保育にデカルコマニーを使った製作を取り入れてみましょう。とんぼやちょうちょのほか、行事に役立つこいのぼりなどもきれいに作ることができますよ。今回は、保育園で楽しめるデカルコマニーを活かした製作を紹介します。あわせて、デカルコマニーとはどのような技法なのか、保育に導入するねらいなどもまとめました。
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保育園の製作にデカルコマニーを取り入れよう
保育園で気軽に楽しめるうえ、芸術的な作品に仕上がるデカルコマニー。
製作活動にデカルコマニーを取り入れているという保育園は多いようです。
まずは、デカルコマニーとはどのような技法なのか見ていきましょう。
デカルコマニーとは
デカルコマニーとは、フランス語で「転写」を意味する言葉です。
画用紙などの紙の半面に絵の具をつけ、半分に折ったり別の紙をのせたりして模様を転写させる技法を指します。
ねらい
デカルコマニーを保育に取り入れるねらいとして、以下が考えられるでしょう。
- 左右対称の模様が簡単にえがけることを知る
- さまざまな色の絵の具を使って、偶然できる模様を味わう
- 絵の具の色が混ざり合う様子をを楽しむ
活動のねらいを踏まえていろいろな色の絵の具を用意すれば、子どもの創作意欲も高まるかもしれませんね。
デカルコマニーの基本的な遊び方
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では、デカルコマニーの基本的なやり方を紹介します。
用意するもの
- 画用紙
- 絵の具
- 筆
やり方
1.画用紙を半分に折って折り目をつけます。
2.(1)の画用紙の半面に、自由に絵の具をつけます。
3.(1)の画用紙を半分に折り、上から押しつけて転写します。
4.(1)の画用紙を再び開けば、できあがりです。
絵の具を塗ってから時間をおくと、乾いて模様が写りにくくなります。
そのため、絵の具をつけたらすぐに画用紙を半分に折って転写するのがポイントです。
ポイント
デカルコマニーは、保育士さんといっしょであれば乳児クラスから楽しめそうです。
0歳児や1歳児クラスであれば、筆を使って色をつける代わりに、指で直接絵の具を塗るのもよいでしょう。
また、筆を使わずに絵の具のチューブから直接画用紙に色を乗せても、デカルコマニーの製作を楽しめそうです。
関連動画: デカルコマニーで不思議なお絵かき/保育士バンク!
【日常保育編】デカルコマニーを使った製作
日頃の保育に、デカルコマニーを使った製作を気軽に取り入れてみましょう。
1.ちょうちょ
用意するもの
- 画用紙(白)
- 絵の具(数色)
- のり
- はさみ
製作のポイント
デカルコマニーの技法を用いれば、簡単にカラフルな色合いに仕上げることができますよ。
アレンジとして、できあがったちょうちょにモールで触覚を作ってみるのもよいですね。
ちょうちょに割りばしをつけて、歌に合わせてパタパタと羽根を動かしながら歩くと楽しいかもしれません。(詳しい作り方はこちら)
2.とんぼ
用意するもの
- 画用紙(白)
- 絵の具(数色)
- のり
- はさみ
作り方
1.白い画用紙をトンボの羽根が4枚つながっている形に切ります。
2.(1)の片面に、数色の絵の具をランダムに乗せます。
3.絵の具が乾かないうちに、(2)の画用紙を半分に折ってしっかりと押さえます。
4.(3)を開いて乾かしたら、画用紙で作ったトンボの胴体や目をつけるとできあがりです。
製作のポイント
左右対称の形を活かして、きれいな羽根のとんぼを作りましょう。
子どもが画用紙を羽根の形に切る工程を行えば、はさみを使う練習になるかもしれません。
とんぼに紐をつけて天上からぶらさげれば、秋の保育室の装飾としても活用できそうですね。
3.花畑
用意するもの
- 画用紙
- 模造紙
- 絵の具(数色)
- のり
- はさみ
作り方
1.画用紙を半分に折って開き、片面に数色の絵の具をランダムに乗せます。
2.絵の具が乾かないうちに、(1)の画用紙を半分に折ってしっかりと押さえます。
3.(2)を開いて絵の具を乾かしたら、花の形に切ります。
4.(3)をたくさん作り、模造紙に貼ればできあがりです。
製作のポイント
さまざまな色の絵の具を使って、色とりどりの花を共同製作してみましょう。
大きさの異なる花を作って貼りつけるのも、素敵かもしれません。
緑色や黄緑色の絵の具で作ったデカルコマニーの葉っぱを貼って仕上げてもよいですね。
4.手袋
用意するもの
- 画用紙
- 絵の具(数色)
- 毛糸
- のり
- はさみ
作り方
1.画用紙を半分に折って手袋の形に切り、左右1枚ずつの手袋を作ります。
2.(1)の手袋1枚に数色の絵の具をランダムに乗せます。
3.絵の具が乾かないうちに、もう1枚の手袋を(2)の上に重ねてしっかりと押さえます。
4.それぞれの絵の具が乾いたら、毛糸でつなげるとできあがりです。
製作のポイント
