさを味わう
年齢ごとのねらいをふまえ、春の訪れに期待感を持てるような植物や、3月ならではの行事をテーマに製作してみるとよいかもしれませんね。
今回は、3歳児、4歳児、5歳児クラスで楽しめる3月にぴったりな製作を紹介します。
【3歳児向け】3月にぴったりな製作
まずは、3歳児向けの3月らしい製作アイデアを見ていきましょう。
卒園児へ贈るメッセージカード
3月にはお別れ会を開くという園も多いかもしれません。
在園児からの出し物として、手作りのメッセージカードをプレゼントしてみましょう。
用意するもの
- 画用紙 1枚
- 絵の具 3色
- プラ板(不要になったカードでもOK) 1枚
- はさみ
作り方
1.画用紙の片側に、絵の具を点で乗せます。(色ごとに位置をずらします。)
2.絵の具を巻き込むようにして画用紙の上でプラバンを横へスライドさせます。
3.絵の具が乾いたら、画用紙の余分な箇所をカットします。
4.模様の上からメッセージをかけばできあがりです。
ポイント
絵の具の色使いやかすれ具合で、子ども一人ひとりの「味」が生まれる製作です。
「そつえんおめでとう」「いつもあそんでくれてありがとう」など、3歳児からのメッセージをかけば、卒園児もよろこんでくれるかもしれません。
この製作は、以下の動画を参考に作り方を紹介しています。くわしい説明を知りたい方はチェックしてみてくださいね。
関連動画:カードを横に引くだけでキレイな模様が出来上がる♪メッセージカード/保育士バンク!
ひな祭り
3月3日のひな祭りに向けた製作アイデアをまとめました。
紙皿ひな人形
<用意するもの>
- 紙皿
- 折り紙
- 画用紙
- 紐
- カッター
- はさみ
- のり
- パンチ
<ポイント>
紙皿を丸く切り抜く工程は先生が事前に済ませておきましょう。
3歳児は、はさみを使いはじめる子どもも増えてくる頃なので、先生が紙皿に切り取り線をかいておき、線に沿って切ることに挑戦してみてもよいですね。(詳しい作り方はこちら)
乳酸菌飲料のひな人形
<用意するもの>
- 乳酸菌飲料の容器 2個
- 毛糸 3色(赤、青、白)
- 画用紙(黄色、黒)
- 接着剤
- はさみ
- ペン
<ポイント>
先生は、あらかじめひな人形の飾りのパーツを用意しておき、組み立てるところから子どもたちにやってもらいましょう。
毛糸を巻きつけて接着剤でとめるだけなので、3歳児であれば一人で作り上げられるかもしれません。(詳しい作り方はこちら)
3月の植物
3月らしい植物をモチーフして製作してみましょう。
紙皿で作るたんぽぽ
<用意するもの>
- 紙皿(大小1枚ずつ)
- 画用紙(白)
- クレヨンやペン
- はさみ
- のり
<作り方>
1.クレヨンやペンで紙皿に色をつけます。
2.先生は紙皿の凸凹している部分に等間隔で切る際の目安となる線をかきます。
3.子どもは(2)の線に沿って2枚の紙皿に切り込みを入れます。
4.大きな紙皿の上に小さな紙皿を重ねて、のりづけします。
5.白い画用紙の上に(4)を貼りつけ、たんぽぽの茎や葉っぱなどをかけばできあがりです。
<ポイント>
3月の壁画制作に活用できるたんぽぽの製作です。
紙皿に切り込みを入れる工程は、はさみを使い始めたばかりの子どもには少し難易度が高く、時間がかかるかもしれません。
先生はあらかじめガイドとなる線をかいておき、3歳児でもチャレンジしやすいように工夫しておきましょう。
つくし
春の時期に顔を出すつくしを作ってみましょう。
<用意するもの>
- 画用紙(つくしの頭と茎の部分)
- 絵の具
- ストロー
- 絵筆
- のり
<作り方>
1.つくしの頭の部分の画用紙の上に、絵筆で絵の具を垂らします。
2.ストローで(1)の絵の具に息を吹きかけて、模様づけをします。
3.絵の具が乾いたら、茎の部分の画用紙をのりで貼りつければできあがりです。
<ポイント>
吹き絵に使う絵の具は、多めの水を使って溶いておきましょう。
きれいに模様をつけるには、画用紙からストローを少し離し、横から吹くのがポイントです。
吹きかける息の強さや角度によって様々な模様が表れるので、個性あふれるつくしができあがりそうですね。
参考動画:ストローで絵の具を吹いて描く「吹き絵」/保育士バンク!
