認可保育園と認可外保育園の違いとは?保育料や補助金、無償化の範囲などを解説!

認可保育園と認可外保育園のくわしい違いについてご存じでしょうか。認可の有無によって区別されていることはわかっても、設置基準や保育料など具体的な差異について知らない方もいるかもしれません。今回は、認可保育園と認可外保育園の違いについて解説します。また、保育士の転職に役立つポイントもまとめました。


おもちゃで遊ぶこども

MIA Studio/shutterstock.com

 

認可保育園・認可外保育園(無認可保育園)とは

そもそも、認可保育園と認可外保育園とはそれぞれどのような施設なのでしょうか。両者の違いについて解説する前に、簡単におさらいします。

 

認可保育園

 

認可保育園は、児童福祉法において「保育所」という名称で定められており、保育を必要とする乳児や幼児を保護者のもとから通わせて保育することを目的とする施設です。

 

厚生労働省管轄の児童福祉施設で、国が定めたさまざまな設置基準をすべてクリアしており、都道府県知事に認可されているという特徴があります。

 

認可外保育園(無認可保育園)

 

認可外保育園は、認可保育所よりも緩やかな基準が設けられている保育施設です。

 

「認可外保育施設」や「無認可保育園」と呼ばれることもあり、自治体独自の基準をクリアした「認証保育園」と呼ばれる施設も含まれます。

 

施設の広さや設備などに関して国が定める基準を満たしていないため、認可を受けていないのが特徴です。しかし、国の基準は満たしていないものの、保護者の多様化するニーズに応えていたり特色ある保育を提供していたりする施設が多いでしょう。

 

認可保育園と認可外保育園の概要をおさらいしたところで、次は両者の違いについて解説します。

認可保育園と認可外保育園にはどんな違いがある?

認可保育園と認可外保育園の主な違いは以下の4点です。

 

  • 設置基準
  • 補助金の有無
  • 保育料
  • 無償化の範囲

 

これらの違いについてくわしく示したのが以下の図です。

 

<認可保育施設と認可外保育施設の違い>


認可保育園と認可外保育園の違いの表

上記で示した項目以外にも、保育環境や運営方針、転職状況などもそれぞれ異なります。次で具体的に見ていきましょう。

 

出典:認可外保育施設の質の確保・向上について/内閣府

【項目別】認可保育園と認可外保育園の違い

認可保育園と認可外保育園の違いについて、一つずつ解説します。

 

設置基準

 

認可保育園の場合、厚生労働省によって年齢ごとに必要な保育士の配置基準が定められており、施設設備についても子ども1人あたりの広さが決められています。

 

一方、認可外保育園は国の定める基準を満たしていないものの、「認可外保育施設指導監督基準」によって、職員数や設備に関して一定の基準が設けられています。

 

無認可保育園であっても、厚生労働省の指針に基づいて各自治体の立ち入り調査が定期的に行われているため、適正な保育環境が整備されているようです。

 

補助金制度

 

認可保育園は、国及び自治体から補助金が出ます。

そのため、保育園の運営や設備、保育士の給料などが安定することも見込めるでしょう。

 

一方認可外保育施設は、国の基準を満たしていないため基本的に国や自治体から補助金を受けることができません。

 

しかし、自治体によっては独自の基準を満たした園に認証を与え、補助金を支給する場合もあるようです。

 

また、国は保育の受け皿確保の一環として、既存の認可外保育施設の認可化を推進しようとしています。そのため、認可を目指す施設に対し、設備の改修費や移行費などが補助される仕組みが整っているようです。

 

保育料

 

認可保育園の保育料は、国が定める上限の範囲内で各自治体が設定しています。

国や自治体から支給される運営費によって園を運営しているため、保育料を自由に設定することはできないようです。

 

一方、認可外保育園は原則として保護者からの保育料で運営をしているため、独自に料金を設定している園も多いでしょう。余裕をもって安定的に運営できるよう、認可保育園より高い保育料を設定している保育園もあるかもしれません。

 

無償化の範囲

 

認可外保育園の場合、3歳から5歳までの子どもたちの保育料は無償化となり、0歳から2歳までの子どもには、住民税非課税世帯を対象として無償化が適用されます。

 

一方、一時預かり事業や病児保育事業などを含む認可外保育施設の場合、保育の必要性の認定を受けた3歳から3歳までの子どもは月額3万7000円、0歳から2歳までの住民税非課税世帯の子どもは月額4万2000円まで保育料が無償化されることとなっています。

