保育園では、電車ごっこを楽しむ子どももいるかもしれません。保育士さんは、いろいろな遊び方を展開したり、手作りおもちゃを使って遊びを盛り上げられたりできるとよいですね。今回は、保育園で活用できる電車ごっこのやり方を紹介します。遊びのねらい、ダンボールを使った線路や車両の手作りおもちゃについてもまとめました。
MIAStudio/shutterstock.com
■目次
保育園で電車ごっこを楽しもう
ままごとやお店屋さんごっこなど、子どもが好きな再現遊びのひとつに電車ごっこがあるでしょう。
電車ごっこでは、電車のつもりで列になって歩いたり、車掌さんになりきったりする姿が見られるかもしれません。
保育のねらいとして、以下のものが当てはまりそうです。
- 友だちと電車のイメージを共有して遊ぶ
- 電車に乗ったときのことを思い出して表現したり伝え合ったりする
- 信号や標識に親しみを持ち、それらの意味を知ろうとする
保育士さんは、絵本や図鑑を見て電車への興味が深まるようなかかわりをしたり、「ドアが閉まります」「切符をお願いします」などイメージが広がる声かけをしたりできるとよいですね。
【乳児向け】保育園の電車ごっこ遊び
ここでは、乳児の子どもが楽しめる電車ごっこの遊び方を紹介します。
フープを使った電車ごっこ
フープに入って電車になりきって遊んでみましょう。
用意するもの
- フープ
遊び方
1.フープの中に入り、腰の当たりで持って電車になりきります。
2.広い場所で、電車になって走りましょう。
ポイント
フープは軽量なうえ当たっても痛くないので、1歳児や2歳児の子どもたちも安全に遊べそうですね。
ビニールテープを床に貼り、線路を作ってもよいでしょう。
保育士さんが踏切役になり、「かんかんかん、踏切です」と通せんぼをするのも楽しいかもしれませんね。
保育士に引いてもらう電車ごっこ
ダンボール製の電車に乗って、引っ張ってもらって楽しむ電車ごっこを紹介します。
用意するもの
- ダンボール
- 画用紙 各色
- ビニールひも
- はさみ
- のり
- きり
- カラーガムテープ
遊び方
1.ダンボールの底をガムテープで補強します。
2.画用紙で電車の模様をつけます。
3.前面にきりで穴を開けて、引っ張るためのビニールひもをつけてできあがりです。
4.子どもは中に入り、大人が引っ張って遊びましょう。
ポイント
ひもをつける部分をガムテープで補強したり、ダンボールの底を二重にしたりしておくと、繰り返し遊んでも壊れない耐久性の強い電車になりそうです。
遊ぶときは、必ず子どもの方を見ながら引っ張ることが大切です。
ひもを上の方に向かって引っ張ると、子どもが後ろ向きに転倒するおそれがあるため、注意しましょう。
運転手になりきる電車ごっこ
ダンボールの電車をひいて運転する遊びをしてみましょう。
用意するもの
- ダンボール
- 画用紙 各色
- ビニールひも
- はさみ
- のり
- きり
- プラスチックのリング(取っ手用)
- カラーガムテープ
遊び方
1.ダンボールの底をガムテープで補強します。
2.画用紙で電車の模様をつけます。
3.前面にきりで穴を開けて、引っ張るためのビニールひもをつけます。
4.(3)の先端に、取っ手用のプラスチックリングをくくりつけてできあがりです。
5.中に人形やぬいぐるみを乗せ、引っ張って遊びましょう。
ポイント
子どもが簡単に握れるように、プラスチックのリングなどで取っ手をつけるとよいでしょう。
引っ張って歩き回ることを楽しめるため、歩けるようになった0歳児後半や1歳児ごろから取り入れるとよいかもしれません。
参考動画:【コマ撮り】乳児向け!保育園で遊べる「電車ごっこ」/保育士バンク!