参考動画:ビー玉で不思議な模様を描いてみよう♪ビー玉アート/保育士バンク!
【4歳児向け】3月にぴったりな製作
次は、4歳児向けの3月らしい製作アイデアを見ていきましょう。
卒園児へのプレゼント
4歳児は、在園児代表として卒園式に出席するという園もあるかもしれません。子どもたちの感謝の気持ちを込めてプレゼントを製作してみましょう。
コーヒーペーパーで作るお花
<用意するもの>
- コーヒーペーパー 3枚
- 紙ワイヤー
- 絵の具
- テープ
- はさみ
<ポイント>
先生は、あらかじめコーヒーペーパーに花びらの模様をかいておきましょう。
一枚ずつワイヤーに巻きつけて花びらを作っていく工程は、4歳児にとって少し難しいかもしれません。
はじめのものよりも下の位置に巻きつけ、根元の部分にしわを寄せながら組み立てていくのがコツになります。上手くできない子どもがいたら、アドバイスしてみてくださいね。(詳しい作り方はこちら)
羽のしおりつき卒園メッセージカード
<用意するもの>
- 麻ひも 40cm 1本
- マスキングテープ 2種類
- 画用紙
- はさみ
<ポイント>
子どもたちが好きなデザインの羽を作れるように、マスキングテープは何種類か用意しておきましょう。
はさみで細かく切り込みを入れる工程は少し難易度が高いかもしれませんが、時間をかけて行えば4歳児でも挑戦できそうです。
メッセージカードのほかにも、アルバムやしおりなど、卒園のプレゼントに応用することができるので子どもたちと作ってみてくださいね。(詳しい作り方はこちら)
ひな祭りのリース
用意するもの
- 折り紙(リース用、無地や柄付き) 15cm×7.5cm 10枚
- 折り紙(飾り用)数枚
- のり
ポイント
このリースは、10個の折り紙のパーツを組み合わせて作ります。
そのため、クラスを3人程度のグループに分けて、作業を分担しながら取り組んでもよいでしょう。
4歳児は友だち同士で協力して遊ぶ姿も見られる時期なので、協調性を育みながら製作できるかもしれません。(詳しい作り方はこちら)
3月の植物
3月らしい春の植物をテーマにした製作を紹介します。
紙コップで桜の木
<用意するもの>
- 画用紙(ピンク、茶色)
- 紙コップ
- トイレットペーパーの芯
- 毛糸(赤)
- クリップ
- はさみ
- のり
<ポイント>
先生は、あらかじめ紙コップの側面の形にあわせて画用紙を切っておきましょう。
4歳児は、はさみで直線を切ったり円を切ったりできるようになる頃かもしれません。
しかし、画用紙の幅が狭いと切る際に難易度が上がってしまうので、動画よりも少ない折り目をつければ、カットしやすくなりそうですね。(詳しい作り方はこちら)
フラワーペーパーで作るたんぽぽ
<用意するもの>
- フラワーペーパー(黄色)
- 画用紙
- モールやワイヤータイ
- クレヨン
- のり
<作り方>
1.フラワーペーパーを蛇腹に折り、真ん中をモールなどで留めます。
2.1枚ずつ広げ、たんぽぽの花を作ります。
3.画用紙に(2)を貼りつけ、クレヨンで茎や葉っぱをかけばできあがりです。
<ポイント>
フラワーペーパーは細めに折ると、開いたときに花びらにボリュームが出て、豪華なタンポポとなります。
4歳児のなかにはポンポンを作ったことがない子もいるかもしれないので、先生が一度作り方の見本を見せてから進めるとよいでしょう。
【5歳児向け】3月にぴったりな製作
最後に、5歳児向けの3月らしい製作アイデアを紹介します。
卒園カウントダウンカレンダー
自分たちの卒園式までの日数を数える、カウントダウンカレンダーを作ってみましょう。
用意するもの
- 画用紙 8cm×10cm クラスの人数分
- 割りばし 1本
- 輪ゴム 3本
- 台紙に貼った画用紙 1枚
- 竹串
- のり
- 接着剤
- ペン
ポイント
数字に親しみのある子どもたちであれば、日数をかくところから取り組んでみましょう。