親指以外の4本の指がまとまっている手袋の形をイメージしながら作ってみましょう。
デカルコマニーの技法を使ってニット帽やマフラーなどもいっしょに作り、冬の壁面装飾に活用するのもよいですね。
5.ドーナツ
用意するもの
- 画用紙
- 絵の具(数色)
- のり
- はさみ
作り方
1.画用紙を半分に折って開き、片面に数色の絵の具をランダムに乗せます。
2.(1)の絵の具が乾かないうちに、画用紙を半分に折ってしっかりと押さえます。
3.(2)を開いて乾かしたら再度画用紙を半分に折り、ドーナツ形に切ればできあがりです。
製作のポイント
ピンクはいちご、黄色はレモンのジャムなど、丸シールをトッピングに見立てて貼ればおいしそうな見た目に仕上がりそうですね。
6月の第1金曜日は「ドーナツの日」と定められているので、行事にあわせてドーナツやさんごっこに発展させて遊ぶのも楽しいかもしれません。
【行事編】デカルコマニーを使った製作アイデア
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行事で活用できる、デカルコマニーを使った製作を紹介します。
6.こいのぼり
用意するもの
- 画用紙(赤、青、黒)
- 絵の具(数色)
- のり
- はさみ
作り方
1.画用紙をこいのぼりの形に切ります。
2.(1)を横長になるよう半分に折って折り目をつけ、片面に数色の絵の具を乗せます。
3.絵の具が乾かないうちに、(2)の画用紙を半分に折ってしっかりと押さえます。
4.(3)を開いて乾かし、画用紙で作ったこいのぼりの目をつけるとできあがりです。
製作のポイント
5月の子どもの日に向けて取り組むのにぴったりな製作です。
こいのぼりの鱗の模様も、デカルコマニーの技法を使えば美しくえがくことができるでしょう。
7.ワイシャツ
用意するもの
- 画用紙
- 絵の具(数色)
- 丸シール
- はさみ
作り方
1.画用紙をワイシャツの形に切ります。
2.(1)を縦半分に折って開き、数色の絵の具をランダムに乗せます。
3.絵の具が乾かないうちに、(2)の画用紙を半分に折ってしっかりと押さえます。
4.(3)を開いて乾かしたら、丸シールをボタンに見立てて中央にいくつか貼ればできあがりです。
製作のポイント
父の日に向けて、いろいろな模様のシャツを作りましょう。
仕上げに子どもからのメッセージを添えれば、お父さんのよろこぶプレゼントになるかもしれません。
またアレンジとして、保育士さんがあらかじめうさぎやくまなどの壁面製作を保育室に貼っておき、子どもの作ったシャツを重ねて完成させてもよいですね。
8.花火うちわ
用意するもの
- うちわ
- 画用紙(黒)
- 絵の具(白、ほか数色)
- のり
- はさみ
作り方
1.黒い画用紙の片面に、数色の絵の具を乗せます。
2.(1)の絵の具が乾かないうちに画用紙を半分に折って、しっかりと押さえます。
3.(2)を開いて乾かしたらまるく切り、うちわに貼りつけるとできあがりです。
製作のポイント
保育園の夏祭り行事に向けて製作してみましょう。
どのように絵の具を塗れば中央から外側に向かって花火が広がるのか考え、工夫しながら取り組む子どもの姿が見られるかもしれませんね。
9.きのこ
用意するもの
- 画用紙(2色)
- 絵の具(数色)
- のり
- はさみ
作り方
1.画用紙を半分に折り、きのこの傘の形になるように切ります。
2.(1)の片面に数色の絵の具をランダムに乗せます。
3.絵の具が乾かないうちに、(2)の画用紙を半分に折ってしっかりと押さえます。
4.(3)を開いて絵の具を乾かしたら、もう1枚の画用紙できのこの軸を作って傘の下に貼り合わせたらできあがりです。
製作のポイント
画用紙や絵具など自由な色を使って、カラフルな模様のきのこを作りましょう。
仕上げに、きのこのヘタにクレヨンで顔をかいてもかわいいかもしれませんね。
秋の壁面製作として、保育室を賑やかに演出できそうです。
10.クリスマスツリー
用意するもの
- 画用紙(緑、茶、黄)
- 絵の具 3色
- 鉛筆
- はさみ
製作のポイント
乳児クラスで行う場合は、保育士さんがあらかじめ画用紙をツリーの形に切っておくとスムーズに取り組めるでしょう。
できあがった作品をクリスマスシーズンの壁面装飾に活用してもすてきかもしれませんね。(詳しい作り方はこちら)
保育園の製作に、きれいな模様がえがけるデカルコマニーを取り入れよう
今回は、保育園で楽しめるデカルコマニーを使った製作について、アイデアをまとめました。
デカルコマニーは、筆を使わず指で直接えがくようにすれば、乳児クラスの子どもでも取り組めるでしょう。
技法を活かせばきれいな模様のとんぼやちょうちょ、クリスマスツリーなどを製作できるので、季節ごとの壁面装飾に活用して保育室をカラフルに彩るのもよいですね。
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