コロナ禍の中、保育士求職者への採用活動をどのように展開させるべきか、迷う担当者の方もいるかもしれません。WEB面接の導入や感染防止対策での注意点を把握し、人材確保に役立てていきましょう。このコラムでは、コロナ禍における採用活動で気をつけること、求職者との向き合い方などを詳しく解説します。
ryu-ko/shutterstock.com
コロナ禍における採用活動の実態
昨今の新型コロナウイルス感染症の拡大により、採用活動に大きな変化を生じています。
保育業界では、「対面の面接が難しい」、「転職フェアの参加予定が中止となった」など、人材確保がスムーズに進まない園もあるでしょう。
求職者側もまた、どのように転職活動を行えばよいのか戸惑う方も多いかもしれません。
このような不安を和らげるためにも、コロナ禍における採用活動の方法や注意点などを把握し、人材の補充に役立てていきましょう。
【面接方法別】コロナ禍における保育園の採用活動の注意点
求職者を採用する際は、基本的に書類選考後に面接を実施します。
オンライン上で面接を行う「WEB面接」を導入するケースが増えている一方で、対面面接を希望する担当者の方もいるでしょう。
コロナ禍で「WEB面接」や「対面面接」の実施する際の注意点について、詳しく紹介します。
WEB面接
WEB面接は、パソコンやタブレットなどを通じて面接を行います。インターネット環境が整っていれば、遠隔で場所を問わずにコミュニケーションが取れることから、コロナ禍においても活用しやすいでしょう。
WEB面接を実施する際の注意点を解説します。
環境を整備する
- ネットワーク環境や使用機器をテストする
求職者とオンライン上でやり取りを行うため、面接前にネットワーク環境を整え、使用機器がきちんと作動するのかテストをしっかり行いましょう。
ネットワークが不安定だと映像や音声などが乱れ、面接が中断になるケースもあります。
事前にパソコンやスマートフォンで現場の職員とビデオ通話などを行い、カメラの位置やマイクの音量などの安定性をテストしておくとよさそうです。
- ツールを選ぶ
WEB面接を行う際は、通話やチャット用のコミュニケーションツール、WEB会議ツールなど使用することでしょう。
無料のものもあれば、有料のものもあるため、費用なども考えたうえで利用しやすいツールを選ぶことが大切です。
また、有料のものは不具合などがあった場合にサポート体制が整っているものも多く、セキュリティー面なども含めて考えてみましょう。
求職者とWEB面接の方法を共有する
求職者がスムーズに面接を受けられるように、操作方法の手順書などを用意しておくとよいかもしれません。
その際に、求職者のネットワーク環境体制のフォローも行いましょう。メインの使用機器について、もし接続が上手くいかない場合に他にどのような機器を代替えとして利用できるか、確認することも重要です。
求職者の中には、WEB面接を初めて利用する方もいるかもしれません。当日の服装や面接時間なども合わせて伝え、不安のないように対応しましょう。
対面面接
コロナ禍の状況は理解しつつも、求職者と直接会って採用の合否を決定したいという保育園もあるかもしれません。
対面面接を行う際の注意点を紹介します。
面接時間を短縮する
コロナ禍のいま、感染リスクを抑えるためにも、一定時間以上会話が続かないよう配慮することが大切です。
目安となる面接時間を決め、スムーズに進行できるように工夫するとよいかもしれません。
求職者にあらかじめ保育観や勤務後のスケジュールなどのアンケートをとり、その項目に沿って面接を行うと進めやすいでしょう。
アンケートを取る時間がない場合は、面接前に質問事項の用意をして、求める人物像を明確にしておくと、時間の短縮につながりそうです。
感染症対策の徹底する
対面面接を行う前に、感染症対策を徹底することは重要です。
厚生労働省では、「職場における新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するためのチェックリスト」を発表しています。
資料によると、対面での打合せは換気とマスクを取り入れることや、人との間隔をできるだけ2m(最低1m)は空けることなどが挙げられています。
手洗いや消毒を行うことはもちろん、求職者と会話する際はパーテーションを設けるなどして、感染症対策にしっかり取り組んでいきましょう。
出典:職場における新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するためのチェックリスト/厚生労働省
関連記事:【採用担当者向け】保育士採用のWEB面接における人材の見極め方とは。身だしなみやトラブル対応/保育士バンク!