保育室内に飾るクラス用のものをみんなで協力して作りつつ、お家でもカウントダウンできるように、自分用のものを一人ずつ作ってもよいかもしれません。
画用紙が動かないように割り箸で固定するのが難しければ、友だち同士で押さえ合うなど協力して製作を進めるよう声かけしてみてくださいね。(詳しい作り方はこちら)
ひな祭り
保育園で迎える最後のひな祭り行事に向けて、ひな人形を作ってみましょう。
牛乳パックひな人形
<用意するもの>
- 牛乳パック 2本
- 画用紙(ひな人形の顔や飾り 2人分)
- 折り紙 2枚
- はさみ
- のり
<作り方>
1.2本の牛乳パックを、底から7cm程度残して切ります。
2.(1)の側面に折り紙を巻いて貼りつけます。
3.(2)のふちの部分に、画用紙で作ったひな人形の顔を貼りつけます。
4.扇や笏などの飾りを側面に貼りつければできあがりです。
<ポイント>
牛乳パックを切るのは少し力が必要になりますが、5歳児であれば挑戦できそうです。もし上手く切れない子どもがいたら、先生がいっしょにはさみをもってフォローしましょう。
牛乳パックの底をそのまま活用しているので、人形としてだけでなくちょっとした小物入れとしても使うことができますよ。
揺れるひな人形
<用意するもの>
- 紙コップ
- 色画用紙
- はさみ
- のり
<ポイント>
紙コップのふちを切る工程は、先生が切り方のコツを教えながら5歳児に挑戦してもらいましょう。
ひな人形の着物部分となる紙コップの側面は、子どもがペンで直接絵をかいたり、はじき絵をした画用紙を貼りつけたりして装飾すれば、オリジナルのひな人形ができあがりそうですね。(詳しい作り方はこちら)
3月の植物・食べ物
3月らしい植物や食べ物をテーマにして季節の製作を楽しみましょう。
ペーパークイリングで作る桜
<用意するもの>
- 画用紙 1枚
- 爪楊枝 1本
- はさみ
- カッター
- のり
<ポイント>
カッターで爪楊枝に切り込みを入れる工程は、安全に配慮しながら先生が行いましょう。
ペーパークイリングで桜の花びらを作るのは細かい作業なので、一人で作ると時間がかかるかもしれません。
また、桜を表現するためにたくさんパーツが必要になるので、子どもたちで分担して花びらを作るとよさそうです。
5歳児クラスの共同制作として、3月の壁画制作に活用してみてくださいね。(詳しい作り方はこちら)
チューリップ
<用意するもの>
- フラワーペーパー
- ワイヤー
- マスキングテープ(緑)
- ストロー
- 両面テープ
- はさみ
<ポイント>
チューリップの花びらを作る工程は少し難しいかもしれません。
きれいな花を表現するために、根元となるワイヤー部分を一度折り、フラワーペーパーが外側へ開くように癖をつけてみましょう。
ただし、外側に開きすぎるとチューリップらしさがなくなってしまうので、茎の部分を細くきれいにまとめることを意識して整えるのがポイントです。(詳しい作り方はこちら)
いちご
<用意するもの>
- 折り紙 1枚
- ペン
<ポイント>
折り方自体は比較的シンプルで難しい工程もないため、5歳児であれば自力で折り進めることができそうです。
3月の壁画製作に活用したり、大小さまざまないちごをたくさん作ったりして、子ども同士でいちご狩りごっこをして遊んでも楽しいかもしれませんね。(詳しい作り方はこちら)
3歳児・4歳児・5歳児の子どもたちと、春らしい3月の製作を楽しもう
今回は、3月に向けて保育園で3歳児、4歳児、5歳児が楽しめる製作を紹介しました。
幼児クラスの季節の製作には、自分のイメージを表現したり友だちと同じものを協力して作る楽しさを味わったりするねらいがあります。
年度末らしいお別れ会や卒園などの行事もありつつ、子どもたちが新しい生活への期待感を持ち始める3月。
桜やたんぽぽ、つくしといった季節感のあるモチーフを取り入れて、幼児クラスの子どもたちと製作遊びを楽しんでみてくださいね。