2月の製作にバレンタインを取り入れたい保育士さんもいるでしょう。チョコレートを贈るなど日本で人気のイベントですが、保育園では身近な人に感謝の気持ちを伝える日として取り上げることが多いかもしれません。今回は、バレンタインの製作アイデアについて紹介します。チョコレートやメッセージカード、プレゼントなどモチーフ別にまとめました。
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■目次
バレンタインにちなんだ製作遊びをしよう!
日本では家族や友人、恋人同士でチョコレートやプレゼントを贈る日として親しまれるバレンタイン。
街やお店でチョコレートが売られているのを見て、興味を持つ子どももいるかもしれません。
そもそもバレンタインとは、キリスト教の司祭である聖ヴァレンティヌスを讃える日です。
禁止されていた兵士たちの結婚式をこっそりと執り行い、処刑された聖ヴァレンティヌスですが、彼の処刑日である2月14日が恋人の守護神としてまつられるようになりました。
こうした出来事により浸透したバレンタインですが、行事にちなんだ製作を保育活動に取り入れるときは子どもたちにその由来や意味を伝えるとよいでしょう。
具体的には以下のような点を意識するとよさそうです。
- 簡単に言葉で伝え、行事の意味や海外の文化に親しめるようにする
- 作ったものをおうちの人や友だちに渡して、感謝の気持ちなどを伝えるきっかけにする
「バレンタインは大事な人にありがとうの気持ちを伝える日なんだよ」のように説明すると、子どもたちも親しみを持ってくれるかもしれません。
今回は、保育園のバレンタイン製作のアイデアについて紹介します。
バレンタインの製作アイデア:チョコレート
まず、バレンタインの定番プレゼントであるチョコレートの製作アイデアから見ていきましょう。
デコレーションを楽しむハート型のチョコレート
茶色の画用紙をハート型にカットし、シール貼りや指スタンプを楽しみましょう。
用意するもの
- 画用紙(茶)
- 絵の具(各色)
- シール
- はさみ
作り方
1.画用紙をハートの形にカットします。
2.(1)に絵の具を使って指スタンプをします。
3.(2)が乾いたら、シールを貼って飾り付けてできあがりです。
ポイント
0歳児や1歳児で楽しめそうなオリジナルのチョコレート作りです。
絵の具の色を選ぶときは、茶色に映えるよう、ピンクや薄水色などパステル調の色を混色するとよいでしょう。
0歳児で行うときは、子どもが絵の具を口に入れないよう側で見守ることが大切です。
紙粘土で作るチョコレートトリュフ
茶色い紙粘土を丸めて、チョコレートのトリュフを作ってみましょう。
用意するもの
- 紙粘土
- 絵の具(茶)
- トリュフ用カップ
- ビーズ
- モール
- 接着剤
作り方
1.紙粘土に茶色の絵の具を混ぜます。
2.(1)を丸めて、トリュフ用カップに入れます。
3.ビーズや短くカットしたモールを貼って飾りつけたら、できあがりです。
ポイント
1歳児や2歳児から楽しめそうなチョコレートトリュフの製作です。
誤飲の危険がないよう、装飾品は絵の具や折り紙などで代用しましょう。
トリュフ用カップのほかにも、小さな箱に入れたり、紙コップに入れたりしてラッピングすることもできますよ。
本物のようなチョコケーキ
紙粘土でチョコクリームを作り、パティシエになりきってチョコケーキを作ってみましょう。
用意するもの
- 紙粘土
- ボウルなどの入れ物
- ゴム手袋
- 水
- 絵の具(茶)
- ホイップの袋
- ゴムベラ
- 牛乳パック
- はさみ
- ビーズなど(装飾用)
ポイント
紙粘土に茶色の絵の具を混ぜて、チョコレートクリームのケーキを作ってみましょう。
水を入れるときは、よく混ぜながら、少しずつ足していくとよいですね。
土台となるケーキにクリームを塗るときは、粘土で手が汚れてしまうかもしれません。
お手拭きを用意し、机にシートを敷いておきましょう。(詳しい説明はこちら)
ビー玉で模様をつけるチョコレート
絵の具のついたビー玉を転がして、不思議な模様をつけてみましょう。
用意するもの
- ティッシュの空き箱
- 画用紙 2枚
- 絵の具 3色
- ビー玉 3個
- ポリ手袋
- はさみ
- マスキングテープ
作り方
1.四角い画用紙とハート型の画用紙を用意し、ハート型の画用紙の裏にマスキングテープをつけて貼り付けます。
2.ティッシュ箱の上の面をカットし、中に(1)の画用紙を入れます。
3.絵の具を溶いたカップにビー玉を入れ、しっかりと絵の具をつけます。
4.(3)のビー玉を(2)の箱の中に入れ、転がして色をつけます。
5.十分に色が付いたら、画用紙を取り出してハートの画用紙を外します。
6.四角い画用紙の白い部分にメッセージをかいたらできあがりです。
ポイント
箱を前後左右に傾けるだけなので、1歳児や2歳児頃から挑戦できそうな工作です。
絵の具を塗るときに、上からハートの画用紙でカバーをするため、ハートの形が白く残るという仕組みになっています。
ハート以外にも、丸やお星さまなどいろいろな形で作ってみましょう。
参考動画:ビー玉アートでバレンタインメッセージカード/保育士バンク!