コロナ禍における保育士求職者との向き合い方
mapo_japan/shutterstock.com
採用の成功に向けて、コロナ禍における保育士求職者との向き合い方について詳しく紹介します。
コミュニケーションの取り方を工夫する
コロナ禍で転職活動を行っている求職者の中には、以前の状況と違うことで「採用のハードルが上がっているのではないか」、「休園などで転職しづらいかもしれない」など、不安を抱いている場合もあるでしょう。
特にWEB面接の際は、直接対面するよりも、パソコンやタブレットのカメラを通じてコンタクトを取ることから、応募者の表情や雰囲気がわかりづらい部分があり、お互いの距離感をつかみにくいかもしれません。
コミュニケーションが十分とれるように笑顔で応対するだけでなく、いつもよりも相槌を増やすなど、求職者が話しやすい雰囲気を作ることが大切になります。
また、連絡を取り合う際はメールや電話などを活用し、「コロナ禍という不安な状況の中でご応募してくださり、誠にありがとうございます。」、「体調に不安がありましたら、ご連絡ください。」など気遣いのある言葉を添え、不安を和らげるためにもこまめに連絡を取るとよいでしょう。
採用ミスマッチが起こらないよう対策を練る
採用したにも関わらず、早期離職などを招く「採用ミスマッチ」。
園側と求職者とのニーズにギャップがある状態をいい、勤務開始後に求職者側と施設側の希望条件が合わず、採用後にミスマッチが起こることも少なくありません。
「現場で働いてみると、求人票の記載内容と相違があった」、「面接時に聞いた勤務内容と違い、残業時間が長い」などの理由からすぐに辞めてしまう方もいるでしょう。
保育施設では園の感染症対策などで多忙なことから、求職者と充分なコミュニケーションが取れないまま、採用を決定することもあるかもしれません。
しかし、せっかく人材を確保しても求職者が辞めてしまえば、人手不足の状況を改善することは難しくなるでしょう。
特にコロナ禍の中で採用ミスマッチが起こると、人材の補充する際に応募が集まらないということも考えられます。
そのような状況を防ぐためにも、求職者としっかりコンタクトを取り、希望条件のすり合わせを行いながら、園の保育方針などもきちんと説明することが大切です。
写真やおたよりなどで園の様子を配信する
感染症対策の観点から園見学を実施しないまま、面接を行う園も多いことでしょう。行事や集会も中止し、人の出入りに制限をかけるなど、感染リスクを抑えるためにさまざまな対策を取ることは重要です。
しかし、求職者が園の雰囲気わからないことで不安を抱くこともあるでしょう。
写真や園だよりなどを普段の活動をメールで配信したり、電話やビデオ通話で保育方針を話したりすることで、園の雰囲気を伝えられるかもしれません。
また、園の行事や保育活動の動画があれば、その動画を求職者に送ることで働く際のイメージがつきやすいでしょう。
園の感染症対策について詳しく伝える
求職者に現状を理解してもらうためにも、書面や面接時に園の感染症対策がどのように行われているのか、きちんと伝えましょう。
コロナ禍の中で、「しっかり感染症対策を実施している園で働きたい!」と考える求職者は多いことが考えられます。
手洗い、うがいの徹底、換気の頻度、消毒対応など、現場での対策方法を具体的に伝え、安心して働ける環境であることを示すとよいでしょう。
コロナ禍における採用活動の注意点を把握して人材を確保しよう
感染症が拡大する中で人材を確保するためには、求職者の心に寄り添い、十分なコミュ二ケーションを取ることが大切です。
不安を和らげられるように、「気遣いのある言葉をかける」ということを意識するとよいかもしれません。
また、採用後も人材の定着に向けてメンタルケアなどを重視し、働きやすい環境を作り上げていきましょう。