電車ごっこの指導案の書き方について悩む保育士さんもいるでしょう。電車ごっこのやり方や指導案の記し方のコツが分かれば、保育準備の際に役立つかもしれません。今回は保育で電車ごっこを導入する際の指導案について、ねらいや環境構成などの書き方と例文を説明します。あわせて、手作りアイテムの作り方もまとめました。
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■目次
保育で活用できる電車ごっことは
保育園ではおままごとやお店屋さんごっこなど、誰かになりきるごっこ遊びを楽しむことも多いでしょう。電車ごっこも人気の遊びのひとつかもしれません。
電車ごっことは、運転したり乗客役をしたりと、電車にまつわる行動の真似をする遊びです。
肩に手をかけて繋がった様子を、電車に見立てて遊ぶのが基本的なやり方なので、道具いらずでいつでも気軽に楽しむことができるでしょう。
フラフープやダンボール、縄跳びを活用して、電車に見立てて遊んでも楽しいかもしれません。
また、切符や車掌さんの帽子を用意したり、線路に見立てた線を引いたりと、いろいろな小道具を用意すれば、子どもはより役になりきることができるかもしれません。
そんな電車ごっこを保育に取り入れる際、どのように指導案を書けばよいのでしょうか。
次から、指導案を書く際の例文を、「ねらい」「環境構成」「子どもの姿」「保育士の援助」の4つの項目に分けて紹介します。
電車ごっこの指導案【ねらい】
ねらいを立てるときは、子どもが電車ごっこを通して、身につくことや学べることなどを考えてみましょう。
電車ごっこの指導案における、ねらいの例文は以下です。
- 友だちといっしょに、ルールを守りながら楽しく遊ぶ
- ごっこ遊びを通して、体を動かすことを楽しむ
- 電車などの乗り物に興味をもつ
子どもが電車の運転手さんや車掌さんの仕事をイメージしながら遊ぶことで想像力が育まれたり、電車を利用するお客さんになりきって話すことで社会性や言語力が高まったりすることが期待できるでしょう。
電車ごっこで遊ぶ前に、電車にまつわる絵本や図鑑を見ると、より電車に興味を持って遊びに取り組めるようになるかもしれませんね。
電車ごっこの指導案【環境構成】
子どもが夢中になって遊べるように、事前に準備できることを工夫してみましょう。
電車ごっこの指導案における、環境構成の例文は以下です。
- 電車が走る音や踏切などの効果音を用意する
- 机や椅子を片づけ、広く遊べるスペースを確保する
- 子どもがつまずきそうなものが落ちていないか確認する
どのように電車ごっこをすれば盛り上がるのか、想像しながら環境構成を考えましょう。
例えば、さまざまな効果音を取り入れることも効果的かもしれません。
電車の「ガタンゴトン」という音を運転手さんが言い、踏切の「カンカンカン」という音を保育士さんが言うなど、言葉で表現してもよいでしょう。
また、子どもが遊ぶ姿を想像し、ケガをしないために環境を整える配慮も大切です。
電車ごっこの指導案【子どもの姿】
子どもが電車ごっこのやり方や、ルールに沿って遊ぶ姿を想像しましょう。
電車ごっこの指導案における、子どもの姿の例文は以下です。
- 運転手さんや車掌さんなどの役になりきって、簡単な会話を楽しむ
- 切符をお金で買う、運転をするなど、いろいろな動作の模倣をする
遊びのなかで、子どもが起こしそうな行動を予想することがポイントです。
また、子ども同士のやり取りや話しそうなことを考えながら書くのもよいかもしれません。
電車ごっこの指導案【保育士の援助】
子どもがより電車ごっこを楽しむために、保育士さんができることは何かを考えてみましょう。
電車ごっこの指導案における、保育士の援助の例文は以下です。
- 運転手さんや車掌さんなど、保育士さんも役になりきっていっしょに遊ぶ
- 走っている子どもには、ゆっくり進むように注意の言葉をかける
子どもが役の演じ方などに戸惑っていたら、まずは保育士さんが運転手さんや車掌さん役をしてみましょう。保育士さんのやり方を参考にして、子どもはそれぞれの役について学ぶことができそうです。