チョコレートやハートのモビール(再生時間:0:43~)
クロスしているハート型チョコレートのモビールを作って、保育室をバレンタインらしく飾りつけましょう。
用意するもの
- 画用紙(赤、茶)
- ハート型の型紙
- タコ糸
- はさみ
- のり
ポイント
クロス部分を作るとき、貼りつけ方がわからない子どももいるかもしれません。
子どもが見ながら作れるようにいくつか見本を用意し、保育士さんが補助しながら製作できるようにしましょう。(詳しい説明はこちら)
バレンタインの製作アイデア:メッセージカード
次に、身近な人に日頃の感謝を伝えられるメッセージカードのアイデアを紹介します。
紐通しで作るハートのメッセージカード
毛糸を使った紐通しで、温かみのあるメッセージカードを作ってみましょう。
用意するもの
- 厚紙 1枚
- 画用紙 1枚
- ハート型の型紙
- 毛糸
- つまようじ 1本
- テープ
- キリ
- のり
- はさみ
- 鉛筆
- クレヨンや色鉛筆
ポイント
指先を上手に使えるようになる4歳児頃から楽しめそうな製作です。
つまようじの先端でけがをしないよう、先を削ったりテープで保護したりしておきましょう。
この製作を作るときは、毛糸の太さや穴の大きさを調整し、子どもが作りやすいよう工夫できるとよいですね。 (詳しい説明はこちら)
絵の具を使ったおしゃれな模様のメッセージカード
プラスチックのカードを利用して、おしゃれな絵の具模様のメッセージカードを作ってみましょう。
用意するもの
- 画用紙 1枚
- 絵の具 3色
- プラ板(不要になったカードでもOK) 1枚
- はさみ
- 油性ペン
作り方
1.各色の絵の具を画用紙に乗せます。
2.絵の具を巻き込むようにプラ板を横へスライドさせます。
3.余分な部分をカットします。
4.油性ペンでメッセージをかき込んだらできあがりです。
ポイント
簡単に作ることができるため、3歳児頃から取り入れられそうです。
絵の具を塗りつける工程では、力を入れすぎないよう、ゆっくりとスライドするとよいでしょう。
さまざまな色の組み合わせを使って、子どもの個性があふれる作品を作ってみてくださいね。
スクラッチで模様が浮き出るメッセージカード
削るまで何がかいてあるかわからない、ドキドキ感を楽しめるメッセージカードを紹介します。
用意するもの
- 画用紙
- 色鉛筆
- 透明テープ
- はさみ
- 食器用洗剤
- アクリル絵の具
- 絵の具筆
ポイント
絵の具を塗ったあとは、カードが重ならないように並べ、風通しのよいところでしっかり乾かしましょう。
スクラッチの下にメッセージをかいておき、おうちの方にサプライズをするのもよいですね。
文字がうまくかけない子どもの場合、どんなことを書きたいのか聞き出し、お手本を見せるようにしましょう。 (詳しい説明はこちら)
バレンタインの製作アイデア:プレゼント
家族や友だちに贈ることができるプレゼントの製作を紹介します。
紙コップを使ったプレゼント
紙コップを活用したプレゼントのアイデアを2つまとめました。
回すとイラストが出てくる紙コップのプレゼント
重ねたコップを回転させると、子どもがかいたイラストがでてきます。
おうちの人の似顔絵をかいて、プレゼントしてみましょう。
<用意するもの>
- 紙コップ 2個
- 似顔絵
- ペン
- 鉛筆
- 色鉛筆
- カッター
- のり
<作り方>
1.紙コップに鉛筆で大きくハートをかきます。
2.(1)の線の通りにカッターでカットします。
