児童指導員になるために必要な資格とは?大学や通信などの取得方法、履歴書の書き方など

転職活動をしている保育士さんの中には、児童指導員になるための資格を取りたいと考えている方もいるかもしれません。児童発達支援施設などで児童指導員として働くためには、「児童指導員任用資格」が必要になります。今回は、児童指導員任用資格を取るために必要な要件や、取得方法などについて紹介します。


子どもを抱っこする女性

polkadot_photo/shutterstock.com

 

児童指導員とは

児童指導員とは、児童福祉施設で生活を送っている0歳から18歳の児童に対して、保護者の代わりとなって生活全般の指導や訓練を行い、健全な成長を支援する職員のことをいいます。

 

主に児童発達支援施設や児童養護施設、乳児院などで働き、子どもへの療育やケースワークなどを行います。

 

児童指導員は、障害を抱えていたりさまざまな事情をもっていたりする子どもたちと向き合う仕事であり、ときには親や兄弟のような役割も果たしているのが特徴と言えるでしょう。

 

では、児童指導員になるためにはどんな資格が必要なのでしょうか。資格要件や取り方について解説します。

児童指導員になるために必要な資格要件

児童指導員になるためには、「児童指導員任用資格」を取得することが必須となります。

 

児童指導員任用資格の取得方法は、大まかに分類すると大学や大学院を卒業する方法と、実務経験を積む方法の二通りの方法があります。

 

それぞれ見ていきましょう。

 

大学・大学院などを卒業する場合

 

大学や大学院などを卒業して資格を取得する場合の要件は、以下のように定められています。

 

  • 地方厚生局長等が指定する児童福祉施設の職員を養成する学校またはその他の養成施設を卒業する
  • 大学の学部または大学院で、社会福祉学、心理学、教育学もしくは社会学を専修する学科を卒業する

 

4年制の大学や大学院で社会福祉や教育など特定の学部を卒業した場合のみ、要件を満たしていることになります。通信制の大学でも児童指導員を目指すことができるため、これから資格を取得したい場合でも、通信で勉強しながら仕事と両立させることもできそうです。

 

また、地方厚生局長が指定する福祉系の専門学校を卒業した場合も、同様に要件を満たしていることになります。

 

福祉系の専門学校を卒業すると児童指導員任用資格証明書が発行される場合があるようですが、一般の4年制大学や大学院、通信制大学を卒業した人の場合には、卒業証明書と成績証明書によって資格を確認することになるようです。

 

実務経験を積む場合

 

中卒や高卒から一定の実務経験を積んで資格を取得する場合の要件は、以下のように定められています。

 

  • 高等学校か中等教育学校を卒業し、2年以上児童福祉事業に従事する
  • 児童福祉事業に3年以上従事し、都道府県知事が適当と認めた場合

 

大学を卒業していなくても高卒以上であれば、実務経験を2年積むことで要件を満たしていることになります。また中卒の場合、実務経験を3年以上積み、都道府県知事からの認定をもらえば要件をクリアします。

 

他にも、小学校、中学校、高等学校または中等教育学校の教諭の資格を持ち、都道府県知事に認定された場合や、社会福祉士、もしくは精神保健福祉士の資格を持っている場合も要件を満たしていることになり、児童指導員任用資格を取得することができます。

 

出典:児童指導員及び指導員の資格要件等/厚生労働省

児童指導員として働ける施設

児童指導員はどのような施設で働くことができるのでしょうか。

厚生労働省「児童指導員及び指導員の資格要件等 」の資料によると、基準上配置が求められているのは以下の施設です。

 

  • 児童発達支援事業(児童発達支援センター以外で、主として重症心身障害児を通わせる場合に限る)
  • 児童発達支援センター
  • 放課後等デイサービス(主として重症心身障害児を通わせる場合に限る)

 

これらの施設について一つずつ見ていきましょう。

 

児童発達支援事業

 

児童発達支援事業は、障害をもつ利用児童とその家族に対して身近な療育や支援を提供する事業で、児童発達支援事業所で行われています。

 

児童発達支援事業所は、専門施設である児童発達支援センターよりも緩やかな実施基準とし、より障害児が利用しやすいように、身近な地域における施設の数を増やす目的で設置されています。

 

地域支援は行わず、もっぱら障害児への療育や家族支援をメインに行っているのが児童発達支援事業の特徴です。

 

児童発達支援センター

 

児童福祉施設としての位置付けであり、障害児への療育や家族の支援を行うと同時に、地域支援としての機能も持ち合わせているのが児童発達支援センターです。

 

児童発達支援センターは、専門機能を生かして障害児を預かる施設への指導や助言なども行い、地域の中核的な役割を持つ支援施設となっています。具体的には、地域支援として保育所等訪問支援や相談支援事業などを行っています。

 

放課後等デイサービス

 

放課後等デイサービスは、放課後や夏休みなどの長期休暇中において、生活能力向上のための訓練などを提供し、障害児の自立を促進することを目指している施設です。

 

学校通学中の障害児を対象としており、主に障害児が自立した生活を営めるようにするための訓練や、地域との交流機会の提供などを行っています。

 

他にも余暇活動をしたり、創作活動などを行ったりして社会との交流ができるように支援しています。

 