 

保育環境や規模

 

認可保育園は、国の基準を満たしている施設であるため、子どもを保育するうえでの「ある一定の水準」が保たれていると言えるでしょう。

 

その分広い敷地面積が必要となるため、駅から少し離れた場所などに立地していることが多いようです。

 

一方認可外保育園は、保護者のニーズに沿って運営されている園が多く、特に都市部では駅から近い小規模の保育施設が多い傾向にあります。そのため、園庭がなかったりビルの一室を使っていたりと、施設面積がややコンパクトな園もあるようです。

 

保育運営方針

 

認可保育園

公立の認可保育園は、各自治体で決められた保育計画に沿って運営しています。

 

一方私立の認可保育園は、各運営母体が独自に保育方針を定め、それぞれの方針に沿ったカリキュラムを運営しているようです。

認可外保育園(無認可保育園)

認可外保育園はさまざまな法人によって運営されており、運営母体や園長先生によって保育理念や運営方針が大きく異なることが特徴になります。

 

リトミック教育を取り入れたり、プリスクールのように英語教育に力を入れたりと、独自の教育を行う園もあるため、オリジナリティのある保育を求める保護者の方から人気があるようです。

 

転職状況

 

認可保育園

公立の認可保育園は、保育士の勤続年数が長いことや、公務員であるため福利厚生が手厚いことなどから離職率が低く、求人自体が少ない状況です。

 

また、公立保育園の民営化に伴い、近年は公立でも民間(主に社会福祉法人など)が運営する保育園の求人が出ているケースがあります。

 

私立の認可保育園は、社会福祉法人や株式会社など民間が運営しているため、全国展開している園もあります。また、求人はサイトや転職サービスに掲載されていることが多いので、公立保育園よりも園を探しやすく、転職活動もスムーズに進めやすいかもしれません。

認可外保育園(無認可保育園)

認可外保育園は、開園時間の長さや日数などが園の形態によって異なるため、幅広い選択肢のなかからさまざまな働き方を選べるのが特徴です。

 

また、施設によって保育内容が大きく異なるため、運動や英語、音楽など園ごとの保育方針の違いをしっかり見比べながら、自分にあった園選びがしやすいでしょう。

 

認可保育園でも無認可保育園でも、正職員以外に契約社員・派遣・パートなど多くの雇用形態の求人があります。

 

また、未経験からでもチャレンジできる求人も多数あるようなので、自分がどんな保育園で働きたいかを明確にしたうえで転職活動をスタートさせるとよさそうですね。

 

出典:認可外保育施設の質の確保・向上について/内閣府

出典:保育所利用の仕組み/厚生労働省

出典:よくわかる「子ども・子育て支援新制度」/内閣府

出典:幼児教育・保育の無償化概要/内閣府

認可保育園と認可外保育園で働くメリット

先生と遊ぶ子ども

maroke/shutterstock.com

 

認可保育園と認可外保育園のさまざまな違いを押さえたところで、それぞれの園で保育士として働くメリットについて見ていきましょう。

 

認可保育園

 

認可保育園で保育士として働くことにはどのようなメリットがあるでしょうか。

経営が安定的

一つ目のメリットとして、経営が落ち着いていることが挙げられます。

 

国から補助金が支給されるため、基本的に経営不振に陥りにくく安定して運営される傾向があるようです。

 

施設管理費や人件費のほとんどが公費でまかなわれているので、保育士さんの雇用状態も安定しやすいでしょう。一つの園で長く働き続けたい保育士さんにとっては魅力的なポイントかもしれませんね。

行事やイベントが豊富な傾向にある

二つ目のメリットとして、行事やイベントが豊富にあることが挙げられるでしょう。

 

一般的な認可保育園は園児が20名以上とされており、60名以上となる大規模園も多数あります。

 

そういった園はクラスも多く、広いホールや園庭があるなど施設環境も整っているケースがあるため、季節ごとの園行事が多い傾向にあるでしょう。

 

イベントや行事を子どもたちと楽しみ、成功させることにやりがいを感じる方にとってはメリットと言えそうです。

 

認可外保育園(無認可保育園)

 

一方認可外保育園で保育士として働くのにはどのようなメリットがあるでしょうか。

自身の得意分野を発揮して働ける

一つ目のメリットとして、自身の得意分野を活かして働けることが挙げられます。

 