みんなで乗り合わせる電車ごっこ
ソフト積み木や長いクッションにまたがり、電車に見立てて遊んでみましょう。
用意するもの
- ソフト積み木(長方形) 数個
遊び方
1.ソフト積み木を長椅子のように並べて、そこに座ってもらいます。
2.電車の歌を歌いながら、運転手になりきって楽しみます。
ポイント
座るためのソフト積み木やクッションは、子どもがまたがることができる低いタイプのものを用意するようにします。
またがり座りが安定しない場合は、前を向いて座るようにしましょう。
新聞紙を棒状に丸めて輪っかにしたハンドルを持てば、運転手のようにハンドルを切って遊べそうですね。
【幼児向け】保育園の電車ごっこ遊び
ANURAK PONGPATIMET/shutterstock.com
幼児クラスで楽しめる電車ごっこをみていきましょう。
ひもを使った電車ごっこ
輪っかに結んだひもを使う、簡単な電車ごっこを紹介します。
用意するもの
- ひも
遊び方
1.ひもを輪っか状に結びます。
2.中に入って列になり、電車に乗ったイメージで遊びます。
ポイント
ひもがない場合は縄跳びをつなげて輪っかを作ってもよいでしょう。
準備入らずで簡単に遊べるので、戸外での自由遊びに取り入れるとよいかもしれません。
「てつぼう駅」「かだん駅」など、園庭にあるものを駅に見立てて遊ぶのも楽しそうですね。
1人乗りの電車ごっこ
ダンボールで1人乗りの電車を作って遊んでみましょう。
用意するもの
- ダンボール(子どもが入れるサイズの箱)
- 画用紙 各色
- ビニールひも
- はさみ
- のり
- きり
- ガムテープ
遊び方
1.ダンボールの底とふたの部分をカットします。
2.画用紙で電車の模様をつけます。
3.ダンボールの側面の上方に、きりで穴を開けます。
4.(3)にビニールひもを通して肩ひもをつくります。
5.(4)の結び目をガムテープで補強してできあがりです。
ポイント
肩からひもをかけてあそべる電車を作ってみましょう。
電車のデザインは、子どもが好きな色や車種で作るとよろこんでもらえそうですね。
車掌さんになりきれるよう、帽子やハンドルなどのおもちゃを手作りしてもよいかもしれません。
関連動画:電車好きの子どもは大喜び!段ボールで作る車掌さんの帽子/保育士バンク!
みんなで乗れる電車ごっこ
ダンボールをつなぎ合わせ、みんなで中に入って遊べる電車を紹介します。
用意するもの
- ダンボール 数枚
- 画用紙 各色
- ビニールひも
- はさみ
- のり
- きり
- ガムテープ
遊び方
1.ダンボールをガムテープでつなぎ合わせ、大きな輪っかを作ります。
2.(1)の側面に色画用紙を貼って電車の模様をつけます。
3.(2)の側面の上方にきりで穴を開けて、ビニールひもの取っ手をつけたらできあがりです。
4.中に入り、取っ手を持ちながら遊びましょう。
ポイント
ダンボール電車の高さは、子どもの腰からももの真ん中当たりになるよう、サイズを調整するとよさそうです。
側面に無地の画用紙を貼って、子どもに自由にお絵かきをしてもらうのもよいかもしれませんね。
保育園で電車ごっこをするときのポイント
電車ごっこを保育に取り入れるときのポイントをまとめました。
電車のイメージを引き出せるようかかわる
子どものイメージをもとに遊びが展開する電車ごっこでは、保育士さんが子どもの発想のきっかけとなるようなかかわりができるとよいでしょう。
毎日の活動に電車の歌や手遊びを取り入れたり、子どもたちが自発的に読めるよう絵本棚に電車にかかわる絵本や図鑑を揃えたりするとよさそうですね。
他にも、電車に乗ったときの様子をインタビューしたり、散歩に出かけて本物の電車を見に行ったりすることで、さらに子どもたちの興味が広がっていくかもしれません。
友だち同士のやり取りを促す
電車ごっこをしていると、楽しそうな様子を見た他の子どもが遊びに参加したり、運転手さんとお客さんというように役割を分担したりする姿が見られるかもしれません。
保育士さんは、そうした子ども同士のやり取りを仲立ちすることが大切になります。
遊びに入りたそうにしている子どもといっしょに「のせてください」と声をかけに行く、乗り降りのやり取りができるよう切符や駅を作るなど、その場に応じて援助していきましょう。
安全に配慮する
室内を歩き回る電車ごっこでは、転倒したりぶつかったりしないように環境設定を工夫する必要がありそうです。
机や椅子などを避けておいたり、他の遊びをしている子どもがいる場合は電車ごっこのスペースを決めたりすると安全に遊べるでしょう。
また、興奮してつい走るのが速くなってしまう子どもには、「赤信号です」「スピード違反です」など、子どもの遊びの世界を壊さないよう注意できるとよいかもしれませんね。
電車ごっこのアイデアを知って、保育園でやってみよう
今回は、保育園で楽しめる電車ごっこのやり方や手作りおもちゃを紹介しました。
電車の運転手やお客さんになりきって遊ぶ電車ごっこは、子どもの想像力を引き出し、友だちとかかわりながら楽しめる遊びと言えそうです。
電車のイメージを引き出せるような声かけや、友だち同士のやり取りを促すかかわりをしていけるとさらに遊びが盛り上がるでしょう。
コラムを参考に、保育園でも電車ごっこを取り入れてみてくださいね。
関連記事:電車ごっこの指導案の書き方。ねらいや導入に使える歌、手作りアイテム/保育士バンク!
関連記事:電車ごっこに使える手作りおもちゃ。ダンボールなど廃材を活かした作り方/保育士バンク!