3.カットしたところのフチをペンで塗って色をつけます。
4.色鉛筆で色を塗ります。
5.もう一つの紙コップを用意し、似顔絵を貼りつけます。
6.(5)の反対側におうちの方へのメッセージをかきます。
7.(4)と(6)の紙コップを重ねればできあがりです。
<ポイント>
カッターを使う工程は保育士さんが行いましょう。
紙コップがつぶれないよう、しっかりと手で持ちながらカットするとよさそうです。
似顔絵をかくときは、紙コップに貼れるサイズにかくことが大切です。
保育士さんがあらかじめカットした紙にかくようにするとスムーズかもしれません。
プレゼントにぴったりなギフトボックス
<用意するもの>
- 紙コップ
- 色画用紙
- リボン
- はさみ
- のり
- マスキングテープ
<ポイント>
前準備として、コップのふちをカットしておきましょう。
子どもがはさみを入れる部分には、切り取り線をかいておくとわかりやすいかもしれません。
リボンやマスキングテープで装飾する他にも、シールや折り紙を貼ってもよいでしょう。
子どもが自分の発想を活かして製作できるよう、素材を用意しておくとよいですね。 (詳しい説明はこちら)
折り紙を使ったプレゼント
子どもが楽しめる簡単な折り紙を使ったプレゼントのアイデアを紹介します。
プレゼントボックス
折り紙の表面と裏面の色を活用したプレゼントボックスの折り方をみていきましょう。
<用意するもの>
- 折り紙
<ポイント>
折り紙を始める前に、「色のついているほうが表、白いほうが裏」であることを説明しておくとよさそうです。
リボンの袋折りの部分は細かい作業が必要なため、難しいと感じる子どももいるかもしれません。
保育士さんがお手本を見せながら行うなど、個別に対応できるようにしましょう。 (詳しい説明はこちら)
折り紙ハートのチョコレート
折り紙を使って、バレンタインにぴったりなハートの形のチョコレートを作ってみましょう。
<用意するもの>
- 折り紙(茶)
<ポイント>
簡単な折り方なので、3歳児くらいからチャレンジできそうです。
折るときには、しっかりと目印となる折り目や角に合わせて折れるように「真ん中の線にぴったんこしてね」のように声をかけましょう。
茶色のチョコレートの他にも、ピンクや赤色の折り紙を使ってラッピングの装飾にしてもよいかもしれません。(詳しい説明はこちら)
フェルトのキャンディバッグ
フェルトを編んで作るキャンディバッグを紹介します。
用意するもの
- フェルト生地
- はさみ
ポイント
フェルト生地をカットする工程は保育士さんが準備しておきましょう。
はさみや針などを使わずに作れるため、子どもたちにも安心して遊んでもらえそうなアイデアです。
編むのが得意な子どもには、他の子どもたちの先生役として教えてもらえば、スムーズに製作ができるうえ、先生役の子どももうれしくなるかもしれません。(詳しい説明はこちら)
バレンタインの製作を通して、友だちや家族に感謝の想いを伝えよう
今回は、バレンタインをテーマにした製作のアイデアを紹介しました。
保育園では、簡単に由来を伝えて海外の文化に親しんだり、おうちの人や友だちに作品を渡して、感謝の気持ちなどを伝えるきっかけにしたりするのがよいかもしれません。
折り紙や紙コップなどを活用した製作のほか、毛糸の紐通しやフェルトの編みこみなど冬足しい素材を取り入れたアイデアもあります。
2月にバレンタインの製作を取り入れて、身近な人に感謝を伝えるきっかけ作りをしてみましょう。