今回は、千葉県で保育士として働きたいと考えている方へ向け、千葉県の保育士情報と自治体の取り組みを調べてみました。千葉県では、保育士確保をはじめとした保育士へのサポートが積極的に行われており、給与面でも全国平均を上回っている状態です。保育士として千葉県で働くことを検討してみるのもいいかもしれませんね。
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千葉県の保育士の現状
ここでは、千葉県の保育士の現状について調べてみました。
千葉県 | 年齢 | 勤続年数 | 労働時間 | 給与 | 賞与等 | 労働者数 |
保育士(男性) | 30.0歳 | 4.1年 | 169時間 | 279.1万円 | 654.0万円 | 430人 |
保育士(女性) | 34.7歳 | 5.8年 | 168時間 | 254.3万円 | 919.6万円 | 7060人 |
全国 | 年齢 | 勤続年数 | 労働時間 | 給与 | 賞与等 | 労働者数 |
保育士(男性) | 32.0歳 | 5.9年 | 168時間 | 260.3万円 | 703.7万円 | 13400人 |
保育士(女性) | 37.1歳 | 8.2年 | 169時間 | 238.0万円 | 707.9万円 | 216220人 |
出典:平成30年賃金構造基本統計調査/厚生労働省
千葉県の保育士の平均年齢
千葉県の保育士の平均年齢は男性が30歳、女性が34.7歳でした。全国では、男性が32歳、女性が37.1歳なので、千葉県の保育士はわずかではありますが、比較的若い方が活躍しているようです。
千葉県の保育士の勤平均続年数
千葉県の保育士の平均勤続年数は男性で4.1年、女性で5.8年でした。全国は、男性が5.9年、女性で8.2年です。
千葉県の保育士の平均労働時間
千葉県の保育士の平均労働時間は、男性で169時間、女性で168時間です。全国的に見てみると、男性が168時間で女性169時間と、千葉県の保育士の平均労働時間は全国とほぼ同じでした。
きまって支給する現金給与額(給与)
この金額は、各種手当や残業代が含まれており、所得税や社会保険料が控除される前の金額です。千葉県の保育士の毎月の給与は男性が279100円、女性が254300円です。一方、全国を見てみると、男性が260300円、女性が238000円です。比較をしてみると、千葉県の保育士の給料は全国に見て、高い水準に位置していることになります。
年間賞与その他特別給与額
この金額は、前年1年間のボーナスのことを指しています。千葉県の場合は、男性が654,000円、女性では919,600円です。全国平均では、男性が703,700円、女性では707,900円でした。千葉県の女性保育士は全国平均に比べて、約200,000円以上高い結果になりました。
千葉県の保育士の労働者数
千葉県の保育士の労働者数は男性が430人とかなり少なく、女性が7060人でした。千葉県の保育士の給与は全国平均より高いものの、労働者数は全国的に見ても多くない割合です。
千葉県の保育士に関する補助や取り組み
千葉県の保育士に対しての取り組みは、他県に比べて手厚い印象があります。千葉県が行う取り組みのほかにも、各市町村ごとにも取り組みがあり、県全体で保育士の処遇改善をしています。
保育士資格取得の特例制度への支援
子ども・子育て支援新制度における新しい幼保連携型認定子ども園の保育教諭になるためには、幼稚園教諭免許と保育士資格の両方の免許と資格が必要です。幼稚園教諭免許だけをもつ人の保育士資格の取得の支援をすることで、子ども・子育て支援新制度によって新たに始まった認定こども園の保育士の増加を後押ししています。
特例制度では、幼稚園教諭免許を持ち3年以上かつ4320時間以上の実務経験がある人が保育士資格を取得する際、いくつかの受験科目が免除される仕組みになっています。それに加え、指定保育士養成施設で指定の科目の講義を受けることによって、保育士資格を取得することができます。
千葉県のいくつかの自治体では資格取得にかかった費用の2分の1を補助する制度も取り入れており、さらに保育士資格の取得がしやすくなりました。
また、この特例制度は、令和元年9月4日に公布された「児童福祉法施行規則第六条の十一の二第一項の規定に基づき厚生労働大臣が定める基準の一部を改正する件」によって、令和6年度末まで延長することが決定しています。