また、児童指導員はこれらの施設以外にも、児童養護施設や乳児院などでも働くことができるので、働ける施設について確認しておくとよいでしょう。

 

出典:児童指導員及び指導員の資格要件等/厚生労働省

出典:障害児及び障害児支援の現状/厚生労働省

出典:障害児支援について/厚生労働省

児童指導員の仕事内容

女性に抱っこされている子どもが泣いている写真

KPG_Payless/shutterstock.com

 

ここでは、児童指導員の具体的な仕事内容について解説します。

 

生活指導

 

児童指導員の主な仕事は、施設を利用する児童への生活指導です。

主に起床や就寝、食事や排せつなど生活にかかわる身の回りのことについて指導をします。

 

また、児童発達支援施設では日常の動作訓練や知識技能の付与、集団への適応訓練などをして、障害児が自立できるように支援しています。

 

他にも、子どもたちと遊んだり学校の勉強をフォローしたりと、子どもたちの生活全般のサポートをするのが児童指導員の仕事です。

 

療育

 

知的障害や身体障害を持った児童を療育するのも児童指導員の仕事になります。

 

障害をもった子どもたちが通う児童発達支援センターでは、日常的な動作の訓練だけでなく子どもたちに対して療育が提供されており、それを担っているのが児童指導員です。

 

障害の種類はさまざまであるため、児童指導員には子どもの障害や特性に合った個別の対応が求められるでしょう。

 

保護者との面談や相談支援

 

児童指導員は、子どもだけでなく保護者のサポートなども行います。

 

児童発達支援施設では、障害児をもつ家族への相談支援なども行われています。

また、児童養護施設や乳児院では、保護者と定期的な面談を実施して子どもの引き取りに関して話し合うこともあります。

 

児童指導員は、保護者の相談に乗り不安解消のサポートをすることで、保護者の支援をする役割も持っていると言えるでしょう。

履歴書を書くときや面接時のポイント

児童指導員には、何らかの事情を抱えた子どもと向き合うための根気強さや仕事への覚悟、また保護者に寄り添えるようないい人柄などが求められているようです。

 

ここでは、児童指導員へ転職するために履歴書を書くときや、面接を受けるときなどに気を付けるポイントを紹介します。

 

履歴書を書くとき

 

資格欄に児童指導員任用資格を持っていることを記載する

児童指導員として働ける施設に転職したい場合は、履歴書の資格を書く欄に児童指導員任用資格を取得していることを書きましょう。

 

資格を取得した年月は、要件を満たした時点のものを書きます。任用資格は資格を証明するものがないため、大学・専門大学の卒業年月や、実務経験を積んでいた施設での職歴などは間違えずに記入するようにしましょう。

志望動機は児童指導員を目指す理由を具体的に書く

どうして児童指導員になりたいのかというところを具体的に書くようにしましょう。

単に「子どもが好きだから」では、幼稚園教諭や保育士でもいいのでは、と思われてしまいかねません。

 

さまざまな事情を抱える子どもと向き合う、「児童指導員」という仕事ならではの理由を意識して志望動機を書いてみましょう。また、どうしてその施設を選んだのかという理由も、施設ごとの特徴をつかんだうえで書くことがポイントです。

自己PRでは保育士としての経験をアピールする

保育士から児童指導員に転職する場合、子どもや保護者との関わり方などといった経験を、児童指導員として働いた際に生かすことができるかもしれません。自身の保育士経験や長所を、具体的なエピソードを交えてアピールしてみましょう。

 

自己PRを書くときには、責任感や粘り強さなど、児童指導員に求められる人物像に自身の経験やエピソードを近づけることを意識して書くといいかもしれません。

 

面接をするとき

 

人柄の良さが伝わるように笑顔を心がける

児童指導員は子どもだけでなく保護者や家族とも密接に関わる仕事です。そのため、保護者に優しく寄り添えるような人柄の良さが求められているでしょう。

 

児童指導員の面接では、はきはきと受け答えをするのはもちろん、笑顔を心がけて温かみのある人柄であることが伝わるように話すといいかもしれません。

福祉現場の課題や現状について答えられるようにしておく

児童福祉に関する理解度や興味の度合いをはかるため、面接官から最近の児童福祉の現状について意見が求められることも多いようです。

 

そのため、児童福祉に関連するニュースや現在福祉が抱える課題などについてよく調べて、自分なりの意見を答えられるようにしておくといいでしょう。

 

また、面接のときだけでなく児童指導員として働く際にも必要な知識になるので、日頃からアンテナを張って児童福祉についての理解を深めておくといいかもしれません。

児童指導員になるための資格について理解を深め、転職活動に活かそう

今回は児童指導員になるために必要な資格の取り方や要件について紹介しました。

 

児童指導員任用資格を取得するためには、通信を含む4年制の大学や大学院の特定の学部、あるいは専門学校を卒業するか、もしくは中卒や高卒から実務経験を積んで要件を満たす方法があります。

 

児童指導員になりたい、もしくは児童指導員に興味のある保育士さんは、今回紹介した資格の取り方や仕事内容、履歴書や面接でのポイントを押さえて、転職活動に活かしてみてくださいね。

 

ベビーシッターとして働く

 

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