認可外保育園のなかには、独自のカリキュラムを重視して運営したいために、あえて認可を受けていないというケースもあるようです。

 

英語やリトミック、ダンスなど施設によってさまざまな分野に力を入れているため、自分の理想とする保育を実現できる園を見つけられるかもしれませんね。

施設によってはゆったりと保育できることも

二つ目のメリットとして、ゆったりとした環境で保育ができるということが挙げられます。

 

院内保育や病児保育、企業主導型保育など、認可外保育施設は小規模で運営されることが多いでしょう。施設規模が小さい分、子どもも保育士の人数も少ない傾向が強いかもしれません。

 

一人ひとりの子どもとじっくりかかわり、落ち着いた保育をしたいという方にとって魅力的なポイントと言えそうですね。

認可保育園と認可外保育園に転職するときのポイント

認可保育園と認可外保育園で働くメリットをふまえたうえで、転職活動をするうえで押さえておきたいポイントを紹介します。

 

園見学に参加して雰囲気を確かめる

 

求人に応募する際は、園見学に参加し、施設の環境を確認するとよいでしょう。

 

無認可保育園や認証保育園などを含む認可外保育施設では、広々とした施設環境が整備されていないこともあります。

 

大規模園か小規模園か、また園庭やホールがあるかなどをチェックし、自身が理想とする保育を実現できる環境が整っているか確かめておくとよいかもしれません。

 

園の保育時間をチェックする

 

認可外保育園で働きたいと考えている場合は、保育時間の長さをチェックしておきましょう。

 

認可保育園の基本的な保育時間は11時間とされており、保護者からの要望があれば延長保育を実施する形が一般的です。

 

しかし、認可外保育園はもとから開所時間が長く設定されていることもあるため、勤務時間が長引いたり生活リズムが不規則になってしまったりすることもあるかもしれません。

 

仕事と私生活を両立させた働き方を希望する方は、園の保育時間も確認しておくとよいでしょう。

 

保育方針が自身の理想と合っているか確認する

 

認可保育園と認可外保育園では、保育方針やカリキュラムが異なります。そのため、自身の理想に近い保育を実践しているかを確認しましょう。

 

無認可保育園の場合、独自の保育理念を掲げていたり、英語教育に力を入れていたりと、ユニークな取り組みを行っている施設も多いようです。

 

のびのびとした保育や教育がしっかりした保育などさまざまなスタイルがあるなかで、自身が目指す保育を実現できそうな園を選びましょう。

 

待遇面を比較する

 

認可外保育園は、補助金がない分認可保育園で働くよりもお給料が低いことも考えられるでしょう。

 

その反面、保育料を独自に設定できるため、認可保育園より高い金額を設定して安定した運営を行っている園もあるかもしれません。

 

また大企業が運営母体の園では、保育士の福利厚生や休暇制度など待遇面がしっかりしていることもあるようです。そのため、給料や福利厚生などをしっかりと比較することが大切になるでしょう。

 

人員配置を確認する

 

国が定める配置基準を満たしていない認可外保育園では、ぎりぎりの人数でまかなっていたり人手不足になっていたりすることもあるかもしれません。

 

もちろん、定期的に自治体による立入調査が行われるため、一定の基準をクリアできていれば保育環境に問題はないでしょう。

 

ただし、余裕のある人員配置をしていなければ、休みを取りづらかったり残業が多くなってしまったりと保育士さんの負担が大きくなってしまうことも考えられます。無理なく働き続けるためにも、保育士の人数が足りているかどうかを確認することが大切です。

認可保育園と認可外保育園の違いをふまえて転職活動に臨もう

今回は、認可保育園と認可外保育園の違いや、転職する際に押さえておきたいポイントなどを紹介しました。

 

認可保育園は国の基準を満たしている児童福祉施設で、国から補助金を受けられるため安定した運営を見込めるのがメリットです。

 

一方認可外保育園は、国の基準を満たしていない反面、施設ごとに特色のある保育が提供されているという特徴があります。補助金は支給されないものの、保育料を独自に設定できるため、園によっては保育士さんの給料が高いこともあるかもしれません。

 

保育士として働くうえで、認可保育園にも認可外保育園にもそれぞれ異なるメリットがあります。両者の違いをしっかりと比較したうえで、自身に合った園選びをしてみてくださいね。

 

認可保育園や認可外保育園の保育求人を紹介

 

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