また、事前に走らないよう約束をしても、電車になりきって走ってしまう子どももいるかもしれません。
子どもが複数人で連なっているため、走るとバランスを崩してケガをする危険があります。
電車同士の衝突を防ぐためにも、走らずに遊ぶように約束をし、子どもの状況を見ながら適宜声掛けをするなど配慮することが大切です。
電車ごっこをより楽しむためのコツ
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電車ごっこのやり方を工夫することで、より電車ごっこが楽しくなるかもしれません。
導入として歌を歌う
活動前に、電車や汽車にまつわる歌に親しんでみましょう。
電車ごっこをしている最中にその歌を流してみれば、音楽に合わせて口ずさみながら楽しく遊べるかもしれません。
保育士さんが電車にちなんだ音楽をピアノで弾き、子どもたちの動きをみて演奏スピードを変えてみても楽しそうですね。
アイテムを手作りする
電車ごっこがより盛り上がりそうな小道具を、手作りしてみましょう。
ここでは、電車ごっこに活用できる便利な小道具の作り方を紹介します。
車掌さんの帽子
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<用意するもの>
- ダンボール
- セロハンテープ
- 黒ガムテープ
- 赤ビニールテープ
- 黄ビニールテープ
- 黄の折り紙
- はさみ
<製作のポイント>
どの子どもでもかぶれるよう、帽子は大きめのフリーサイズで作りましょう。
大中小とさまざまなサイズの帽子を用意してもよいですね。
帽子とあわせて白い手袋をはめると、車掌さん気分が一層高まるかもしれません。
電車
<用意するもの>
- ダンボール
- 色画用紙
- はさみ
- のり
- ガムテープ
<作り方>
1.ダンボールの底面を切り取ります。
2.ダンボールの上面を内側に折り込み、ガムテープで補強します。
3.ダンボールの側面に、作りたい電車の色を参考にして色画用紙を貼り合わせるとできあがりです。
<製作のポイント>
作りたい電車が決まったら、図鑑を参考に色合いを工夫してみましょう。
ダンボールで作った電車を体にはめて遊びます。体から落ちないよう紐で固定してもよいですね。
縄跳びや紐などを床に並べて、線路に見立てても楽しそうです。
切符・ICカード
<用意するもの>
- 画用紙
- はさみ
- ペン
<作り方>
1.切符の大きさに合わせて画用紙を切ります。
2.ペンで駅名や料金などを記すとできあがりです。
<製作のポイント>
いろいろな色の画用紙を使って好きなシールを貼り、オリジナルの切符を作っても楽しいかもしれません。
年長児クラスでは、自分の好きな駅名や料金などを書くことで、文字や数字を書く練習にもなりそうですね。
改札口
<用意するもの>
- 大きめのダンボール
- 色画用紙
- ガムテープ
- はさみ
- のり
<作り方>
1.ダンボールで子どもの背丈ほどの四角柱を作ります。
2.上面にICカードをかざす部分を作るとできあがりです。
<製作のポイント>
よく利用する駅を参考にして、ダンボールを改札口の形へ近づけてみましょう。
鈴などの楽器を使って、切符やICカードをかざしたときの効果音を表現しても楽しそうですね。
電車ごっこの指導案の書き方を知って保育に役立てよう
今回は、電車ごっこの指導案について、書き方のポイントと例文を紹介しました。
ねらいや環境構成は、子どもの遊び方などの行動を想像し、どのようなことが身につくのか考えると立てやすいかもしれません。
また、子どもが遊んでいる最中にケガをしないよう、活動スペースにつまずきそうなものが落ちていないか確認するなど、配慮することも大切です。
電車ごっこは道具いらずでいつでも遊ぶことができますが、事前に小道具を手作りすれば、より子どもたちの気分も高まるかもしれません。
指導案の書き方をおさえて、子どもが運転手さんや車掌さんなどになりきって遊べるよう事前に準備できるとよいですね。