出典:千葉県/千葉県保育教諭確保のための保育士資格取得支援事業
出典:千葉県/幼稚園教諭免許状を有する者における保育士資格取得特例制度
保育士修学資金等貸付制度
保育士修学資金等貸付制度は、保育士確保集中取組キャンペーンの一環として行われています。
保育士修学資金貸付
県内の指定保育士養成施設に在学する人、または県外の指定保育士養成に在学しており県内に住所がある人を対象に修学資金の貸付が行われます。 指定保育士養成施設を卒業後し、1年以内に保育士登録を行い、県内の保育所等で5年間継続して保育士業務に従事した場合は貸付金の全額が返還免除になります。
保育料の一部貸付
未就学児をもつ保育士が、県内の保育園などに勤務する場合などに、未就学児の保育料の半分を借りることができる制度です。貸付期間は1年間で、月額27000円までと定められています。県内の保育士として従事すると全額免除になります。
就職準備金貸付
保育士登録後1年以上が経ち、県内の保育園などに新しく勤務する人や離職後1年以上の人を対象に就職準備金として、40万円以内の貸付けを行います。県内で保育士として2年間勤務すると、貸付金が全額免除されます。
キャリアアップ研修
保育士のキャリアアップ研修とは
国によって2017年度に新しく導入された、保育士の昇格をサポートするキャリアアップ研修制度です。新しい役職が増えたことで、これまで以上に保育士の昇進、処遇改善がしやすくなりました。
保育士のキャリアアップ研修について詳しくはこちら
千葉県処遇改善事業
千葉県は独自に保育士の処遇改善の取り組みをおこなっています。千葉県の保育士の処遇を20000円改善することを目標に、県内の市町村の保育士の処遇改善事業に対して上限10000円の2分の1(政令市は4分の1)の補助をします。この補助により、市町村は保育士の処遇改善をより取り入れやすくなります。
保育士人材確保事業
保育士試験による資格取得支援事業
保育士試験に合格し保育園に保育士としての勤務が決まった際に、保育士資格取得までの学習にかかった費用の一部を補助があります。上限150000円で、2分の1の補助です。
保育補助者雇上強化事業
常勤保育士の業務負担を軽減するために、保育士資格をもたない保育士補助者の雇上げの費用を補助するものです。1つの事業所あたり年間2,215,000円の補助で、補助率を見ると、国が8分の6、県が8分の1、市町村が8分の1の割合です。
特に保育士確保が急がれる市町村の取り組み
千葉県内で待機児童が多いといわれているのが、船橋市、流山市、松戸市です。そこで、これらの市では、この問題の解決策として保育士の確保が最優先だという考えのもと、いろいろな取り組みを行ってます。保育士の確保に向けて、処遇改善や家賃補助などを積極的に取り組んでいます。
出典:ふなっしーも応援!船橋市内の保育園で働きませんか?/船橋市
千葉県の保育士のための窓口
千葉県で保育士になりたいと思ったら、まずどこに問い合わせるといいのでしょうか。ここでは、どの窓口を紹介します。
ちば保育士・保育所支援センター
ちば保育士・保育所支援センターでは、保育士資格を保有いるが保育園に勤務していない人や保育士を目指している人、現役で働いている保育士に対して、専門のコーディネーターがカウンセリングを行っています。 保育園などへの就職先提案や保育現場へ復職するための相談、現役保育士からの相談など、保育士にかかわることをサポートしています。 千葉県で保育士を目指そうと思った際には、まずは、ちば保育士・保育所支援センターに連絡してみるといいかもしれませんね。
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千葉県の保育士を目指してみては?
千葉県の保育士の現状や、保育士に対する自治体の事業や制度を見てきました。千葉県は県をはじめ市において、保育士の処遇改善を積極的に行っていることが分かります。その取り組みによって、千葉県の保育士の環境はますます働きやすくなり、保育士の労働人口も増えていくことが予想されます。保育士資格取得までの修学資金貸付も行っているので、これからは未経験から挑戦する人も増えてくるかもしれませんね。
千葉県の充実した保育士へのサポートのもとであれば、子どもたちの未来のために保育士として専念しながら従事することができるのではないでしょうか。